LP運用の成果を最大化するためには、LPO(ランディングページ最適化)が欠かせません。
LPを改善することで、コンバージョン率の向上やページ離脱の低減につながるものの、具体的な施策や評価・検証方法がわからずお困りの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LPOの6つの施策と評価・検証方法、LPO施策のタイミング、役立つツールについて解説します。
目次
そもそもLPOとは?
LPOは、「Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)」の略称です。
LPの各要素の最適化によって、ユーザーにとっての使いやすさ・分かりやすさの改善や、CVR(コンバージョン率)を向上させるための手法です。
LPOの重要性が増している背景には、プライバシー保護を目的としたCookie規制による、ターゲティング広告運用の難易度の上昇があります。
GoogleやAppleもCookie提供の停止やプライバシー規制の強化を予定しており、これにより広告パーソナライズ化が難しくなると想定されています。
そのため、Web広告の運用とあわせて、広告の受け皿となるLP自体の「コンバージョンに導く力」の強化が求められています。
出典:Prepare for phasing out third-party cookies – Chrome Developers
関連記事:LP最適化(LPO)とは?ランディングページを最適化する重要性や具体的な方法を解説
LPOの6つの施策
LPOの具体的な6つの施策をご紹介します。
各施策の概要や実施方法を確認していきましょう。
ファーストビューの検証
ファーストビューの検証は、LPOの中でも重要な施策の一つです。ファーストビューとは、ユーザーがLPに訪れて、最初に目にする画面の範囲を意味します。
ファーストビューでは、訪問者の興味をひくために、魅力的で明確なメッセージとビジュアルを設置することが重要です。
キャッチコピー・画像・CTA(コール・トゥ・アクション)ボタンなど、ユーザーニーズに応えた情報を、効果的に配置できているか確認しましょう。
また、遷移元である広告とのデザイン・内容が一致しているかどうかも、検証する必要があります。
コンテンツ情報の検証
LPのコンテンツの内容や質もコンバージョンに影響を与えるため、コンテンツ情報が適切であるか検証しましょう。
コンテンツが不足している場合は、UGCや口コミの掲載、動画の活用、権威性を高める情報の記載などを検討すると良いでしょう。UGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)とは、一般ユーザーが自発的に生成・投稿したコンテンツを意味します。
これらのコンテンツを掲載する際は、正確で信頼性のある情報を掲載することがポイントです。
CTAボタンの配置・デザインの見直し
CTAボタン(CVボタン)は、LP内で「資料請求」「商品購入」などのアクションを促すためのボタンです。
「分かりやすい配置であるか?」「ユーザーにとって魅力的なデザインであるか?」といった点を確認し、最適なCTAボタンになるよう改善しましょう。
関連記事:LPのCVボタンデザインの7つの要素とは?デザイン考案のポイントと参考事例
ページ表示速度の改善
LPのページ表示速度は、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)や、訪問者の満足度に影響します。
ページ表示速度が遅い場合はユーザーの利便性が損なわれ、コンバージョン率の低下やページ離脱につながる恐れがあるため、ページ表示速度が遅い場合は改善しましょう。
また、Googleなどの検索エンジンはページ速度を評価基準の一つとしています。高速なページはランキング向上にも寄与すると考えられるため、適切なページ表示速度になるよう対策しましょう。
具体的には、LPのデータ容量を削減するために、「画像数を減らす」「画質を下げる」「LPの長さを調整する」などの方法があります。
レスポンシブ対応の確認
LPのレスポンシブデザインとは、異なるデバイスや画面サイズに対して最適化して表示させる技術です。
ユーザーがスマートフォン・タブレット・パソコンなど、さまざまなデバイスで快適に閲覧できるよう、レスポンシブ対応ができているか確認しましょう。
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイルフレンドリーなページは検索ランキングにも良い影響を与えるため、レスポンシブデザインに対応していない場合は、早急に対応することをおすすめします。
出典:モバイル ファースト インデックスの展開 | Google 検索セントラル ブログ
関連記事:LP(ランディングページ)はレスポンシブデザインにすべき? スマホ対応の注意も紹介
入力フォームの改善(EFO)
