リスティング広告の運用は、Web集客施策の中でも成果が短期間で出やすいものとして知られています。人気が高く、多くの企業で採用されているリスティング広告は、正しい運用方法を身につけることで、弁護士の方も確かな集客効果を実感することができるでしょう。
この記事では、弁護士事務所でリスティング広告を活用するメリットや、リスティング広告運用において知っておきたいポイントについて、詳しく解説します。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告は、検索連動型広告の名前でも知られている、Web集客手法の一種です。検索エンジンの広告枠に自社サイトなどにリンクしている広告文を表示でき、効率的にアクセスをの確保できます。
Googleなどの検索エンジンを使用していると、検索結果には通常のキーワード検索結果に先んじて、広告が表示されます。この検索結果の最上位に表示し、集客を行えるのがリスティング広告です。
リスティング広告は、あらかじめ設定しておいたキーワードと連動して表示されるのが最大の特徴です。例えば「弁護士 借金」などでキーワードを検索するユーザーに対して表示は限定され、全く関係のない単語、例えば「東京 グルメ」などのキーワードを検索するユーザーには表示されません。
このため、リスティング広告は弁護士について知りたい人、あるいは弁護士を必要としている人などに対して確実にアプローチできる点が高く評価されています。
ちなみに、日本で最も人気が高く、広告効果が高いリスティング広告として知られているのはGoogle広告です。圧倒的なシェアを誇るGoogle検索ユーザーに対してアプローチできるため、リスティング広告の代名詞とも言えます。
Yahoo!広告も、検索連動型広告として利用されているサービスです。ただ、検索エンジンであるYahoo!の普及率はGoogleほど高くなく、ユーザーへの訴求効果は限定されます。
自身の顧客がYahoo!ユーザーである場合、Yahoo!広告の活用は効果的かもしれません。しかしそうでない場合は、とりあえずGoogle広告から運用し始めるのが良いでしょう。
リスティング広告とSEO対策の違い
Web集客施策において、リスティング広告と並んで人気なのがSEO対策です。SEOとはSearch Engine Optimizationの略称で、日本語では「検索エンジン最適化」という名前で知られています。
SEO対策の目的は、コンテンツの継続発信などによる自然検索流入の増加です。リスティング広告は、検索結果上位に設けられている広告枠に自社サイトを表示させるための手法である一方、SEO対策の場合は無料の自然検索枠に表示させるための取り組みです。
SEO対策において重要なのは、ユーザーにとって有益な情報発信が行われているサイトづくりを実施することです。
検索エンジンは各Webサイトを自動で訪問・クロールし、適宜サイトの評価を独自のアルゴリズムに則って行っています。この時に高い評価を獲得できた場合、自動で自社サイトは繰り上がっていき、最終的には検索結果1ページ目の最上位に表示されるという仕組みです。
SEO対策はリスティング広告とは異なり、予算があってもノウハウがなければ成果に繋げることは難しいところがあります。リスティング広告は広告費をかければ注目を集められる一方、SEO対策は確実な手法の構築と継続期間が求められるからです。
また、SEO対策は検索エンジンにお金を払ってどうにかできる問題でもありません。結果があらわれるまでに地道な作業を繰り返す必要があり、この負担を軽減する上で、リスティング広告も役に立ちます。
このため、リスティング広告とSEO対策はその違いを理解の上、状況に応じて使い分けながら活用していくことが大切です。
リスティング広告は弁護士も活用すべき
リスティング広告は、あらゆる領域の一般企業で採用が進んでいます。近年はインターネットを使った情報収集が一般的となったため、あらゆる意思決定やインプットがインターネットで取得したソースに基づいて行われています。
このことは弁護士探しにおいても同じです。何らかの理由で弁護士を探している人がいる場合、まずはGoogleなどを使って弁護士について調べ、たまたま目に留まった弁護士事務所に連絡をとってみるという行動パターンが、当たり前となってきています。
また、弁護士事務所のリスティング広告活用も、広く行われるようになってきました。インターネット上には多くの弁護士事務所が公式サイトを立ち上げており、積極的な情報発信に取り組まなければ、潜在顧客の目に触れることすら難しくなっています。
リスティング広告は、潜在顧客の目に触れるきっかけを作る上で大切な施策です。広告として有効活用できれば、具体的なサービス内容や得意なジャンルを伝えることができるため、長期的に運用を続けていくことも必要です。
加えてどんな人柄の弁護士が対応するのか、どのように問題解決のために協力してもらえるのかも伝えられるようになれば、他の弁護士事務所との差別化が進むでしょう。
