ビジネスの基本である「マーケティング」や「ブランディング」は、スポーツ業界の企業にとって重要です。
例えばスポーツ用品店では売上を伸ばすための集客が必要ですし、プロスポーツチームの経営ではチケットの売上やスポンサーを増やすためのブランディングが求められます。
しかしスポーツ業界の中にはマーケティングやブランディングが上手くいかず、なかなか売上を増やせない企業も少なくありません。
そこで今回は、マーケティングやブランディングに大きな効果が期待できる「コンテンツマーケティング」について解説します。
目次
スポーツ業界に今求められる「コンテンツマーケティング」とは
はじめに、コンテンツマーケティングの概要や、コンテンツマーケティングとスポーツマーケティングの違いを解説します。
コンテンツマーケティングについて詳しくない方・スポーツマーケティングとの違いが分からない方は、以下の解説を読んで理解を深めましょう。
そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとはその名のとおり「コンテンツ」を使ったマーケティング手法です。
自社の顧客が知りたい情報をコンテンツという形にして、検索エンジンを通じて発信します。情報を受け取った顧客のニーズを満たすことで信頼関係を構築し、結果的に自社のマーケティングやブランディングに繋げられる点がコンテンツマーケティングのメリットです。
コンテンツマーケティングには動画やSNSの投稿など複数の種類がありますが、この記事では最も代表的である「記事コンテンツを活用したコンテンツマーケティング」に絞って解説します。
スポーツマーケティングとコンテンツマーケティングは何が違うの?
スポーツ業界でマーケティングと言えば「スポーツマーケティング」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかしコンテンツマーケティングとスポーツマーケティングはまったく異なる手法なので、両者の性質の正確な理解が重要です。
スポーツマーケティングとは、スポーツの持つ力を活用してビジネスに繋げるマーケティング手法です。例えば知名度の高いプロスポーツ選手を広告塔として起用するパターンや、テレビ中継されるスタジアムに自社広告を掲載するパターンなどが該当します。
一方、コンテンツマーケティングは前述のとおり顧客に情報を発信してマーケティングを実施する手法です。仮にスポーツ業界の企業が実施する場合も、発信するテーマはスポーツ関連のトピックに限定されず、比較的自由度の高い情報を発信できます。
スポーツ業界がコンテンツマーケティングで実現できること
スポーツ業界がコンテンツマーケティングを実施することで、主に以下の4点を実現できます。
- スポーツに興味がある顧客との接点が作れる
- ブランディングを実現しファンを増やせる
- スポーツファンの具体的なアクションを促せる
- 自社の採用活動に繋げられる
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
スポーツに興味がある顧客との接点が作れる
コンテンツマーケティングの実施により、スポーツに興味がある顧客との接点が作れます。
コンテンツマーケティングは、検索エンジンを活用した手法です。スポーツ関連のキーワードで顧客の検索結果の上位に表示されれば、例え自社を認知していなくても自社の発信したコンテンツを閲覧してもらえます。
例えばテニス用品を販売する企業が「テニスの上達方法」をテーマにしたコンテンツを発信することで、テニスが上手くなりたい方との接点が作れます。テニスをする方はテニス用品の販売会社にとってメインのターゲット層なので、将来的に自社の売上に貢献する可能性が高いと言えるでしょう。
顧客と最初の接点を作り出すことは、ビジネス業界でも難しいとされるステップです。自然な形で顧客と繋がれるコンテンツマーケティングは、スポーツ業界の企業におすすめの手法と言えます。
ブランディングを実現しファンを増やせる
コンテンツマーケティングでは顧客とコミュニケーションを交わすことで、企業に必要な「ブランディング」を実現できます。
ブランディングとは、自社のイメージや価値を高めるための活動です。コンテンツマーケティングで発信した情報が顧客の疑問や課題を解決できれば、0の状態から顧客と信頼関係を構築できます。接点が作れた顧客に有益な情報を提供し続けることで、自社に対するブランドイメージを醸成でき、自社の「ファン」として育てられるでしょう。
スポーツ業界の中でも特にプロスポーツチームにとって、ブランディングは非常に重要です。スポーツクラブの収入源は主にチケット代やグッズの売上・スポンサー料などであり、売り上げを増やすためにはより多くのファンを獲得する必要があります。
そのため、ブランディングを実現できるコンテンツマーケティングは、スポーツ業界(特にプロスポーツチーム)にとって相性の良いマーケティング手法です。