LPの入力フォームは、情報を入力して送信するための画面です。入力フォームの最適化を「EFO(Entry Form Optimization)」と呼びます。
入力フォームを改善することで、ユーザーが情報を入力しやすくなり、フォーム離脱の軽減やコンバージョン率の向上が期待できます。
具体的な対策としては、入力フォームに誤った情報が入力された場合に、エラーメッセージを表示して再入力を促すことや、余分な入力項目を減らすことなどが挙げられます。
関連記事:EFO対策とは?実施すべき15の施策と期待できる効果
LPO施策の評価・検証方法
LPO施策の精度を高めていくには、施策の評価・検証が必要です。ここでは、LPO施策の評価・検証方法として、次の7種類をご紹介します。
A/Bテスト
A/Bテストは、特定の要素について、より効果的なバージョンを判断するための評価・検証方法です。
例えば、CTAボタンのコピーを2種類作成し、データを収集して統計的に分析します。結果にもとづいて各要素を最適なバージョンに最適化していくことで、コンバージョン率の向上につながります。
ヒートマップツール
ヒートマップツールは、LP上のユーザー行動を色の濃淡によって可視化し、注目度の高い箇所・低い箇所を確認するためのツールです。
クリックやスクロールのパターンを分析し、改善のポイントを特定することが可能です。ユーザー行動の理解や、効果的なLP設計に活用できます。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、専用のタグをLPに埋め込むことで、流入経路やユーザー行動の分析ができるツールです。
ユーザー属性やコンバージョン率も詳細に把握できるため、LPO施策の成果を判断するのに役立ちます。
サイトスピード計測ツール
サイトスピード計測ツールは、ページの読み込み速度をスコア測定するためのツールです。
代表的なツールとして、「Google PageSpeed Insights」があげられます。同ツールは、LPのURLを入力するだけで、スピードスコアと改善点が表示されます。
多変量テスト
多変量テストとは、複数の要素を同時に変更し、最適な組み合わせを見つけるための方法です。膨大なデータの検証を必要とする際や、複雑なユーザー行動を理解する際に役立ちます。
トータルエクスペリエンステスト
トータルエクスペリエンステストは、LPの全体的なユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験/UX)を評価する方法です。ユーザー体験への理解と、改善のための施策の選定に有用です。
LPOツール
LPOツールは、LPO施策を総合的にサポートするためのツールです。A/Bテスト・ヒートマップ・アクセス解析などの機能や、データ収集・改善実施まで提供しているサービスもあります。
LPOの施策を実行すべきタイミング
LPOの施策を実行すべきタイミングとして、次の2つのケースについて解説します。
成果が伸び悩んでいる時
成果が伸び悩んでいる時は、LPOの施策を実行すべきタイミングです。
例えば、LPの訪問者数が増加しているにも関わらず、コンバージョン率が低い場合、LPOの施策を実行すべきです。
この場合、まずはヒートマップツールを使用して訪問者の行動を分析し、どの部分で訪問者が離脱しているかを特定しましょう。その後、改善施策を導入し、離脱率を減少させることで、成果を伸ばすことにつながります。
成果が出始めた時
成果が出始めた時も、LPOの施策の実行に適したタイミングです。最初の成果は重要な指標となり、この段階で成果の最大化を目指すことで、今後の成果を伸ばすための土台となります。
具体的には、新しい広告キャンペーンを開始し、訪問者がLPに流入し始めたタイミングでA/Bテストを行うといった方法です。広告からの訪問者がもっともコンバージョンするパターンを特定し、キャンペーンの効果増大のためにLPOを実施しましょう。
LPO施策を成功に導くためのポイント
LPO施策を成功に導くためには、押さえておきたいポイントがあります。次の5つのポイントについて解説します。
LP運用の目標・指標を明確にする
まず、LP運用の成果を評価するために、明確な目標・指標を設定することが重要です。
目標・指標を設定することで、コンバージョン率の向上や特定の行動(購入・申し込みなど)の改善など、成果を可視化できるようになります。
現状の課題を定量的に把握する
LPの現状の課題を数値化して把握することで、具体的な改善点を導き出しやすくなります。行動データや分析ツールを活用し、問題点を特定しましょう。
例えば、データを通じて特定のページでの離脱率が高いことが分かれば、そのページの改善を優先して行うことで、効果にもつながりやすいはずです。
課題に対して仮説を立て、戦略を策定する
LPの課題を特定できたら、対処するための仮説を立て、具体的な改善戦略を策定しましょう。仮説を立てて一度検証することにより、施策の精度を高めることが期待できます。