弁護士がリスティング広告を活用するメリット
リスティング広告を弁護士事務所が活用することは、多くのメリットが期待できます。具体的な利点について把握しておき、広告効果を最大限高めましょう。
短期間で成果を見込める
リスティング広告は、短期間で成果を比較的得やすいWeb集客手法です。
上で紹介したSEO対策は、無料で展開でき、成果が出始めると高いパフォーマンスを発揮します。反面、成果が出るまでには多くの時間を必要とするため、場合によっては半年、一年以上も芽が出るまで待たなければならないこともあります。
一方でリスティング広告は、広告を出稿したその日からユーザーへアプローチできます。キーワードにマッチするユーザーに対し、検索結果の最上位に事務所の広告が表示され、コンバージョンが得られるかもしれません。
短い期間でWeb集客の効果を実感したい場合、リスティング広告の運用をはじめてみることをおすすめします。
得意分野を活かして訴求しやすい
リスティング広告は、特定のキーワードにマッチするユーザーに対して広告を表示できる施策です。弁護士相談を考えている人の中にもさまざまなニーズがあります。民事と刑事の二つに分類するだけでも、その方向性は大きく異なるでしょう。
日常的に必要とされやすい領域、遺産相続や離婚、不動産関連の相談など、自身の強みがどこにあるかをはっきりと表明することで、潜在顧客へのアプローチが効果的に進められます。
リスティング広告は、このように自身の弁護士事務所と関連性の高いキーワードと紐付けて運用できるのが強みです。ピンポイントにユーザーの悩みを解決できる事務所として、存在をアピールできるでしょう。
少額予算で始められる
リスティング広告は、他の広告施策と違って少額で始めやすいメリットもあります。
一般的なラジオ広告や交通広告の場合、数十万円から数百万円もの広告費用を求められるものです。これはあくまで広告出稿の費用であるため、広告本体の制作には、別途予算を確保しなければなりません。
一方でリスティング広告は、数万円程度の予算から出稿を行えるため、はるかに経済的です。潜在顧客に対して的確にアピールができる正確性も考えると、極めてコストパフォーマンスに優れる手法です。
また、リスティング広告において料金が発生するのは、ユーザーによって広告がクリックされた時です。クリックされない限りは予算が減っていくこともないため、予算の無駄遣いを抑えられます。
もちろん、広告費用をかければかけるほど、リスティング広告のアピールのしやすさも高まり、広告効果を底上げすることもできます。とはいえ、少額ではじめられる強みは、リスティング広告ならではのメリットです。
弁護士がリスティング広告運用をする際の注意点
広告運用における強力なアドバンテージが期待できるリスティング広告ですが、一方で注意点もあります。
予算管理に気を配る必要がある
リスティング広告は少額で始められる広告施策である一方、期待している成果を常に最小限の予算で得られるとは限りません。
元々リスティング広告はコストパフォーマンスに優れた広告施策であったものの、近年はインターネット需要の高まりに伴い、広告出稿者の数も増えています。
リスティング広告は、広告枠を入札形式で購入していく仕組みです。そのため、検索ボリュームの大きなキーワードでリスティング広告を掲載しようとすると、あっという間に広告予算を使い切ってしまうことがあります。
予算の目安は常に変動するため、適宜確認しながら経済的にリスティング広告を運用しましょう。
戦略的な運用が求められる
リスティング広告は戦略的に運用しないと費用対効果が得られないことがあります。例えばまったく顧客としての見込みがないユーザーに広告を表示してしまい、それがクリックされると、顧客獲得単価は引き上がってしまいます。
顧客獲得にかかる単価を小さく抑えたり、短期間で成果を得たりする上では、試行錯誤の回数や品質にも気を配らなければなりません。
ルールに則った広告運用が義務付けられる
リスティング広告の広告スペースはどんな文言でも掲載できるというわけではありません。誇大広告や虚偽の広告、あるいは広告として不適切な文言の掲載は、審査の段階で排除されてしまいます。
そのため、広告運用に関するルールやアピールの仕方を学びながら、認められた範囲内での運用を心がけなければなりません。
日弁連の掲げる弁護士業務の広告規定について
弁護士事務所におけるリスティング広告の運用に際しては、日弁連が掲げる広告規定に目を通しておくことが大切です。広告規定については不定期に変更が加えられているため、最新の規定を踏まえたリスティング広告出稿を行わなければなりません。
弁護士業務の広告規定において、定められているのは他の業種でも当てはまるような広告出稿のルールです。誇大広告や虚偽の広告、過度な不安を煽るような広告は、日弁連の規定によって禁止されています。
また、弁護士の品位を貶めるような広告についても、広告規定に抵触するとして禁止されているのが特徴です。弁護士という立場は法律に係る特殊なものであるため、通常の広告規定とはやや運用が異なる点に注意しなければなりません。
