リスティング広告は、誰でも利用することができるとても便利なインターネット広告です。
うまく活用すれば、自社の商品やサービスをユーザーに届けることができるようになりますが、逆に失敗してしまうと無駄に費用を費やしてしまうことになってしまいます。
ここでは、リスティング広告の初期設定で失敗しないために、重要な3つのポイントを紹介します。
尚、運用に関する改善方法に関しては以下記事にまとめているのでご参考ください。
何が悪いの?リスティング広告で思ったような効果が出ない時の改善法
目次
リスティング広告は初期設定が最も重要
リスティング広告は、最初の初期設計が最も重要なポイントです。ここで躓くと、予算の無駄遣いや十分な成果を得ることができず、CPAが高騰する要因となります。逆に、初期設定を正しく行うことが成果に大きく直結すると言えます。
初期設定に問題がなければ、早い段階での検証が可能となり、リスティング広告のパフォーマンスを上げていくことが可能です。予算の無駄を避け、成果を得るために、とりあえず始めてみようではなく、しっかりと戦略を立て、設計していきましょう。
具体的には、以下3つが初期設定における重要なポイントです。
- 適切なターゲット・キーワードを設定する
- 目標から逆算して予算を設定する
- 広告文は訴求軸を変えて複数パターンつくる
順番に解説してきます。
1.適切なターゲット・キーワードを設定する
ターゲットとはリスティング広告の対象となるユーザーのことであり、商品やサービスを提供する顧客となります。
リスティング広告の出稿時に多い失敗は、ターゲットを設定せずにキーワード選定をしてしまうことにあります。
安易に商品・サービス名や地名を組み合わせたキーワードを設定すれば良いというものではありません。リスティング広告は競合が非常に多く、予算が豊富な大手の会社も参入しています。
そのため、適切なターゲットを設定し、ユーザーの検索意図や目的を考慮して、キーワードを考える必要があります。
例えば、学習塾を運営している場合、「塾 + 地名」や「学習塾 + 地名」といったキーワードが想定されます。一方で大手が最注力するキーワードであり、競い合うには十分な予算が必要となるキーワードでもあります。
誰しもが思いつくキーワードは、総じて競合他社が注力するキーワード(ビッグワード)であり、クリック単価が非常に高くなる傾向にあります。
ここで、”どのような時”に”どのような目的”でユーザーが検索するのかを様々なシチュエーションを思い浮かべながら一緒に考えてみましょう。
もしかすると学校で三者面談があり、先生から「息子さんの希望する進学先はこのままでは難しい」と言われたケースを想定してみます。
(検索ユーザーの行動動機や検索するきっかけをイメージすることで選定すべきキーワードが見えてきます。イメージがつかみやすいよう、少し極端な例を挙げさせていただきました)
その時に母親が検索するキーワードを想定すると、
「進路変更すべきか」「〇〇大学 受かる方法」「〇〇大学 偏差値」「英語 成績アップ」「三者面談 進路変更」など、よりニッチなキーワードが見つかりました。
ニッチであることは、競合が少ないキーワードと言い換えることができます。当然ながら、学習塾から遠ざかりすぎるキーワードは、成果につながりづらいため、慎重に検討する必要があります。
ターゲットを明確にし、ターゲットに起きている出来事や行動を想定することで設定すべきキーワードが見えてきます。繰り返しになりますが、リスティング広告は初期設計が非常に重要です。じっくりと時間をかけ、ターゲットとキーワードを選定しましょう。
2.目標から逆算して予算を設定する
予算をなんとなく設定してもリスティング広告はうまくはいきません。無駄金を投じるのは避けるべきです。
予算を設定するための一般的な公式は以下となります。
「目標獲得単価(CPA)」×「目標獲得数(CV)」=予算
目標獲得単価(CPA)とは、自社のサービスを販売した際の利益額や、サービスの継続率等を考慮し、設定する必要があります。
例えば、学習塾を想定した場合、一人当たりの月謝(利益)が1万円であるならば、目標獲得単価は1万円以下で設定する必要があります。
