「リスティング広告のCPAって何?どんな意味?」
「目標CPAってどう決めるの?簡単な計算方法はある?」
この記事を読まれているあなたは、上記のような疑問をお持ちかもしれません。
そこで本記事では、リスティング広告における目標CPAの意味だけでなく、業種ごとに目標CPAの決定方法を解説します。
最後までじっくりと読み進め、目標CPAを決定する参考にしてください。
目次
リスティング広告における目標CPAとは
目標CPAについて知るために、まずはCPAの意味を理解しましょう。
CPAとは|意味・計算方法
CPA=Cost Per Aquistion
日本語訳:顧客獲得単価
(Aquistion:獲得)
顧客獲得単価とは、コンバージョンを1件獲得するのにかかった費用のこと。
計算方法は以下の通りです。
CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数
例えば広告費を1万円かけた結果2件のCVが発生したら、
10,000円 ÷ 2件 = 5,000円がCPAとなります。
目標CPAとは
目標CPAとは、CPAの目標値のこと。
簡単に言うと、1件のコンバージョンを獲得するための目標広告費用といえます。
では、目標CPAはどのように決めれば良いのでしょうか?
以下で3種類に分けて解説します。
リスティング広告における目標CPAの決め方3つ
- CV=購入の場合
- CV=購入、かつリピート率が高い場合
- CV=購入でない場合
リスティング広告の目標CPAは、上記3通りの決め方があります。
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
リスティング広告における目標CPAの決め方①:CV=購入の場合
目標CPA = 平均売上単価 - 平均原価 - 確保したい利益
CV=購入の場合、目標CPAの決定方法は上記のようになります。
<例>雑貨ECサイト
平均売り上げ単価5,000円、平均原価1,000円、確保したい利益500円の場合
目標CPA = 5,000円 - 1,000円 - 500円=3,500円
上記の計算式から「確保したい利益」を抜いたものを限界CPAと言い、実際のCPAが限界CPAを上回ると赤字となります。
<例>雑貨ECサイト
平均売り上げ単価5,000円、平均原価1,000円の場合
限界CPA=5,000円-1,000円=4,000円
CPAが4,000円を超えると赤字となります。
目標CPAとあわせて把握しておきましょう。
リスティング広告における目標CPAの決め方②:CV=購入、かつリピート率が高い場合
目標CPA = (平均売上単価 - 平均原価) × 平均購入回数 - 確保したい利益
リピート率の高い商品の場合、目標CPAは上記の計算式で求めます。
例えば雑誌の定期購読やサプリメントの定期購入などですね。
<例>健康食品の定期購入
平均売上単価2,000円、平均原価500円、平均購入回数12回、確保したい利益6,000円の場合
目標CPA = (2,000円 - 500円) × 12回 - 6,000円 = 12,000円
限界CPAは下記の通り。
限界CPA = (2,000円 - 500円) × 12回 = 18,000円
目標CPAと限界CPA、どちらも計算しておきましょう。
リスティング広告における目標CPAの決め方③:CV=購入でない場合
目標CPA = 平均売上単価 × CV後の平均成約率 - 確保したい利益
CV=購入でない場合の目標CPAはこのように計算します。
例えば車修理の見積もり、物件探しの問い合わせ、サービスの資料請求などが本ケースにあてはまります。
<例>リフォーム業者
平均売上単価50万円、見積もり依頼後の平均成約率20%、確保したい利益5万円の場合
目標CPA = 50万円 × 20% - 5万円 = 5万円
限界CPAは以下になります。
限界CPA = 50万円 × 20% = 10万円
CV後の平均成約率が分からない場合は、
CV後の平均成約率 = 平均CV数(見積もり依頼などの数) × 平均成約(購入)率
に置き換えても構いません。
成約率 = 成約(購入)数 ÷ 広告クリック数です。
これら3つの例から分かる通り、確保したい利益は限界CPAを基にあなた自身で設定できます。
つまり、利益なしで目標CPAをギリギリまで上げることもできれば、利益を大きくして目標CPAをスレスレまで下げることもできます。
自由だからこそどう設定すれば良いのか迷ってしまいますよね。
ということで、目標CPAや確保したい利益の考え方ついて以下で解説していきます。
リスティング広告における目標CPAの考え方|利益はどう設定する?
目標CPA = 限界CPA - 確保したい利益
目標CPAの考え方の基本として、上記の計算式があります。
自社の利益を減らせば目標CPAは上がり、利益を増やせば目標CPAは下がります。
分かりやすく例を出しましょう。
<例>雑貨ECサイト
平均売り上げ単価5,000円、平均原価1,000円の場合
利益を3,500円とする場合
目標CPA = 5,000円 - 1,000円 - 3,500円= 500円
「CPAが低い=利益をたくさん確保できる」というメリットがあります。
実際に、本例だと1件の商品ごとに3,500円の利益を得ることができています。
一方で、1件のコンバージョンを獲得するために使える広告費はたった500円しかありません。
つまり、自社商品に強い購入意思を持っている層にしか広告を届けられないというデメリットが生じます。
商品やサービスの認知度が低い段階ではあまりおすすめできません。
利益を100円とする場合
目標CPA = 5,000円 - 1,000円 - 100円= 4,900円
「CPAが高い=使える広告費が増える」ので、よりたくさんのユーザーに広告を届けることができます。
ですので、先ほどとは違って自社商品の購入に意欲的でない層にまでアプローチ可能といったメリットがあります。
反対に、デメリットとしては自社利益が少なくなる点が挙げられます。
この例の場合だと自社利益はたった100円のみですよね。
ちょっとした計算違いなどから赤字に転じてしまう可能性も考えられるでしょう。
リスティング広告における目標CPAについてまとめ
- CPA(Cost Per Aquistion=顧客獲得単価):CVを1件獲得するのにかかる費用
- 目標CPA:CPAの目標値
- 限界CPA:ギリギリ赤字が発生しない、CPAの限界値
- 目標CPA = 限界CPA - 確保したい利益
- CV=購入の場合|限界CPA = 平均売上単価 × CV後の平均成約率
- リピート率が高い場合|限界CPA = (平均売上単価 - 平均原価) × 平均購入回数
- CV=購入ではない場合|限界CPA = 平均売上単価 × CV後の平均成約率
リスティング広告における目標CPAについて整理すると、上記のようになりました。
疑問や不安が残る場合はもう一度記事を読み直してみましょう。
目標CPAは広告予算を決めるための重要な指標となります。
なんとなく決めてしまうのではなく、今までの売上単価や成約率に基づいてしっかりと計算してください。
なお、目標CPAを用いた広告予算の決め方は、Googleリスティング広告の費用相場や予算の設定方法を徹底解説の記事で解説しています。あわせてご確認することをおすすめします。
この記事が、目標CPAの意味や決め方を知りたい方の参考になれば幸いです。
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