近年の少子化や大学数が増えたことによって、競合校との生存競争が熾烈を極めています。
大学によってはWeb広告戦略に力を入れて、差別化や受験生への認知拡大を図りたいと考えているのではないでしょうか。
そこで今回は、大学広報担当者向けにWeb広告制作・運用のポイントについて解説します。
本記事を読めば、Web広告戦略の知識が身につくはずですので、ぜひ参考にしてください。
目次
大学がWeb広告を活用すべき理由とは
大学への受験者数の増加や認知度拡大を狙う上で、Web広告戦略は必ず行うべきです。
理由は、若者はインターネットで情報を収集するのが当たり前の時代だからです。
総務省が発表した「令和5年 情報通信白書」によると、13歳〜19歳のインターネット利用率は男女平均して98.4%という結果が出ています。
つまり、Web戦略を行うと大学に関する情報をインターネットで調べている多くの方へ、リーチできる可能性が上がるということです。
また、Web広告戦略はテレビCMや吊り革広告とは異なり、細かなデータ分析ができます。
そのため、運用するごとに知識やノウハウが蓄積し、次年度のWeb広告戦略に活かせる点でも、活用すべきだといえるでしょう。
大学がWeb広告を活用するメリット
大学がWeb広告を活用するメリットとして、以下の点があげられます。
- 認知度の向上
- 入学希望者の増加
- ターゲティングが可能
- 少額から運用が可能
では、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
認知度の向上
大学がWeb広告を運用するのは、認知度が向上できる点でメリットです。
インターネットを利用するユーザーに対して接触する機会が増やせるので、大学名やイメージの浸透を狙えます。
少子化が進んでいる日本においては、認知度あるいは偏差値の高い大学に入学希望が集中する傾向にあります。
そのため、Web広告を駆使して認知度が向上できるのは、大きなメリットになるでしょう。
入学希望者の増加
Web広告を活用できれば、入学希望者の増加が見込めるのもメリットです。
Web広告によって大学を知りたい方が多くなると、学部や学科、カリキュラムに魅力を感じて入学したいと考える方も増えていきます。
入学希望者の増加は、大学の生存戦略として最も重視すべき項目です。
だからこそ、Web広告のメリットを活かした運用を推奨します。
ターゲティングが可能
Web広告は、年齢・性別・エリアなどのターゲティングが可能です。
大学の学部・学科に興味がありそうな属性をターゲティングすると、効果的に広告配信ができます。
また、不特定多数の方に広告を配信しなくてもよいので、コストの節約にもなります。
ターゲティングできるメリットを活かすには、大学に入学したい学生の属性を明確にしておきましょう。
少額から運用が可能
Web広告は少額で運用ができる点もメリットです。
一般的に、テレビやラジオで広告を配信する場合、最低でも30〜50万円ほどかかります。
一方、Web広告の一種であるリスティング広告の最低出稿金額は1,000円からです。
もちろんWeb広告も、予算を増やして適切に運用するほど成果が出る可能性は高くなります。
ただし、オフライン広告とは異なり、運用次第で最小限のコストで成果が出る可能性は十分にあるでしょう。
大学の認知度向上におすすめなWeb広告の種類
大学の認知度向上のためにおすすめのWeb広告としては、以下の4種類があげられます。
- リスティング広告
- ディスプレイ(バナー)広告
- SNS広告
- 動画広告
では、それぞれのWeb広告の特徴について解説していきます。
リスティング広告
リスティング広告とは、指定したキーワードに対して検索エンジンの検索結果に表示させる広告です。
ユーザーのニーズが明確な状態で広告を表示させられるので、より成約しやすい広告の1つとされています。
潜在的ユーザーよりも顕在した悩みに対して広告を出稿するため、広告のデザインや内容もより属性を具体的にしておくほうが良いでしょう。
大学が行うリスティング広告としては、入試に関する検索キーワードが代表的です。
また、リスティング広告はオープンキャンパスや出願数の計測にも活用でき、大学にどのくらい興味・関心があるかの集計もできます。
ディスプレイ(バナー)広告
ディスプレイ(バナー)広告とは、検索エンジンやWebサイトに設けられた広告枠に表示させるものです。
画像・テキスト・動画の組み合わせで表示させられるので、リスティング広告よりもインパクトのある広告が作成できます。
ディスプレイ広告は顕在層だけでなく潜在層に対しても訴求でき、幅広いユーザーがターゲットです。
