競合の多い化粧品のオンライン市場において、自社の商品を選択してもらうには、戦略的に作られたLPが不可欠です。
化粧品のLPで成果を出すためには、商品の魅力を表現することはもちろん、安全性や期待できる効果、ブランドのコンセプトやこだわりを伝えるなど、化粧品の特性に沿ったアプローチが求められます。
この記事では、化粧品のLP制作で参考になるまとめサイトの紹介と、LPデザインのポイントや特徴を解説します。
化粧品のLP制作で参考になるまとめサイト7選
まずは、化粧品のLPを多数掲載しているまとめサイトを7つ厳選してご紹介します。
公開されている高品質なLPを参考にすることで、最新のデザインのトレンドや自社のLPで取り入れられる工夫など、多くの発見が得られるはずです。
LPアーカイブ
LPアーカイブは、リスティング広告などの広告バナーをクリックした際の遷移先LPを集めたポータルサイトです。
特に、画像を多用したビジュアル重視の化粧品LPを掲載しており、「落ち着いたイメージ」「ナチュラル・自然派」「かわいい系」「かっこいい系」のデザインが多い印象です。
同サイトでは、デスクトップで開いたLPのファーストビューから中盤までのレイアウトやデザインを、サムネイルによってひと目で確認できるため、自社の目指すテイストやイメージに近いLPを簡単に探せます。
また、メンバー登録するとお気に入りのLPをキープして、企画会議などでのイメージ共有などにも活用可能です。
お気に入り登録数が多いLPは、多くの人が好感をもったデザインであると想定できるため、市場リサーチにも役立つでしょう。
クオリティの高いLPデザインにたくさん触れたい方や、アイデアを得たい方におすすめの化粧品LPまとめサイトです。
化粧品LPの掲載数:34,781件(2023年1月時点) |
LP幹事
LP幹事は、日本のLPデザインや参考事例のまとめサイトです。
掲載されている化粧品LPは、テキスト量や情報量が多いデザインを中心に、「清潔感」「信頼感」「上品」などのテイストのLPが多く見られます。
LPのサムネイルをクリックして詳細ページへ遷移すると、LPの全体像が確認できるため、コンテンツ内容、レイアウト、フォント、キャッチコピーなど、要素ごとの研究に役立つはずです。
また、16種類の配色からの検索や、「シンプル」「高級感・ラグジュアリー」など15種類のイメージで絞り込み検索も可能です。使用したいカラーが決まっている方や、化粧品のコンセプトや目指すLPの雰囲気が明確な方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:441件(2023年1月時点) |
ランディングページ集めました。
「ランディングページ集めました。」は、Webデザイナー向けのLPまとめサイトです。
化粧品と美容(エステ)のLPが一つのカテゴリーとして掲載されており、「華やか」「明るい」「清潔感」といったテイストが多い印象です。
いわゆる、「メインビジュアルと商品説明」のような一般的なデザインだけでなく、ページ全体の背景を画像にしたり、視線を左右に振るようなレイアウトにしたりと、独特なデザインにも出会えます。
ただし、検索機能はカラーとカテゴリー検索のみであるため、LPの方向性が定まっていない方にとっては、ややデザインが絞り込みにくいかもしれません。
オリジナリティや新鮮味のあるデザインを目指している方や、機能のシンプルなまとめサイトを探している方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:化粧品と美容(エステ)で873件(2023年1月時点) |
WebDesignClip
WebDesignClipは、日本と海外のLPデザインを集めたギャラリー・クリップ集です。
海外の化粧品ブランドやファッション誌のWeb版LPなどが掲載されており、おしゃれで洗練されたデザインや、アニメーションや動画を使用した動きのあるLPを発見できます。
「JAPAN」「WORLD」「スマートフォン版」で絞り込み検索できるため、英語表記のLPだけをまとめて閲覧したい場合などにも便利です。
ブランディングを重視する化粧品メーカーや、最先端の技術を盛り込んだ表現方法を模索しているマーケティング担当者の方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:美容・健康・化粧品で207件(2023年1月時点) |