スポーツファンの具体的なアクションを促せる
スポーツファンの中には「興味はあるものの、具体的な購入決定に至らない顧客」が存在します。そのような潜在顧客のニーズを引き出せることが、コンテンツマーケティングを実施するメリットのひとつです。
例えばサッカーのテレビ中継は観ているのに、チケットを購入してスタジアムで観戦するまでには至らない方は、上記の「潜在顧客」に該当します。このような方をターゲットにスタジアム観戦の魅力を発信することで「チケットの購入」という具体的なアクションに繋げられるでしょう。
コンテンツマーケティングには、スポーツファンの購入決定を後押しできる力があります。売り上げが伸び悩むスポーツ業界の企業は、ぜひ導入を検討してください。
自社の採用活動に繋げられる
コンテンツマーケティングの目的は売り上げの強化やコンバージョンだけではありません。求める人物像や社内の雰囲気を積極的に発信することで、自社の採用活動に繋げられるメリットもあります。
例えば「入社したての新入社員の一日に密着」「〇〇会社が向いている方の特徴とは?」などの特集を発信することで、自社に興味を持つ求職者に必要な情報を提供できるでしょう。入社後のギャップがなくなるので、離職率を下げる効果も期待できます。
スポーツ好きな方の中には「スポーツ業界で働きたい」と考える方も少なくありません。コンテンツマーケティングではそのような方との接点も作りやすいので、間口を広げて優秀な人材が集まりやすい採用体制を構築できます。
スポーツ業界におけるコンテンツマーケティングの導入事例
ここでは、スポーツ業界におけるコンテンツマーケティングの導入事例として以下の5社を紹介します。
- Runtrip MAGAZINE
- footballista(フットボリスタ)
- スポジョバ
- POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)
- ドリームコーチング
それぞれの特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。
Runtrip MAGAZINE
Runtrip MAGAZINEはランニングを愛する全てのランナーに向けて、幅広いお役立ち情報を発信しています。
メディア内ではランニングシューズやランニングウェアなど、ランニングにまつわる幅広い商品の紹介も行っており、その中には自社製品だけでなく他社製品の紹介も含まれています。
自社が一方的に伝えたい情報ではなく、顧客が本当に知りたい情報を網羅するコンテンツマーケティングの運用方針は、まさにユーザーファーストを実現した好事例と言えるでしょう。
footballista(フットボリスタ)
footballista(フットボリスタ)は、サッカー界のトレンド情報や注目トピックを日々配信するオウンドメディアです。
フットボリスタで配信する記事は、有料記事と無料記事に分かれています。有料記事の内容をすべて閲覧するためには、月額または年額料金の支払いが必要です。
無料会員でも有料記事の冒頭部分だけは閲覧できるようになっており、ユーザーの興味を上手く引き付けて購入決定(会員登録)へと繋げています。
上記は少し特殊な事例ですが、購入決定までの導線設計はコンバージョン率を左右する重要な施策です。これからコンテンツマーケティングを実施する企業は、ぜひ参考にしてみてください。
スポジョバ
スポジョバは、スポーツ業界で働きたい方向けのオウンドメディアです。「スポーツ業界で働くために重要なこと」や「業界別でおすすめの求人」など、求職者にとって価値の高い情報を幅広く発信しています。
スポーツ業界で仕事を探す方からすれば、自身の希望に合った仕事を探しながら必要な情報も得られるので、まさに一石二鳥のサービスと言えるでしょう。このようにユーザーのニーズを的確に網羅できれば、自然と利用者の数も高まっていきます。
スポジョバに該当するかは定かではありませんが、一般的に求人サイトの主な収入源は広告料や手数料です。つまり利用者が増えるほど成果に直結する仕組みのため、ユーザーニーズを満たしてマネタイズにつなげたい企業はぜひ参考にしてください。
参考:スポジョバ
POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)
POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)は、スポーツやトレーニングにまつわるさまざまな情報を発信するオウンドメディアです。
主に栄養や休息の重要性を説明するコンテンツが多く、必要な情報を提供することで自社商品である「POWER PRODUCTION」へのニーズを上手く喚起しています。
また、商品へのリンクをコンテンツの末尾部分に設置することで、自然な流れでコンバージョンへと繋げている点もポイントです。
コンテンツの末尾部分は、ユーザーの疑問が最も解決できる部分と言われています。適切な位置へのリンク設置は非常に重要なテクニックなので、これからコンテンツマーケティングを実施する企業は参考にしてください。