リスティング広告のはじめ方
リスティング広告を始めるにあたっては、以下の手順に則り手続きを進めます。あらかじめどんなステップが発生するのかを知っておくと、円滑な広告配信につながるでしょう。
アカウントを開設する
リスティング広告の運用にあたり、まず必要なのが専用のアカウントです。Google広告では、Googleのビジネスアカウントを使って広告を運用します。
アカウントの開設に際しては、運用する広告のタイムゾーンや通貨を設定します。日本国内での運用を想定している場合、特別な設定は必要ありません。
キャンペーンを設定する
アカウントを開設したら、続いてキャンペーンを設定します。キャンペーンとは、Google広告運用におけるフォーマットのような概念です。リスティング広告の出稿に際しては、さまざまな設定項目があります。これを広告を配信するたびに設定し直すのは骨が折れますが、この負担を小さくできるのがキャンペーンです。
キャンペーンでは、広告のカテゴリや配信期間、ターゲット、予算などを詳細に設定し、テンプレートとして保存できます。必要に応じて複数のキャンペーンを使い分けることで、効率的なリスティング広告運用に繋げられます。
広告の設定・審査を実施する
広告の設定に際して重要なのが、キーワードの設定です。リスティング広告では複数のキーワードを設定して出稿することができますが、その際は以下を使い分けることで、効率よくユーザーにアピールすることが可能です。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
完全一致は、設定したキーワードが完全に一致する意味や意図によってユーザーに検索された場合、広告を表示する設定です。フレーズ一致は、キーワードと異なる文言ではあるものの、同じような意味をもつキーワードが検索された場合に表示します。部分一致は、設定したキーワードに関連する内容で検索が行われた場合、表示される設定です。
状況に応じてこれらの設定を使い分けることで、コストパフォーマンスに優れるリスティング広告運用に繋がります。
また、広告設定が終わったあとはGoogleに対し審査を依頼します。審査はGoogleが定めるポリシーに基づいて行われ、最短で当日中に完了します。
審査に出したあと「承認済み」の表示が現れていれば、無事に広告配信の準備は整いました。
広告を配信する
審査を通過したあとは、広告の配信を行います。1日あたりにかけられる予算を設定したら、あとは自動でユーザーに対し広告が配信されます。
広告の配信が完了したら、設定した予算を使い切るまで広告が表示され続けます。途中で広告の配信を停止することもできるため、柔軟な運用が可能です。
弁護士のリスティング広告にかかる費用
広告の配信コストは、運用規模やターゲットに応じて異なるため、具体的な料金は実際に運用してみないとわかりません。ただ、予算の設定は広告配信の前に行えるため、運用した結果想定以上の費用がかかってしまった、ということにはなりにくい点は安心です。
顧客獲得単価がどれくらいになるかにもよりますが、まずは月に5万円〜10万円程度の運用からスタートして、広告効果がどれくらいになるのかを確認していくと良いでしょう。主体的な広告運用ができるのも、リスティング広告の強みと言えます。
弁護士業界でリスティング広告の効果を高めるポイント
リスティング広告を効果的に運用するためには、ただ広告を配信するだけでは不十分です。以下の5つのポイントを踏まえて広告配信を進めることで、一定の成果を期待することができます。
キーワードのマッチタイプを限定する
キーワードがユーザーの検索に対してどれくらい一致しているかを設定することは、広告効果に大きな影響を与えます。
ユーザーに対して少しでも多く広告を表示することは、必ずしもコンバージョンに繋がるとは限りません。広告が多くのユーザーに表示されたとしても、潜在顧客としての見込みが薄いとクリックされたとしてもそれに見合うリターンが期待できないからです。
そのため、リスティング広告はキーワードのマッチタイプをニーズに合わせて設定し、潜在顧客に表示される確度を高め、それ以外のユーザーに表示される機会をできるだけ減らせるよう設定することが求められます。
除外キーワードを設定する
除外キーワードとは、特定のキーワードが合わせて検索された場合、広告を表示させないようにするための設定です。潜在顧客のニーズとは縁がないキーワードや、弁護士事務所の風評被害やブランド低下につながるようなキーワードを除外しておくことで、広告効果やコストパフォーマンスを改善することができます。
例えば遺産相続関係のユーザー獲得を進めたい場合、それ以外のトラブルに関連したキーワードで広告を表示させる必要はありません。除外キーワードとして「離婚」や「交通事故」などを含めることで、余計なクリックの発生を抑えられます。また、弁護士事務所のブランド毀損につながるキーワード、例えば「詐欺師」や「高額」などを除外しておくことで、こういったイメージと紐付けられるリスクを回避可能です。