ピンタレスト
ピンタレストは見つけたアイデアをピン止めし、シェアできるサービスです。
化粧品や美容系のLPデザインを収集しているアカウントも多く、大手化粧品ブランドからプチプラコスメまで、幅広いジャンルの化粧品LPが掲載されています。
好きなテイストが似ているアカウントを見つけてフォローしておくと、自分でLPデザインを探す手間がはぶけて効率的です。
他の人がキープしているLPデザインを参考にしたい方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:不明(2023年1月時点) |
LPアドバンス
LPアドバンスは、LP制作やWeb広告に携わる方向けに運営されているまとめサイトです。
13種類の配色別検索や、「シンプル・爽やか系」「インパクト・力強い系」など7種類のタイプ別検索のほか、「人物」「イラスト」などメインビジュアルからも検索できます。
男性向け化粧品のLPや、美容機器・美容系アプリのLPなども多数あり、化粧品から美容全般まで広い視野でデザインを探している方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:美容品・健康で236件(2023年1月時点) |
SANKOU!
SANKOU!は、国内のLPデザイン・Webデザインのまとめサイトです。
ビジュアルやUI/UXに優れたLPが多く、POLA・タカミ・メナードなど大手化粧品ブランドのLPも掲載しています。
絞り込み検索機能が豊富で、「タイプ別」「業種別」「イメージ・テイスト別」など一般的な条件指定のほか、まとめサイト運営者が独自に評価した「ステキポイント」などでも絞り込み検索が可能です。
商品イメージにこだわりたい方や、プロの撮影クオリティ、商品を魅力的に見せるエフェクトなどのヒントを探している方におすすめです。
化粧品LPの掲載数:約240件(2023年1月時点) |
大手化粧品会社のLPデザイン例と特徴
どのLPを参考にすべきか悩んだら、まずは業界での注目度の高い化粧品会社のLPデザインを研究してみると良いでしょう。
ここでは、大手化粧品会社4社のLPデザイン例と特徴を紹介します。
資生堂
資生堂のトータルメイクアップブランド「マキアージュ」から発売された、「ドラマティッククッションジェリー」のLPから見ていきましょう。
同LPはスマホビューを想定して作られており、レスポンシブ対応になっています。
ファーストビューでは、中央の小さな小窓で動画が再生され、静止画像とのコントラストを生み出しています。モデルに有名女優を起用することで、ブランドのイメージ向上や権威付けにもつながっています。
画面下へスクロールすると、ユーザーの口コミや、動画での仕上がりや使い方の紹介コンテンツが展開されます。実際にユーザーが使用している場面を掲載することで、アイテムを使用している未来を具体的にイメージでき、購買意欲の醸成につながりやすくなります。
また、「MAKEUP SIMULATOR」機能を使うと、カメラを起動してカラーバリエーションの使用感を試せるバーチャルメイクを体験できます。
実店舗のようにアイテムを手に取って試すことのできないオンラインショッピングでは、ユーザーの不安払拭のためにバーチャルメイクなどの体験型機能が効果的です。
Maison KOSÉ
Maison KOSÉが提供する「ハダミテ」は、化粧品そのものではなく診断ツールのLPです。
同サービスは、スマホで顔を撮影すると肌チェックや顔の特徴をデジタル解析し、最適なアイテムを提案してくれるというものです。
診断画面で肌年齢や肌バランスを提示することで、「自分の肌にあった化粧品やスキンケアが知りたい」というユーザーの悩みを解決し、自社商品の提案への導線も自然に実現できます。
また、ハダミテはアプリのダウンロード不要で無料で利用でき、スマホやパソコンからいつでもどこでもアクセスできる手軽さが特徴的です。
そのため、導入する際のユーザーの心理的ハードルも低く、コンバージョンにつながりやすいと考えられます。
エスティローダー
海外の化粧品メーカーは、高級感やラグジュアリー感のあるLPが多く、米・エスティローダーが手がける「アドバンス ナイト リペア」のLPもまさに代表格です。
LP全体で動画を多用しており、配色、フォント、レイアウト、画像などが洗練された印象となっています。
