リスティング広告の運用では、判断指標を確認して改善を重ねることが大切です。キーワードや広告文の見直しやターゲットの確認など、改善のポイントは複数あります。
本記事ではリスティング広告運用の改善に必要な判断指標や改善ポイント、具体的な改善の流れについて紹介します。
目次
リスティング広告運用の改善が必要だと判断する指標
リスティング広告とは検索連動型広告とも呼ばれ、GoogleやYahoo!など検索エンジンの検索結果画面に掲載されるテキスト広告です。商品やサービスに興味や関心を持つターゲット層に向け、効率的にアプローチできるという特徴があります。
リスティング広告の成果を高めるには、現在どれだけ成果を上げているかを測る必要があります。効果測定をしてコストに見合う成果が出ているかを検証し、十分な効果が得られない場合、見直しが必要です。
ここでは、リスティング広告運用の改善が必要だと判断する要素や数値などを解説します。
1.インプレッション(IMP)とリーチ数
インプレッション(IMP)とは、広告の表示回数を示す指標です。表示回数がわかることで、設定したキーワードがどの程度検索されたかがわかります。
インプレッションと似た指標にリーチがあります。リーチとは広告が表示されたユーザー数のことです。例えば、同じユーザーが広告を5回見た場合、インプレッションは5ですがリーチは1になります。
インプレッションが少ない場合、ユーザーの検索結果に表示されている回数が少ないことになります。インプレッションが多いからといって直ちに広告の成果が上がっているとはいえません。見込み度の低いユーザーの検索で表示されている可能性もあり、検証が必要です。
2.クリック率(CTR)とクリック単価(CPC)
クリック率(CTR)は、インプレッションに対して広告がクリックされた割合を示す指標です。リスティング広告がどれだけのユーザーの興味を惹きつけたのかがわかります。クリック率は以下の計算式で算出できます。
クリック率 (%)=クリック数÷IMP×100
クリック率が高いことで、掲載しているリスティング広告がユーザーの興味を惹く内容であると判断できます。クリック率が低い場合はユーザーが興味を覚えない広告であるため、広告文やキーワードの見直しが必要です。
クリック率のほかに、クリック単価(CPC)という指標があります。クリック1回あたりの平均費用を示す指標です。次の計算式で算出します。
クリック単価=広告コスト÷クリック数
クリック単価が低い場合、ユーザーを広告から自社のサイトへ誘導するコストが安く、広告の費用対効果が高い傾向にあると判断できます。反対にクリック単価が高い場合は広告の費用対効果は低いと判断できるでしょう。
クリック単価を抑えるには、広告の質を高めて検索結果の上位に表示させることが必要です。
3.コンバージョン率(CVR)とコンバージョン単価(CPA)
コンバージョン率(CVR)とは、広告の最終目標であるコンバージョンの発生割合を示す指標です。コンバーションとはサイトに設定した成果を達成することを指します。
成果の具体的な内容は、商品・サービスの購入や資料請求、会員登録などサイトごとに異なります。コンバージョン率はリスティング広告の成果が具体的にわかる指標として特に重要であり、次の計算式で算出します。
コンバーション率(%)=コンバージョン数÷クリック数×100
コンバージョン率が高いことは、リスティング広告が成果につながった割合が大きいことを示します。反対に、コンバージョン率が低いといくら広告がクリックされても成果に結びつきづらく、サイトを離れる割合が大きいことを意味します。
また、コンバージョン率と似た指標がコンバージョン単価(CPA)です。コンバージョン1件あたりの獲得に必要なコストを示す指標で、以下の計算式で計算します。
コンバージョン単価=広告コスト÷コンバージョン数
コンバージョン単価が低い場合はコンバージョン獲得に必要なコストが抑えられているため、広告の費用対効果は高いです。一方、コンバージョン単価が高い場合はコンバージョン獲得に要したコストがかかりすぎており、成果が少ないことを意味します。
4.費用対効果を判断する「ROAS」
ROASは「Retrun on Advertising Spend」の略で、費用対効果を判断する指標です。以下の計算式で算出します。