リンク先を広告ごとに変える
リスティング広告は、自社サイトのさまざまなページに誘導できる柔軟性を備えています。誘導したいリンク先に合わせ、広告の設定を変えるといった取り組みが、非常に有効です。
例えば遺産相続の場合はAの広告を、離婚相談に関してはBの広告を表示するといった具合に設定すれば、コンバージョン率を高められます。ユーザーにとって、リンク先にアクセスしてから、目当ての案内を探す手間が省けるメリットにも期待できます。
広告表示地域を限定する
リスティング広告は、国だけでなくより細かな地域で広告配信先を設定できます。地域密着型の事業展開を考えている場合、事業展開エリアの都道府県や市区町村、最寄駅などを設定して、広告を表示すると良いでしょう。
これにより、相談の見込みのないユーザーや、対応が難しい遠隔地のユーザーに対しての広告表示を減らし、顧客獲得単価を小さくすることができます。
ユーザー心理に配慮して広告を配信する
リスティング広告の文言は、ユーザーに配慮したものであることが理想です。いきなり契約を促すのではなく、まずは無料相談やLINEの登録を促すにとどまり、ユーザーの育成に努めましょう。
リスティング広告を用いたユーザー育成のステップや、コンバージョンに繋がる動線も、あらかじめ計画の上配信していくことが大切です。
弁護士がリスティング広告を専門会社に依頼するメリット
リスティング広告の運用は、以上のようにある程度ノウハウが求められるシーンも多く、成果が得られるまでに多くの時間がかかることもあります。
このような問題を解決する上で有効なのが、専門会社にリスティング広告運用を依頼する方法です。専門会社への相談は、以下のようなメリットが期待できます。
コア業務の時間を確保できる
専門会社にリスティング広告運用を任せる最大のメリットは、コア業務のための時間やリソースを確保できる点です。
リスティング広告を自分で運用する場合、その分コア業務のための時間や体力が奪われ、すべてが中途半端になってしまうリスクがあります。リスティング広告をプロに任せてしまうことで、このような問題を丸ごと解決可能です。
効率よく成果に繋げられる
プロによるリスティング広告運用は、短期間で成果をあげる上でも重要な取り組みです。すでに豊富なノウハウを有しているエキスパートであれば、自身で抱えている悩みや目的に合わせて、戦略的にリスティング広告を運用してもらうことができます。
成果につながるまでの時間を抑え、結果的に優れたコストパフォーマンスを得られるでしょう。
弁護士がリスティング広告の運用会社を選定する際のポイント
リスティング広告運用の外注を考えている場合、以下の3つのポイントも踏まえ依頼先を選定しましょう。
運用実績を確認する
リスティング広告運用の依頼先探しにおいては、まず運用実績を確認しましょう。特に弁護士向けは士業ということもあるので、専門性の高さや同業界での実績の確認は大切です。
弁護士業界で豊富な運用実績がある会社を選べれば、安心して広告配信を任せられます。
他のWeb集客と併用できる会社を選ぶ
会社によっては、リスティング広告以外の施策にも対応しているケースもあります。リスティング広告は単体で運用するよりも、SEO対策やSNS運用と合わせて実施することで、相乗効果が期待できます。
Web集客全般に関心がある場合、こういった柔軟な広告運用が可能なサービスも探してみることが大切です。
手数料の仕組みに注目する
広告運用の手数料は、運用会社によって異なります。成果報酬制としているところもありますが、こういった報酬形態は高額な料金が発生することにつながる上、それに見合った成果が期待できないケースもあります。
できるだけ固定報酬制の運用会社を選び、安心して業務を任せられる体制を構築することが大切です。
まとめ
この記事では、弁護士事務所がリスティング広告を運用するメリットや、成果につながる運用方法について解説しました。リスティング広告はWeb集客手法として大きな成果が期待できる一方、運用に際しては相応のノウハウが求められるため、成果が出るまでに時間がかかることがあります。
また、近年は多くの事業者がリスティング広告を運用しているため、必ずしも安価に広告を運用できるとは限りません。専門会社の意見を必要に応じて取り入れながら、戦略的に運用するアプローチが大切です。
当社クロスバズでは、弁護士事務所の立ち上げや集客支援に最適なリスティング広告運用サービスを提供しています。初めてのリスティング広告という場合でもリスクの小さい、少額予算運用に特化した定額制の料金プランで、気軽に広告配信を始められるサービスです。
しばらく運用を続けても効果が得られないと感じた場合、いつでも広告配信を停止することができます。違約金等が発生しないだけでなく、他のWeb広告手法への切り替えや、併用によって改善を進めるサポートも可能です。
リスティング広告運用をご検討の際には、お気軽にご相談ください。