継続的な分析・検証・改善を行う
LPOは一度きりの施策ではなく、継続的なプロセスです。施策を実施した後も分析と検証を続け、必要に応じて改善を行いましょう。
ツールの使用やLP運用の委託も検討し、効率化・効果の最大化を目指す
LPOの施策を効率的に実施するために、ツールの導入やLP運用の委託を検討することもおすすめです。これにより、LPOのための作業の効率化と効果の最大化が可能になります。
自社でLP運用のノウハウや、LPO施策に対応するためのリソースが不足している場合は、LP制作・運用に精通した制作会社へ相談してみると良いでしょう。
関連記事:LP制作は依頼するべき?依頼した場合の費用相場や依頼先の選び方を解説
LPO施策の失敗例と原因
LPO施策によって成果を最大化できる可能性がある一方で、失敗事例も存在します。ここでは、失敗例とその原因を3つご紹介します。
LP運用の目的を整理できていない
LP運用の目的が不明確または整理されていない場合、施策の方向性が定まらず、失敗の原因となってしまいます。
LPの運用目的を具体的に設定し、明確な目標や指標を定義して、施策の方向性を明確にすることが重要です。
定量評価を行わず、経験や勘のみに頼っている
LPO施策の立案や評価の際に、経験や勘のみに頼ってしまうと、客観的な評価が難しく、改善の方向性を見誤ることがあります。
定量的なデータ収集と分析を行い、データにもとづいて戦略を調整しましょう。
ユーザー目線で施策を考えられていない
LPO施策は、あくまでもユーザーのニーズ理解にもとづいて行われるべきです。
ユーザーのニーズや課題を調査し、ユーザーエクスペリエンスを重視したデザインや、コンテンツを提供するための改善を行うよう心がけましょう。
LPO施策の注意点
LPO(ランディングページ最適化)施策を実施する際には、次の2つの注意点に気をつけましょう。
LPO施策の正解は一つではない
業界や扱う商品・サービスによって、さまざまなLPがあります。LPOの正解は一つではなく、サイトやターゲットユーザーによって異なります。
同じ施策でもLPによって違う結果をもたらすことがあるため、成功例をコピーするのではなく、独自のアプローチを模索する必要があります。
LPOを外注する際は、広告運用とあわせて依頼できる外注先を選ぶと良い
LPは基本的に広告の受け皿として活用されるため、LP単体で改善するだけでなく、広告との連携もあわせて見直す必要があります。
LPO施策を外部に委託する際には、広告運用と連携できる外注先を選ぶと効果につながりやすいでしょう。
LPO施策に役立つツール
最後に、LPO施策に役立つツールを3つご紹介します。各ツールの概要・機能・おすすめの人について解説します。
KARTE Blocks
KARTE Blocksは、コードの記述やCMS不要で、LP上の画像やテキストを編集・配置し、効果を測定できるLPO専用ツールです。
ポップアップ・スライダー・バナーなどの要素を自由に組み合わせてLPを作成し、できたLPはA/Bテスト・ユーザー行動追跡などによって分析・検証できます。
ビジュアルエディターとデータ解析機能を備えており、直感的な操作で施策の立案・実施・検証まで行えます。
専門的なコーディング技術のない方や、施策を迅速に展開したいマーケティング担当者、デザイナーにおすすめのツールです。
DLPO
DLPOは、機械学習とディープラーニングを活用したLPOツールです。ユーザーの行動パターンや嗜好を学習し、個別のユーザーエクスペリエンスを提案してくれます。
自動化されたA/Bテストやリアルタイムでの最適化機能が特徴的で、高度なパーソナライズドコンテンツを提供するのに役立つはずです。
機械学習など専門的な領域の知識も求められるため、データサイエンティスト・AIエンジニア・デジタルマーケティング経験者におすすめです。
CVX
CVXは、複数のプラットフォームのコンバージョンを一元管理できるLPOツールです。
A/Bテスト・マルチバリアントテスト・セグメンテーション・カスタマージャーニーの分析など、多くの機能を提供しています。
デジタルマーケティングの経験者やデータアナリストなど、戦略的なLPO施策を叶えたい方に適しています。
まとめ
本記事では、LPO(ランディングページ最適化)の以下の6つの施策について解説してきました。
- ファーストビューの検証
- コンテンツ情報の検証
- CTAボタンの配置・デザインの見直し
- ページ表示速度の改善
- レスポンシブ対応の確認
- 入力フォームの改善
LPO施策を成功に導くためには、LP運用の目標・指標を明確にすることや、現状の課題を定量的に把握することなど、いくつかのポイントがあります。LPO施策の正解は一つではないため、自社の業界・商材にあわせて検証すると良いでしょう。
LPOを外注する際は、広告運用とあわせて依頼できる外注先を選ぶことがおすすめです。
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