ROAS (%)=売上÷広告費×100
数値が高いほど広告の成果が上がっており、目的を達成できていることを示します。数値が低い場合は成果がコストを下回り、赤字になっている可能性があります。
リスティング広告運用の具体的な改善ポイント
リスティング広告運用の指標で確認した結果改善が必要となった場合、具体的な改善策としては以下の5施策があげられます。
- 予算を見直す
- キーワードを設定する
- 適切なターゲットか確認する
- ランディングページを改善する
- 広告文を見直す
予算の見直しでは、適正な予算の算出が必要です。成果が出ない場合、キーワードが適切でないケースも多いです。具体的な改善ポイントを詳しく見ていきましょう。
1.予算の見直し
リスティング広告運用の改善には、予算の見直しが必要な場合もあります。コンバージョン単価が高い、あるいはROASの数値が低い場合は予算が適正かを検討し、見直しを行いましょう。
適正予算よりも抑えた広告費で配信をすると、本来獲得できたコンバージョンを得られなかったという結果にもなりかねません。
確保したい1件のコンバージョンあたりの利益を加味した目標のコンバージョン単価を設定し、適正予算を算出しましょう。
適正予算は、以下の計算で算出します。
適正予算=目標コンバージョン単価×コンバージョン数
また、インプレッションが少ない場合、1日の予算を追加して広告の表示回数を改善することが必要な場合もあります。コストを減らすために広告費を抑えると、効果を最大限に発揮できない可能性が高くなるでしょう。
2.キーワードの設定
広告運用の成果が得られない場合、キーワードの絞り込みも大切です。キーワードごとのクリック数とクリック率を比較し、パフォーマンスが低いキーワードは除外しましょう。その分の予算は、クリック数とクリック率が多いキーワードに回します。
また、広告費用の無駄をなくすため、コンバージョンの見込みが低いキーワードを除外しましょう。「返品」「キャンセル」などネガティブなキーワードやコンバージョンと無関係な内容のキーワードがこれにあたります。
3.ターゲットの確認
ターゲットの設定に問題がないかの確認も必要です。リスティング広告を出稿する時点でターゲットの設定はできていますが、そのイメージは本当に合っているのか検証しましょう。
ターゲットとするユーザーが広告をクリックするときの状況や心理を考え、人物像をより具体的に想定して広告文やキーワードを見直します。
4.ランディングページ(LP)の改善
コンバージョン率が低い場合、広告をクリックして流入するランディングページ(LP)の改善が必要になる場合もあります。
ランディングページで離脱している場所、熟読されている場所を把握し、内容を見直しましょう。また、広告との関連性や読みやすさ、サイト表示は速いかなども確認して、誘導したユーザーを離脱させないための改善を行ってください。
5.広告文の改善
広告文に問題がある場合もあります。広告文が検索キーワードとの関連性が高いかを確認しましょう。関連性が低い場合、クリック率は下がります。
クリック率を高めるには、ユーザーのニーズを十分に汲み取り、クリックしたくなる広告文を考えなければなりません。
改善するときのポイントは以下のとおりです。
- 強みや魅力をアピールする
- ユーザーの共感が得られる表現を意識する
- 具体的な数字、限定の文字、公式などを示す
具体的な数字や実績などを示すことで、広告への信頼度は高まります。
リスティング広告運用を改善する流れ(PDCA)
リスティング広告運用を改善するには、PDCAを回しながら行うことがポイントです。PDCAは、以下の頭文字をとった言葉です。
- P=Plan:計画
- D=Do:実行
- C=Check:評価
- A=Action:改善
PDCAのサイクルを繰り返しながら、リスティング広告の効果を最大化します。具体的な流れを見ていきましょう。
1.PLAN:目標と課題を明確化し、改善施策を提案
PLAN(計画)の段階ではまず問題を特定し、解決のための目標と課題を明確にして改善策を考えます。
例えば「インプレッションが少ない」という問題があれば、以下のような改善施策を考えます。