同LPの特徴は、購入だけでなくLINE登録もコンバージョンとして設定している点です。これにより、購入に至らなかったユーザー層からの未来の顧客創出につながりやすくなります。
また、クーポン配布やキャンペーン周知などの施策をLINE上で実施することで、売上アップにも貢献できるでしょう。
なお、レビューの見せ方やファーストビューには改善の余地もあり、アイテム使用後の明るい未来がひと目で伝わるようなLPを目指すことで、購買意欲をより高められると考えられます。
ロレアル
仏・ロレアルの傘下となったタカミの「スキンピール」は、美容皮膚の現場から誕生したスキンケアラインです。
スキンピールのLPは、文章を読み進めながらスキンケア習慣についてのチェック項目を確認していく、記事LPの形式となっています。
文章のボリュームが多く、一般的なLP以上に縦長ですが、「せっかくチェックを入れたから最後まで読んでみよう」というサンクコストの効果もあり、ページ離脱率の低下につながると期待できます。
専門家監修のもとで、肌に関する知識や正しいケアの方法を掲載することによって、ページ自体の信頼を獲得でき、商品のセールスが受け入れられやすくなります。
情報量は多めですが、テキストだけでなく各所に画像やアニメーションも取り入れるなど、ユーザーを飽きさせない工夫も施されています。
また、記事下部に受賞歴を掲載することで、権威付けも行っています。
【カテゴリー別】化粧品のLPデザインのアイデア
自社の取り扱い商品と似たカテゴリーのLPのアイデアを参考にすることで、LPの完成イメージを明確にする際に役立つはずです。
ここでは、スキンケア系、キャンペーン系、実店舗系のカテゴリー別で、化粧品のLPデザインのアイデアをご紹介します。
スキンケア系「オルビス」
化粧品・スキンケア商品の通信販売を中心に展開するオルビスは、「オルビスユー7日間体験セット」のLPを公開しています。
主な特徴は、洗顔料・化粧水・保湿液など、シリーズで試せる7日間体験セットを提案することで、購入のハードルを下げている点です。
LP中盤へ進むと、インスタグラムのレビューを埋め込み、信頼性を獲得する工夫が見られます。また、美容メディアでの受賞歴の提示により、権威性も示しています。
LP全体で3ヶ所に設置された「ご購入はこちら」のCTAボタンには、「初回限定」「数量限定」「公式ページ限定」などの文言が使用されており、商品の限定性が強調されている印象です。
同LPは、返品保証が可能なことを明確に記載し、「失敗したくない」というユーザーの不安に寄り添うなど、CV率アップのヒントになりそうなアイデアが多く盛り込まれています。
キャンペーン系「H2O」×「ヴィークレア」
株式会社ヴィークレアの「&honey サクラ限定デザインシリーズ」と、「&Prism SAKURA SHIN」、株式会社H2Oの「ululis sakura」の、3ブランドの同時発売を記念したキャンペーンLPをご紹介します。
同キャンペーンLPは、Twitterで無料参加できるキャンペーンで、投票数に応じてさくらの花びらが色づくというものでした。キャンペーンに応募すると抽選に参加でき、当選すると景品が提供されます。
景品獲得や、みんなで参加してミッションクリアを目指すようなゲーム性もあり、ユーザーの自発的な口コミや投稿など、SNS拡散を狙えるジェネレートコンテンツとして機能します。
今回のLPは、商品購入をコンバージョンとせず、新商品の認知度向上を目的としたLP制作で参考になりそうなアイデアです。
実店舗系「フリルナチュール」
美眉スタイリングとまつげパーマの専門店「フリルナチュール」のLPでは、施術の実例を多数掲載することによって、信頼感を表現しています。
LINEやDMで寄せられたリアルな口コミを共有することで、はじめて利用する人や他の店舗と比較検討している人の不安を払拭し、実店舗への来店を後押しする効果が期待できます。
また、施術の流れや料金表など、ユーザーが知りたい情報を分かりやすく記載したうえで、よくある質問で情報を補足する構成は、さまざまなLPで取り入れやすいでしょう。
LPの下部にはLINE予約ボタンと電話予約ボタンを設置し、ワンクリックで予約まで進むことができます。実店舗の場合、来店予約がLPのコンバージョンとなるケースが多いため、同LPの導線を参考にしてみるとよいでしょう。
化粧品のLPの作り方のポイント
多くの化粧品がある中で、自社の商品を選んで使ってもらうにはどうすればいいのでしょうか?