DCマガジン
DCマガジンではスポーツ教育に関する幅広い情報を発信しています。
DCマガジンのターゲットは主に「子どもにスポーツ教育を受けさせたい保護者」です。ジュニアが通えるスポーツ教室や、ジュニアのスポーツ教育において必要な知識などを特集しており、スポーツ教育に対する保護者のニーズを上手く喚起しています。
DCマガジンをコンテンツマーケティングの導入事例として参考にする場合は、各コンテンツと関連性を持たせた誘導文の作り方に着目しましょう。例えばサッカーの強豪校を紹介するコンテンツでは、末尾部分で「自社サービスなら現役のJリーガーによる特別指導が受けられる」点をアピールし、会員登録へと誘導しています。
自社商品やサービスへの誘導文章は、同じ文言を使いがちです。より効果的にコンバージョンへと繋げたいなら、DCマガジンの誘導文の作り方を参考にしましょう。
参考:DCマガジン
コンテンツマーケティングを始めるために必要な準備
コンテンツマーケティングを始めるために必要な準備は、主に以下の3つです。
- 社内体制の整備・リソースの確保
- オウンドメディアの構築
- SEOに精通したスタッフの配置
詳しく見ていきましょう。
社内体制の整備・リソースの確保
コンテンツマーケティングをスタートする前に、社内体制を整備して必要なリソースを確保しましょう。
コンテンツマーケティングで成果を出すためには、中〜長期間にわたりコンテンツを作成し続けなければいけません。コンテンツの作成には手間と時間がかかるので、人員が足りていなければ継続が困難となります。
オウンドメディアの構築
自社でオウンドメディアを持たない場合は、サイトの立ち上げ・構築からのスタートとなります。
最も一般的なCMSである「WordPress(ワードプレス)」などを使えば初心者でも簡単にサイトを構築できますが、デザインやビジュアルにこだわりたいなら専門業者への外注も視野に入れましょう。
コンテンツマーケティングの戦略立案からサイトの構築まで依頼できる専門会社も存在するので、一貫性を持たせたい場合はまとめての外注がおすすめです。
SEOに精通したスタッフの配置
コンテンツ作成では、SEOに精通したスタッフを配置する必要があります。検索結果の上位表示を獲得するには、SEOのスキルやノウハウが不可欠だからです。
自社でSEOに詳しいスタッフを確保できない場合は、専門業者への外注を検討しましょう。
弊社クロスバズでは、SEOに精通したプロがコンテンツ作成における全ての業務を代行します。成果に直結する高品質なSEO記事を作成いたしますので、お困りの際はぜひ一度ご相談ください。
スポーツ業界でコンテンツマーケティングを導入する際の注意点
スポーツ業界でコンテンツマーケティングを導入する際は、以下の2点に注意しましょう。
- 速報性の高い情報を発信する
- 専門性の高さを活かして差別化を図る
それぞれ詳しく解説します。
速報性の高い情報を発信する
スポーツ業界で情報を発信するなら、速報性の高い情報の発信を心がけましょう。
例えば新作のスポーツ用品を紹介する場合は、発売後すぐに情報を提供することで多くの顧客に閲覧してもらえます。反対に発売してから一定期間経過後に情報を発信しても、顧客が「既に知っている情報」では価値が薄れてしまいます。
また、プロスポーツの分野におけるトレンド記事でも、速報性へのこだわりが重要です。例えば試合結果やスター選手の移籍情報などの情報は、1日・2日経過するだけで価値が急速に失われていきます。
テーマによっても異なりますが、スポーツ業界は特に速報性が求められる業界です。コンテンツマーケティングを実施する際は、情報発信のタイミングにも注意してください。
専門性の高さを活かして差別化を図る
既にスポーツ業界でも複数の導入事例が存在するので、コンテンツマーケティングを実施するだけでは差別化にはなり得ません。同業他社と差別化を図るためには、専門性の高さを活かした情報発信が重要です。
例えばスポーツジムでコンテンツマーケティングを実施する際には、正しいトレーニング方法や適切な負荷・頻度など、自社に知見がある範囲でコンテンツを作成した方が価値の高い情報を発信できます。
同業他社よりも詳しくて分かりやすいコンテンツが発信できれば、集客競争において優位を築けるでしょう。
まとめ
今回は、スポーツ業界でコンテンツマーケティングを実施するメリットや導入事例・必要な準備などを解説しました。
コンテンツマーケティングは、スポーツ業界の集客において重要な「マーケティング」と「ブランディング」を実現できる一石二鳥の手法です。本記事で解説した内容を参考に、まだ導入していない企業は必要性を検討してみましょう。
弊社クロスバズでは、コンテンツマーケティングで最も負担の大きい「記事作成」を一気通貫で実施しています。記事作成における一連の業務をまるっと依頼したい場合は、お気軽にご相談ください。