- インプレッションが少ない原因を特定
- インプレッションを増やすための最適な解決策を検証
- インプレッションの目標値を設定
PDCAをスムーズに回すためには、十分に検証を重ね、計画を立てる必要があります。
2.DO:改善施策を実行
改善施策を決定したら、実行に移します。実行は計画通りに遂行することが大切で、記録を残すことも忘れないようにしてください。検証できる数字を記録していなければ、計画通りの実施が行われたか検証ができません。
予期しない問題が発生する可能性もあり、予定通りにいかない場合は再度「Plan(計画)」をやり直す必要があります。
3.CHECK:結果を分析
Check(評価)では実行した改善策を分析します。PDCAサイクルの最も重要な場面です。計画の実施により問題点が解決しているかを検証します。
たとえばインプレッションを増やすことが目標であれば、数値の変動や目標達成の割合を確認しましょう。結果が目標に届かない場合はまた問題を特定し、より良い解決施策を考えなければなりません。
4.ACT:改善施策の見直し
ACT(改善)はPDCAサイクルの最終段階です。検証結果をもとに、改善案を出していきます。目標を達成した場合は成功の要因を検証し、未達成の場合は悪かった要因を分析して最初のPLAN(計画)に戻り、新たな計画を練り直します。
目標が達成できずに再度計画を練るときは、失敗したデータを反映させて前回よりも精度の高い改善策を考えましょう。
【ケース別】広告運用の改善方法
PDCAで問題を分析し、課題を見つけたら個別に対処していきましょう。その際、ただそれぞれの数値を改善すればいいというわけではなく、ほかの指標との関係も考えながら改善することが大切です。
ここでは、インプレッションが伸びない場合やコンバージョン率が低い場合、クリック率が低い場合の改善方法について紹介します。
1.インプレッション(IMP)が伸びない場合
インプレッションが伸びない場合、ユーザーに広告が見られていない状態です。ただし、インプレッションは多ければいいわけではないことも認識しておきましょう。表示される広告の質が低い場合は、たとえ多く表示されてもコンバージョンに結びつきません。
インプレッションが少ない理由には、設定しているキーワードがユーザーのニーズに合わないという点があげられます。ターゲットとするユーザーにキーワードが検索されないため、表示される回数が少ないのです。ユーザーが求めるキーワードを見つけて設定し直すことで改善が可能です。
検索される回数は多いのにインプレッションが少ない場合、掲載順位が低いことも原因として考えられます。そのような場合は入札単価を調整することで掲載順位をあげ、インプレッションを増やせます。
2.クリック率(CTR)が低い場合
インプレッションは表示されるのにクリック率が低い場合、広告文やキーワードに問題がある可能性が高くなります。広告文の内容がキーワードとかけ離れているとユーザーの興味を惹けないため、クリックを期待できません。キーワードを検索するターゲットに訴求する広告文に変える必要があります。
広告文は、ランディングページとの関連性も重要です。関連性が低い場合、クリック率が高くてもページからの離脱を生んでコンバージョンが上がりません。
3.コンバージョン率(CVR)が低い場合
クリック率が高くランディングページに誘導できてもコンバージョン率が低い場合、クリック先のランディングページに問題がある可能性が高くなります。ページの読み込みスピードが遅い、デザインに魅力がない、わかりづらいなどの要因がないかチェックが必要です。
読み込みスピードの改善方法には、画像や動画のファイルサイズを小さくすることなどがあげられます。コンバージョンとして設定したユーザーの行動を促しやすいよう、導線の設計が正しくできているかも確認が必要です。
広告運用を改善してみよう
リスティング広告運用で成果が上がらない場合、判断指標の検証が必要です。各指標の数値が良くない場合には原因を特定し、改善施策を行わなければなりません。改善はPDCAを効率良く回しながら行うことがポイントです。
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