コンテンツマーケティング

金融業界がコンテンツマーケティングを行うメリットとは?事例や施策の進め方を解説

X編集部
2024.05.15 10:00
金融業界がコンテンツマーケティングを行うメリットとは?事例や施策の進め方を解説

金融業界は金融商品や保険商品を扱う、潜在的な需要が大きいマーケットを扱う業界です。

専門性の高い領域とされてきた一方、近年は新NISAの登場や確定拠出年金などの制度が整い始めたことで、これまで金融業界に興味のなかった人も、情報収集や商品の購入、サービスの利用をスタートさせています。

この記事では、そんな需要が拡大傾向にある金融業界において、競合との差別化を図る上では欠かせないコンテンツマーケティングについて、その概要や実施のメリットを、具体的な事例とともに解説します。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、広告ではなく価値ある情報発信によって見込み客や顧客の信頼を獲得し、集客を促すための施策です。

コンテンツの発信を通じてユーザーのニーズを解消し、自社の専門性や権威性を理解してもらい、商品の購入やサービスの利用に繋げます。

近年、コンテンツマーケティングはあらゆる業界で導入が進んでおり、金融業界も例外ではありません。

なぜ金融業界がコンテンツマーケティングを実施すべきなのか

金融業界においてコンテンツマーケティングが求められているのには、以下の3つの理由が挙げられます。

サービスの多様化

金融関連のサービスは、最近になって多様化しています。それぞれのサービスの違いを理解するには、利用者は丁寧に情報を取得しなければなりません。

コンテンツマーケティングは自社自ら情報を発信し、違いや強みを理解してもらうことで、サービスを手に取ってもらいやすくなります。

インターネットの普及

サービスが多様化し、利用者を惑わせるようになったのには、インターネットの普及も関連しています。

いつでもどこでも情報を収集できるようになったとともに、いつでも情報を会社が発信できるようになったことで、積極的なアウトプットがなければ認知してもらうことは困難です。

顧客関係強化の重要性向上

市場の縮小に伴い、顧客と企業が良好な関係を構築し、長期にわたって維持することが収益性の改善において重要な役割を果たします。

コンテンツマーケティングによる情報発信で認知を高めるとともに、専門性を深めてもらい、自社との関係を強化することが可能です。

金融業界がコンテンツマーケティングで得られるメリット

金融業界がコンテンツマーケティングによって得られるメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 金融リテラシー高めて自社商品を利用してもらいやすくなる
  • 自社や自社商品の認知度向上につながる
  • コストパフォーマンスが高い

金融業を営む事業者は、前提としてある程度ユーザーの金融リテラシーが高くないと、顧客の獲得が進められません。

そこでコンテンツマーケティングを通じて金融情報を発信し、リテラシーを高めてもらうことで、商品を欲しいと思う気持ちを育むことができます。

また、信頼できる情報を発信する企業が自社であれば、金融情報と自社や自社サービスが結びつき、良い印象を持ってもらいやすいというメリットもあります。

加えて、情報発信を自社で行うことで、高いコストパフォーマンスを得られるというのもポイントです。外部メディアに広告費などを払ったり、外部とコミュニケーションをとるコストを削減できるため、円滑な情報発信が実現します。

主な金融業界のコンテンツマーケティング事例

金融業界では、どのようなコンテンツマーケティングが実際に行われているのでしょうか。最もポピュラーな手法は、やはり比較的容易に始めやすく、かつ需要の多いオウンドメディアです。

以下の3つの事例を参考にしながら、自社で行うべきコンテンツマーケティングの方向性や、コンセプトについて検討してみましょう。

株式会社マネーフォワード

moneyplus

フィンテック関連サービスを提供する株式会社マネーフォワードは、金融情報全般に関する情報発信を行うオウンドメディア「MONEY PLUS」を運営しています。

記事カテゴリは生活やビジネス・住まい・趣味・家族と、金融を前提としているメディアという事もあり、幅広いトピックを抱えているのが特徴です。

基本的な金融知識の提供に加え、最新の経済ニュースや法改正に伴う金融知識のアップデート、新NISAのトレンド情報など、専門家やコラムニストによるオリジナルコンテンツも交えながら、豊かな情報発信に努めています。