もしくは、学習塾の一人当たりの継続率が6ヵ月の場合、目標獲得単価は6万円以下で設定するという考え方もできます。
継続率が高ければ、その分、広告予算を確保でき、様々なキーワードで広告を出稿することが可能となります。
次に、目標獲得数(CV)を設定します。現実からかけ離れた目標を設定する方が多くいます。リスティング広告は魔法ではありません。
業種業界、自社サービス内容、WEBサイトの作り込みによって、成果は大きく異なってきますが、あえて数値を交えてお伝えすると、
一般的に広告をクリックして100人~500人がサイトに訪れた場合、サービスを購入してくれるのは1人だけです。※あくまでも一般論です。
仮に1クリックの入札額を50円で設定した場合、5,000円~25,000円の広告予算を使用して、1人だけがサービスを購入してくれるということになります。
目標獲得数を10人と設定するのであれば、今回のケースでは広告予算を5万円~25万円を準備する必要があります。
リスティング広告を初めて実施する場合、無駄金を使うのを避けるため、まずは目標獲得数を低く設定することを推奨します。はじめは1件~5件といった目標で問題ありません。
現実の数値に基づき、検証しながら目標獲得数を少しづつ伸ばしていきましょう。
リスティング広告は運用していく中で検証データがたまっていきます。そのデータが資産となり、改善や成果を伸ばしていくための材料となります。
3.広告文は訴求軸を変えて複数パターンつくる
広告文は複数パターンを登録しましょう。広告が変われば、広告のクリック率が変わり、成果にも影響します。
Google、Yahoo!の推奨としては広告グループに最低3種類の広告文を入稿することを推奨しています。
ここで、「文章をつくるのが苦手」「センスがないから」と尻込みしてしまう方のために簡単にできる、広告文の作り方を紹介します。
まず、自社サービスの強みや特徴となる点を5~10個書き出します。その上で、訴求軸毎に書き出した内容をまとめていきます。
例:
・金銭訴求(送料が無料、現在30%OFF、他社に比べて安いなど)
・品質訴求(高級革を使用、耐用年数10年、〇〇賞受賞など)
・安心訴求(赤ちゃんでも食べられる、返品保証、メディアも認めたなど)
上記のように訴求軸毎に自社の強みをまとめ、まずは訴求軸毎に広告文を作成していきます。それにより、どの広告(訴求軸)が最も有効であるかを検証しやすくなります。
有効な訴求軸がわかれば、それに応じて、WEBサイトの内容(コンテンツ)を変更するといった施策も有効です。
もしくは、更に効果的な広告文つくるために、金銭訴求と品質訴求を組み合わせたミックス広告を検証してみるというのでも問題ありません。
広告文をつくるのに才能は必要ありません。リスティング広告の配信データを検証し、自社にとって最適な広告文をつくっていきましょう。
そのためには、しっかりと自社の商品やサービスの特徴を捉えることが大事で、その魅力を端的に伝えるにはどのように表現すべきか考えましょう。
また競合他社の広告を実際に確認し、マネをする、自社の優位性を見出すといった方法も有効です。
加えて、見出しに必ずキーワードを挿入することで、クリック率は上昇しやすくなります。
ユーザーの視点に立ち、自社の優位性を訴求していくことがオリジナリティのある広告となり、高い効果につながっていくでしょう。
リスティング広告の初期設定まとめ
リスティング広告は初期設定が成否を分けるポイントです。そのために重要なポイントを3つ紹介しました。ここで紹介した重要なポイントを参考に、ぜひ初期設定を進めていただければと思います。
いずれのポイントにも当てはまるのは“ユーザーの視点に立つ”という考え方であり、弊社が最も大切にしていることでもあります。
悩んだ時は難しく考えすぎず、お客様のことをイメージすることで正解に近づくことができます。
今回、弊社の運用担当者が実際に使用しているリスティング広告のチェックリストをプレゼントしています。初期設定や施策の漏れに気づくことができます。是非、この機会にご活用ください。