実際に化粧品のLPを制作する際には、以下で紹介する化粧品のLPの作り方の3つのポイントを意識して進めてみてください。
LP運用の目的に沿った構成にする
LP運用の主な目的は、「購入・申し込み」や「見込み客の創出(来店予約・LINE登録・資料請求・問い合わせなど)」です。
特に、化粧品LPの場合は「購入・申し込み」をコンバージョンとするのが一般的であるため、ユーザーが納得したうえで購入へと進みやすい構成を意識し、制作を進める必要があります。
ただし、なかには「お肌診断」のようなサービスを実店舗で実施していて、その来店予約やLINE登録をゴールとする場合もあるでしょう。そのようなケースでは、店内の雰囲気や施術の流れなど、独自の構成を考えることもポイントです。
ファーストビューで印象付ける
LPはリスティング広告などのWeb広告の受け皿として活用する場面が多く、遷移元から訪問した瞬間に目にするファーストビューが印象を左右するといわれています。
直感的に「この商品が欲しい」「共感できる」といった印象を与えるために、昨今では動画や3DCGのようなアニメーションを効果的に使用したLPも増えてきました。
また、ターゲット層の代表的な人物像を想定し、その層が共感しやすいLPの配色やテイストを調査することや、影響力のあるインフルエンサーをファーストビューのモデルに起用するなどの施策も、成功のポイントといえます。
化粧品の使い方や口コミの掲載時は薬機法に注意する
顧客満足度の高いLPを実現するには、LP内で自社の商品への関心や信頼を高め、納得したうえで購入してもらうことが大切です。特に、直接肌に使用する化粧品は、使用感や成分などが自分に合うかどうか不安なものです。
商品の使い方や口コミを掲載することで不安を解消しやすいものの、化粧品の口コミに関しては、表現次第では「薬機法(旧称・薬事法)」の規制対象にかかる可能性があるため注意が必要です。
薬機法とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律のことで、下記のように定められています。
第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
引用元: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索
化粧品LPの制作時には、配合されている成分や原材料・製法などを記載するケースが多いため、薬機法違反にならないよう確認しながら進めましょう。
社内での対応が難しい場合は、専門家への相談や、化粧品LP制作の実績が豊富な制作会社へ依頼することも検討することをおすすめします。
まとめ
化粧品のLPデザインを考える際には 、「ブランディング強化」「販売促進」など、LPの運用目的に沿って構成やデザインを検討することが重要です。
マーケティングデータを蓄積している大手化粧品ブランドや、自社の取り扱い商品と似たカテゴリーのLPのアイデアを参考にしながら、イメージを明確にして行くと良いでしょう。
なお、化粧品LPの制作では薬機法など専門的な知識も求められるため、社内に詳しい人材がいない場合は、LP制作のプロへ相談することをおすすめします。
クロスバズが提案する “バズLP” では、ブランドの世界観の具現化やコンバージョンへの導線など、表現力とマーケティングの視点からご支援が可能です。
お見積もりやご相談は無料で承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。