専門の金融雑誌や紙媒体のニュース誌などと変わらない質と量のコンテンツを継続して長年発信しており、今や「お金のことならこのメディアに目を通しておこう」と言えるほどの信頼性を獲得できているメディアです。

オウンドメディアとしてここまでの権威性を獲得するのは容易いことではありませんが、それでも金融分野において「メディア」を名乗る以上、同メディアのようなモデルを目指すことは視野に入れておいた方が良いでしょう。

公式サイト:https://media.moneyforward.com/

SBIアルヒ株式会社

aruhi

住宅ローンを扱うSBIアルヒ株式会社は、住まいや住宅ローンに関してのコンテンツに強いオウンドメディア「ARUHIマガジン」を運営しています。

同メディアでは、住宅ローンの選び方や計算方法といった、これから住宅ローンを組むことを検討している人向けの情報発信を中心としながら、その土地の魅力や住むのに適している理由などをまとめた、日本全国の各地域に関する情報発信も行っています。

ローンを組むにあたっての基礎知識を学びながら、住宅ローンを組みたいという気持ちを育む魅力的な情報発信を組み合わせており、読者の住宅ローンに関するモチベーションを高められる、よく設計されたコンセプトを感じさせるメディアです。

ローンについてより詳しく知りたいと感じたユーザーに対して、簡単なローンシミュレーションを同メディア上で利用することができたり、すぐにチャット相談ができる導線が作られていたりなど、実用性の高いオウンドメディア運営につとめています。

公式サイト:https://magazine.sbiaruhi.co.jp/

SMBC日興証券株式会社

froggy

金融商品を扱うSMBC日興証券株式会社は、やや専門性の高い金融・経済情報を扱うオウンドメディア「日興フロッギー」を運営しています。

初心者にはとっつきにくい金融商品取引や経済市場の動向をイラストや写真を交えてわかりやすく伝えているため、これから経済情報について学びたい、金融商品に興味はあるものの、何から手をつけて良いかわからないといった悩みを解決してくれるメディアです。

また、SMBC日興証券の口座開設済みユーザー向けのサービスやコンテンツも用意しているので、口座開設の動機付けをうまく作っているだけでなく、メディアサイトから直接口座開設の申し込みをいつでも進められるようにも設計されています。

コンバージョン獲得を前提としたオウンドメディア運営が丁寧に行われている点も、同社の強みです。加えてYouTubeやXなど、その他のコンテンツマーケティング施策とも連動させることで、金融業界における強力な発信力を確固たるものとしていることがわかります。

公式サイト:https://froggy.smbcnikko.co.jp/

金融業界におけるコンテンツマーケティングの主な施策

金融業界におけるコンテンツマーケティングの運用事例は複数ありますが、中でも人気が高い施策としては、以下が挙げられます。

オウンドメディアの運営

上でも紹介した通り、金融業界で最も採用されているコンテンツマーケティング施策は、オウンドメディアの運営です。

オウンドメディアはコーポレートサイトとは別に新たに立ち上げたり、社報ブログとして運営したりすることにより、専門性の高い情報発信を通じたユーザーの獲得が実現する施策です。

オウンドメディアの運営は、自社の金融分野に関する専門性や権威性を認知してもらう上で、最も優れた手法と言えます。自社のアピールを外部のメディアに依存することなく、自社発信で好きなように進め、理解のされ方をコントロールすることができるからです。

また、オウンドメディアは外部メディアを利用するよりも情報発信のスピードや正確性を高められます。トレンド性や正確性が重要な金融情報を扱う上では重要なメリットと言えるでしょう。

オウンドメディアの運営によって、検索エンジン経由でのユーザーの獲得を進め、将来的には「金融情報といえばここ」と思ってもらえるようなメディアへと育て、顧客の獲得に繋げられるのが理想と言えます。