また、閲覧履歴や地域などのターゲティング設定も可能なので、潜在層の中でも絞りこみができます。
受験対策アプリ(StudyplusやSTUDYSWITCHなど)にもディスプレイ広告出稿できると、より無駄のないアプローチが可能です。
SNS広告
X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSに広告を配信するのも方法の1つです。
10代〜20代のユーザーが多いSNSを見極めて出稿すると、より確度の高いアプローチができるでしょう。
SNSは入学希望者数の増加よりも認知度の向上に長けているプラットフォームです。
そのため、SNS広告のみ運用するよりは、Web広告戦略の一環としてSNS広告を用いるという意識でいたほうが良いいいでしょう。
また、近年の傾向ではブランディングを度外視した、注目を集めるだけのSNS広告が目立ちます。
大学のWeb広告戦略において、学部・学科のイメージやカリキュラムを伝えて興味を持ってもらうほうが最終的な成果は達成しやすいでしょう。
認知度の向上ばかりに注目し、大学としてのブランディングが伝わらない広告にならないよう注意してください。
動画広告
動画広告は、YouTubeなどの動画配信プラットフォームで配信する方式です。
動きのある広告を数十秒〜数分間にわたって配信できるため、画像やテキストだけでは伝えきれない魅力をアピールできます。
YouTubeに関してはGoogleが運営しているため、ターゲット設定だけでなくリータゲティングも可能です。
最近では、受験生向けのチャンネルも増えており、合間に流れる動画広告としてはユーザーに効果的な訴求もできます。
大学のWeb広告を制作するポイント
大学のWeb広告を制作する際には、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- ターゲットと目的を明確に設定する
- 出稿する媒体を決定する
- ファーストビューでインパクトを与える
- わかりやすい場所・デザインでCTA(コールトゥアクション)を設置する
- スマホ・パソコンどちらも適切なサイズで表示させる
では、各ポイントの詳細を解説します。
ターゲットと目的を明確に設定する
どのWeb広告制作にしても、ターゲットおよび目的の明確化は重要です。
ターゲットと目的が明確になっていないWeb広告は、コンテンツやデザインを曖昧にさせてしまいます。
たとえば、以下のターゲット設定では、どちらより訴求しやすいか考えてみましょう。
- A. 理学部を志望する受験生
- B. 食品業界にアプローチできる遺伝子工学を学びたい受験生
比較すると、Bのほうが掲載すべきコンテンツやデザインが見えやすいはずです。
上記に加えて、偏差値、研究テーマ、エリアなどを具体的にしていけば、より訴求力の強い広告に仕上がります。
同じ要領で、目的も明確に設定してください。
たとえば、認知度の向上が目的なら以下のようなWeb広告運用が例としてあげられます。
- 使用する広告:SNS広告
- 広告内容:おもしろい研究テーマの紹介
もし、入学応募者数を増やすことが目的なら以下のような広告でも良いでしょう。
- 使用する広告:ディスプレイ広告(受験アプリ)
- 広告内容:大学のカリキュラムや概要説明、オープンキャンパスの参加を成果とする
ターゲット・目的が明確になれば、どのような広告を制作すれば良いいいのか見えやすくなるはずです。
出稿する媒体を決定する
ターゲット・目的を明確にしたら、出稿する媒体を決めましょう。
初めてWeb広告を運用するなら、今回紹介した以下の4種類から選ぶのが無難です。
- リスティング広告
- ディスプレイ(バナー)広告
- SNS広告
- 動画広告
潤沢な予算が確保できるならリスティング+ディスプレイなど、複数のWeb広告を運用しても良いでしょう。
ただし、闇雲に幅広く運用しても成果は出づらいので、Web広告初心者の場合は、まずは1種類のみ注力してください。
また、目的に対して適切なWeb広告を選択しているかどうかも吟味しましょう。
ファーストビューでインパクトを与える
Web広告では、ファーストビューでインパクトを与えて読み進めてもらう工夫が必要です。
そもそも、広告を見て興味を引かれなければクリックしてもらうこともありません。
リスティングならキャッチコピー、ディスプレイ広告なら目立つ色など、注目してもらえるようなデザインを意識しましょう。
広告をクリックしてもらえた後のファーストビューも重要です。
例えば、大学のスローガンや校内の風景、何が学べるのかをテキストで大きく表示するなど、視覚的に訴求できる手法を取り入れましょう。
わかりやすい場所・デザインでCTA(コールトゥアクション)を設置する