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メルマガの配信

金融業界でオウンドメディアと合わせて人気が高いのが、メルマガの配信です。メールアドレスを登録しているユーザー向けに、専門性の高いコンテンツを配信するので、より高度な情報発信と関係強化を進めることができます。

メルマガの強みは、オウンドメディアとは違いユーザーが自分で情報を取得しにいかなくとも、手元に情報を届けられる点です。その日の株価の動向や経済ニュースなどをメルマガで配信することで、メディアとしてのサービスを届けられます。

SNSの活用

SNSを活用することで、オウンドメディアの読者をさらに増やすことができます。SNSは検索エンジンとは異なるアプローチでユーザーを獲得するのに活躍し、最新のニュースやオウンドメディアの更新情報を発信することで、マーケティング効果が得られます。

また、SNSの強みはユーザーと直接コミュニケーションが取れる点にもあります。ユーザーからの質問に回答したり、相談を直接受け付けたりすることで、関係強化を推進できます。

YouTubeの活用

最近では動画コンテンツをYouTubeで配信し、映像を使ってわかりやすく情報を伝えるという企業も金融業界では増えてきました。

動画はテキストや画像では伝わりづらい情報を映像で伝えられるので、オウンドメディアとは異なる発信力を持ちます。テレビよりもYouTubeを好んで視聴する層がターゲットである場合、積極的に活用するのが良いでしょう。

ただ、YouTubeの活用には映像編集や収録などのノウハウが別途求められることから、運用負担が大きくなることは想定しておきましょう。

金融業界でのコンテンツマーケティングの始め方

コンテンツマーケティングを金融業界において実施する際には、基本的には以下の手順に則って進めるのが一般的です。

  1. 自社の強みやコンセプトを洗い出す
  2. ターゲットを設定する
  3. ゴールを定める
  4. 最適なコンテンツ値策を策定する
  5. コンテンツの企画・制作を進める
  6. 施策の効果測定と改善を行う

どのような手続きが発生するのかあらかじめ確認しておきましょう。

自社の強みやコンセプトを洗い出す

コンテンツマーケティングを進める上でまず必要になるのが、自社の強みや、どんな情報発信を行っていくかというコンセプトを定義することです。

コンテンツマーケティングで重要なのは、自社の専門性がユーザーに伝わり、なおかつ情報発信のあり方に一貫性があることです。

例えば自社の強みではないグルメ情報の発信のようなコンテンツを、ただ数字が稼げるからという理由で発信するというのは、コンテンツマーケティングをつうじて専門性や信頼性を獲得する上では役に立ちません。

どんな情報を扱うのが自社のキャラクターを活かせるのか、どんなコンセプトを設定すれば強みを理解してもらいやすくなるのか、検討してみましょう。

ターゲットを設定する

自社の強みとコンセプトが決まったら、対象となるターゲットを考えます。例えば若年層向けに金融情報を発信するのか、高齢者向けに発信するのかが変われば、伝え方というのは大きく異なってくるものです。

ターゲットを設定することで、自社と相性の良い層へピンポイントにアプローチし、関係の強化を進められます。読者像を自社のコンセプトや強みを踏まえて具体的に描くことが望ましいです。

ゴールを定める

コンテンツマーケティングを通じて、どのような目標を達成するのかを事前に決めておくことも、計画的な施策の実践には必要です。

例えば商品についての問い合わせを集めることが目的なのか、口座を開設してもらうのか、有料のコンテンツの販売に繋げるのかなど、コンテンツマーケティングを通じて目指せる目標は多々あります。

まずは一つマーケティングによって期待したい目標を定め、そこから逆算して、必要な施策を考えてみることが重要です。

最適なコンテンツ施策を策定する

コンテンツマーケティングにはいくつかのアプローチがありますが、まずは特定の施策に集中して取り組むのが良いでしょう。

コンテンツマーケティングについてのノウハウや運営体制が十分でない中で複数施策を実行してしまうと、全てのアプローチが中途半端に終わってしまい、期待していたような成果が得られないというリスクが高まるからです。

「これなら高い確度で一定の成果が得られる」「運用ハードルが低い」と期待できる施策を一つ選び、そこから広げていくような形でコンテンツマーケティングを展開するのが理想です。

コンテンツの企画・制作を進める

実施施策が決まったら、続いてコンテンツの企画と制作を進めます。最も時間がかかり、それでいて長期的に取り組む必要があるのがこの工程で、制作体制を整えることからスタートしなければなりません。

コンテンツマーケティングは、ただコンテンツを一本投げるだけではなく、長期的にコンテンツを作り続けることが大切です。そのため、コンテンツの制作に特化した部門を社内に立ち上げたり、外部の専門家に業務を委託して、計画的に量産できる仕組みを整えたりしなければなりません。

ゼロからコンテンツ企画や制作を進める場合、十分な質が担保できず、有用な情報発信ができるようになるまで一定の時間がかかることも覚えておきましょう。

施策の効果測定と改善を行う

コンテンツの制作と公開がある程度進んだら、定期的に効果測定を実施します。コンテンツのビュー数やアクセス数、コンバージョン数などを専用ツールなどで分析し、どのようなコンテンツが評価されているのか、どこに改善点があるのかを分析します。

コンテンツの分析を行うことで、そのマーケティングにおいて成果につながるエッセンスはどこにあるのかを把握することができます。以降、そのエッセンスを押さえたコンテンツ発信ができるようになるので、コンスタントに高い評価を集めやすくなるわけです。

効果測定と改善は、コンテンツの制作と並行して取り組む必要があるので、やはり十分なリソースの確保が必要になります。

金融業界でコンテンツマーケティングを成功させるポイント

コンテンツマーケティングを成功に導く上では、以下の4つのポイントを踏まえた施策であることも重要です。どのような点を意識すべきか、ここで確認しておきましょう。

質の高いコンテンツ制作体制を整備する

上でも触れた通り、コンテンツマーケティングには質の高いコンテンツが不可欠であり、そのための制作体制を構築しなければなりません。

プロレベルのコンテンツ制作のスキルを持った人材がいないと、コンテンツの質が安定せず、ユーザーの信頼性を獲得しづらくなります。専門の人材を自社で抱えたり、外部に委託するなどして、制作環境を整えましょう。

長期的にコンテンツ制作に取り組む

コンテンツマーケティングは、短期間で成果が得られることはまずないと考えるべき施策です。また金融業界は多くの競合がすでにコンテンツマーケティングを始めているので、ユーザーの獲得には半年から1年以上かかるでしょう。

短期間で成果を獲得する必要がある場合はWeb広告なども活用しながら、じっくりと腰を据えてコンテンツの発信に取り組むことが大切です。

金融情報の発信に関するペナルティを把握する

金融情報を扱う場合、その情報が信頼にたるものであるという確固たるソースの確保や信憑性を維持できる権威性がないと、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。

金融情報は人々の生活や社会に与えるインパクトが大きく、事実誤認やフェイクニュースがあった場合の悪影響は小さくないものです。また、SEO評価が下がると集客が一層困難になることから、やはり専門家が監修の上で、質の高いコンテンツ制作を実現しましょう。

分析と改善のノウハウを獲得する

コンテンツマーケティングの品質向上においては、施策をブラッシュアップするための分析と改善のアプローチを強化することが重要です。

ただコンテンツを制作するだけでなく、それをより良いものとしていくためのプロセスを学び、実践に活かしましょう。

まとめ

この記事では、金融業界におけるコンテンツマーケティング活用のメリットや、実際の活用事例、そして施策を成功に導くためのポイントを解説しました。

コンテンツマーケティングを進める中で、最も重要なのはやはり質の高いコンテンツ、そしてそれをコンスタントに制作できる環境の構築です。

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デジタル領域に特化したマーケティングノウハウを活かし、長期的な計画に基づいた、専門性に優れたコンテンツを作成しているので、金融業界のメディア運営ニーズにも応えることが可能です。

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