Web広告の中で特に意識すべきなのは、わかりやすい場所・デザインでCTA(コールトゥアクション)を設置する点です。
CTAとは?:
ユーザーがアクションを起こすためのテキストやボタンなどの施策。大学のWeb広告においては、パンフレット請求やオープンキャンパスの申し込みフォームなどを指す。
CTAはわかりやすい位置に設置しなければ、訪れたユーザーがアクションを起こせず、離脱の原因にもなります。
そのため、できる限り目立つ位置・大きさ・色を用いてアクションを起こしたいユーザーを誘導できるようにしましょう。
スマホ・パソコンどちらも適切なサイズで表示させる
Web広告および誘導先のWebサイトは、スマホ・パソコンどちらも適切なサイズで表示できるよう調整が必要です。
スマホは学生が持っていて当たり前な時代であり、情報を調べるデバイスでもあります。
もちろんパソコンで調べる学生もいるので、どちらで検索しても適切なサイズで表示するのがWeb広告戦略には必須といえます。
スマホ・パソコンそれぞれに適切なサイズの広告を制作するのも良いですが、最近はレスポンシブデザインを用いるのが一般的です。
レスポンシブデザインとは?:
デバイスの画面サイズに合わせて自動でデザイン・レイアウトを調整する仕組み。
レスポンシブデザインを導入すれば、1つのデザインを作成するだけで済むため便利です。
上記を参考に、Web広告およびWebサイトはスマホ用・パソコン用のデザインを準備をしておきましょう。
大学のWeb広告を運用するポイント
ここでは、大学でWeb広告を運用するポイントについて解説します。
- 目的・目標達成までの費用を概算する
- 学生の動きに合わせて時間帯指定の出稿がおすすめ
- 効果測定は必ず行う
Web広告運用において、上記を意識するのが大切です。
では、それぞれのポイントについて詳しく説明します。
目的・目標達成までの費用を概算する
Web広告を成功させるには、制作時に決めた目的・目標を達成するまでに、どのくらいの費用がかかるのかを算出する必要があります。
大学では、作成された予算書をもとに年度内予算が設定されるはずなので、いきなりWeb広告を始めることはできません。
そのため、目的・目標達成までにどのくらいの予算を捻出しなくてはならないのか、より具体的かつ明確に概算しておきましょう。
学生の動きに合わせて時間帯指定の出稿がおすすめ
時間帯指定ができるWeb広告なら、学生の動きに合わせて適切に出稿できます。
例えば、平日なら学校で勉強している時間なので、昼ごろに出稿しても非効率だといえます。
逆に、休日なら昼ごろに出稿しても見てくれる傾向にあるでしょう。
どの時間帯が最も効率的なのかは、Web広告の種類や運用方法によっても変わるため、実際にデータを集計しながら見ていくのが適切です。
効果測定は必ず行う
Web広告を効率的に運用するには、データをもとに効果測定を行うべきです。
特にWeb広告の運用経験がない方の場合、いきなり成果を出すのは難しいでしょう。
基本的には、以下のサイクルで広告運用するのが望ましいです。
- 目標を設定して広告運用を行う
- 目標をどのくらい達成したのかを検証する
- 得られたデータをもとに効果測定し仮説を立てる
- 仮説が正しいのか改めて広告運用を行い検証する
PDCAサイクルを回すというイメージでWeb広告運用を行うのがわかりやすいかもしれません。
効果測定を行い改善していけば、より精度の高い広告運用ができるようになります。
Web広告制作・運用を外注するのも効果的
大学のWeb広告制作や運用は難易度が高く、熟練した担当者であっても成果は出にくいです。
また、データを見て定期的に検証・改善を繰り返さなくてはいけないので、リソース確保も必要になるでしょう。
より効率よく成果を出していきたいなら、Web広告代理店に外注する方法がおすすめです。
ここでは、Web広告代理店に外注するメリット・デメリットについてみていきましょう。
大学のWeb広告を外注するメリット
大学のWeb広告を外注するメリットとしては、以下のような点があげられます。
- 成果が出やすい
- リソースの確保
- 制作〜運用までワンストップでの依頼が可能
Web広告代理店は広告運用のスペシャリストであり、初心者が運用するよりもはるかに成果が出やすいです。
大学のWeb広告運用を得意とする業者を見つけられたら、より効果的な集客ができるでしょう。
また、広告に関するリソースを確保できる点もメリットです。
Web広告代理店によっては広告の制作から運用までワンストップで依頼ができます。
そのため、広報担当者はWeb広告以外のコア業務に時間を割くことができ、多方面から大学の周知が可能になるでしょう。
大学のWeb広告を外注するデメリット
一方、大学のWeb広告を外注するデメリットとしては、以下の2点があります。
- 費用がかかるので予算に余裕が必要
- Web広告代理店の選定が必要
当然ですが外注には費用が必要となり、大学内のみでWeb広告運用を完結するよりも予算に余裕が必要です。
相場としては運用代行手数料は広告費の20%で、300万円の広告費なら60万円発生します。
また、Web広告代理店の選定が必要になる点もデメリットになるでしょう。
もし選定に時間をかけたくない、失敗したくないということでしたら、ぜひ弊社クロスバズにご相談ください。
クロスバズでは大学のWeb広告運用をできる限り低く抑えられるよう、少額運用にも対応したプランをご用意しております。
Web広告以外にもやっておくべき施策
Web広告は認知度向上や入学希望者数の増加には重要ですが、以下の施策にも注力すべきです。
- 充実したホームページの制作
- 交通広告
- マス広告(テレビ・雑誌・新聞・ラジオ)
- オープンキャンパス
広報担当者として、実施可能なものがあれば対応を検討してみてください。
充実したホームページの制作
大学のホームページを充実させるのは、Web広告と同様に大切です。
広告だけよくても、大元のホームページが魅力的でなければ成果は出づらいでしょう。
特に、大学に興味を持った方が知りたい情報をわかりやすくまとめてあるかどうかは、入学志望者の増減を大きく左右します。
「大学の情報がわからない=何が学べるのかわからない」です。
逆をいえば、大学のホームページが充実していれば、興味を持った学生に対して魅力を十分にアピールできます。
ぜひ、Web広告と並行して、充実したホームページ制作にも力を入れてみてください。
弊社クロスバズでは、ホームページの制作・リニューアルのお手伝いもしています。デザイン・コンテンツにお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。
交通広告
学生に対してアプローチできる広告として馴染み深いのが交通広告です。
バスや電車、駅構内の中に掲示されるのが主で、通学中の学生の目にとまります。
交通広告の費用相場としては、以下のとおりです。
広告の種類 | 費用相場 |
---|---|
電車 | 1万円〜数千万円 |
バス | 3万円〜数百万円 |
駅 | 1,600円〜数十万円 |
どの場所・大きさで設置するのかによって費用相場は大きく異なります。
特にデジタルサイネージでの広告を用いる場合には、数千万円の予算が必要です。
マス広告(テレビ・雑誌・新聞・ラジオ)
マス広告も活用すべき施策の1つです。
特にテレビCMでは、起用する芸能人やインフルエンサーによって大きな話題にもなります。
例えば、Number_iの平野紫耀さんが出演したデジタルハリウッド大学のテレビCMは、大きな話題となりました。
ただし、マス広告は費用も高くなりやすいため、安易に実施するのはリスクが大きいです。
ここでは、4大マス広告であるテレビ・雑誌・新聞・ラジオの費用相場をまとめておきます。
広告の種類 | 費用相場 |
---|---|
テレビCM | 数百万〜数千万円 |
雑誌 | 50万円〜250万円 |
新聞 | 数十万円〜数千万円 |
ラジオ | 数万円〜数十万円 |
上記を参考に予算を組み立て、必要であればマス広告の活用も検討してみてください。
オープンキャンパス
オープンキャンパスも入学希望者を増やすのに効果的です。
実際に大学を訪れている時点で、ある程度の興味はあるため、どのように魅力を伝えられるイベントや研究内容をアピールしていくかを考えましょう。
また、オープンキャンパスはWeb広告との相性も良いです。
Web広告で入学申し込みを成果にするよりは、オープンキャンパスへの参加申し込みを成果としたほうがデータとしても集計・分析しやすいでしょう。
今回紹介した中でも、オープンキャンパスは重要度が高い施策だと理解しておいてください。
まとめ
今回は大学広報担当者向けに、Web広告制作・運用のポイントを解説しました。
大学におけるWeb広告は現代において有効的な戦略であり、競合との差別化や認知度の向上に重要である点を理解してもらえたはずです。
重要だからこそ、緻密な計算のもと制作・運用をしなくてはならず、場合によっては外注を検討する必要性もあるでしょう。
弊社クロスバズでは、大学のWeb広告の制作・運用のサポートをしておりますので、成果が出ずに悩んでおりましたら、まずは一度ご相談ください。
大学内で広告運用の内製化をしたい場合も対応可能です。Web広告を有効活用し、認知度・入学希望者を増やしていきましょう。