手軽に利用できるグラフィックデザインツールの「Canva」。直感的な操作でさまざまなデザイン制作が可能であるため、「ランディングページもCanvaで作れないかな?」とお考えのWeb担当者の方も少なくないでしょう。
結論、Canvaのウェブサイト機能を使うことで、ランディングページは作成することができます。
この記事では、ランディングページをCanvaで作るメリット・デメリットと、作り方や公開の手順を解説します。
目次
Canvaでランディングページは作れる?
結論からいうと、簡単なランディングページであればCanvaで作れます。完成したページは、無料ドメインを使用して公開することも可能です。
ただし、ランディングページ専用のテンプレートや作成機能はないため、「Webサイト」とカテゴリーされているデザインを使用し、ランディングページのように仕上げる必要があります。
そもそも、Canvaとは
Canvaは、オンラインで利用できるグラフィックデザインツールです。
画像・テキスト・イラストなどのさまざまなクリエイティブ素材を使用し、Webサイト・ランディングページのデザインやSNS投稿のほか、ポスター・フライヤー・名刺などの印刷物のデザイン制作が可能です。
Canvaの料金プラン
Canvaの料金プランとして、個人向けでは無料プラン(Canva Free)と有料プラン(Canva Pro)の2種類あります。プランの主な内容は、以下の通りです。
プラン名 | 料金(1名) | テンプレート | クリエイティブ素材 | クラウドストレージ | ドメイン |
---|---|---|---|---|---|
Canva Free | 無料 | 無料テンプレート25万点以上 | 100万点以上 | 5GB | 5つ |
Canva Pro | ・12,000円(/1年間)・1,500円(/1カ月) | 無料テンプレート+プレミアムテンプレート61万点 | 1億点以上 | 1TB | 無制限 |
無料プランには基本的なデザイン制作のための機能が含まれており、ランディングページを公開するための無料ドメインが5つまで使用可能です。簡単なデザインで充分という方や、予算が限られている方に適しています。
有料プランにすると、より高品質なテンプレートや素材にアクセスでき、AIマジック機能やブランドキットなど最新のツールも使用できるようになります。ランディングページを公開するためのドメイン数は無制限です。
ランディングページをCanvaで作るメリット
ランディングページをCanvaで作成することには、次のメリットがあります。
- コーディング不要(ノーコード)で作れる
- 豊富なテンプレートを利用できる
- 有料プランでは1億点以上のクリエイティブ素材を利用できる
- 無料ドメインまたは独自ドメインでページを公開できる
一つずつ見ていきましょう。
コーディング不要(ノーコード)で作れる
Canvaの基本の操作方法は、ドラッグ&ドロップで要素を配置するものです。コーディング不要(ノーコード)で作れるため、デザインやプログラミングのスキルがない方でも使いやすい仕様となっています。
ランディングページのおおよその形が簡単に作れるため、プロトタイプ(試作品、モックアップ)として制作し、イメージ共有などにも活用できます。
豊富なテンプレートを利用できる
Canvaには豊富なテンプレートがあり、テンプレートをもとにカスタマイズするだけでランディングページ制作が可能です。
無料プランでは25万点以上の無料テンプレート、有料プランではそれに加えてプレミアムテンプレート61万点以上にアクセスできます。ただし、これにはランディングページ用以外のテンプレートも含みます。
有料プランでは1億点以上以上のクリエイティブ素材を利用できる
Canvaには、写真・動画・オーディオ・テキスト・イラスト・アイコン・グラフィックなど、多様なクリエイティブ素材がそろっています。
無料プランで100万点以上、有料プランでは1億点以上のクリエイティブ素材が利用可能できるため、組み合わせることで目をひくランディングページを目指せます。
無料ドメインまたは独自ドメインでページを公開できる
Canvaを使用して制作したランディングページは、無料のCanvaドメインで公開できます。
自社のオリジナルドメインを使用したい場合は、有料プランで独自ドメインの取得・設定を行うか、外部で取得したドメインの設定をすることも可能です。
ランディングページをCanvaで作るデメリット
Canvaにはメリットもある一方で、デメリットもあります。Canvaでランディングページを作成する際に考慮すべき、次の5つのデメリットと対策について解説します。
- 問い合わせフォームの作成・埋め込みができない
- SEOが弱い傾向がある
- データが重く動作が遅くなりやすい
- Canva感・テンプレート感が出てしまう
- スマホ(モバイル)向けのレイアウトは調整が必要
問い合わせフォームの作成・埋め込みができない
問い合わせ・申込み・登録などを促すためのランディングページには、各種フォームの設置が不可欠です。
しかし、Canvaはデザインに特化したツールであり、フォームの作成・埋め込みのための機能がありません。
問い合わせフォームを連携するためには、別途用意したフォームページへのリンクをランディングページ上に設置する必要があります。
SEOが弱い傾向がある
Canvaで制作したランディングページは、WordPressなど他のコンテンツ管理システム(CMS)と比較すると、SEO(検索エンジン最適化)が弱い傾向があるとされています。
SEO対策では、コンテンツの品質、内部・外部対策、ドメインパワー(検索エンジンからの信頼度)などの戦略を、適切に実行することが求められます。
Canvaはカスタマイズの余地が制限されていることから、ランディングページのSEO対策が難しいと考えられます。
解決策としては、Canvaで制作したランディングページをエクスポートし、一般的なCMSプラットフォーム(WordPress・Wixなど)にアップロードすることで、SEO効果を高められる可能性があります。
データが重く動作が遅くなりやすい
Canvaでランディングページを制作する際、デザインの作業が進行するにつれて素材のデータが重くなり、画面の表示速度が遅くなりやすいこともデメリットの一つでしょう。
対策として、デザイン要素を整理し不要な要素を削除することや、外部ツールを使用してデザインの一部を制作し、Canva内で統合するという方法もあります。また、万が一フリーズした時のために、定期的なバックアップをとることもおすすめします。
Canva感・テンプレート感が出てしまう
Canvaを使用したランディングページは、他の人のCanva制作物と似たデザインやスタイルになりやすく、独自性に欠けることがあります。特に、無料テンプレートを使用する場合、他のランディングページとの類似性が懸念されます。
オリジナリティのあるデザインにするためには、画像・テキスト・色・フォントなどをカスタマイズし、独自のブランディングを反映させることが重要です。
なお、デザインや機能面でより高品質なオリジナリティのあるランディングページを作るには、LP制作会社へ依頼することも検討すると良いでしょう。
スマホ(モバイル)向けのレイアウトは調整が必要
ランディングページ制作では、モバイルユーザーに適したレスポンシブデザインへの対応が求められます。
Canvaのテンプレートの多くは、スマホ(モバイル)向けのレイアウトにも対応していますが、細かな調整が求められるケースもあります。スマホでの表示に問題が生じないよう、慎重に調整を行うことが必要です。
Canvaを使ったランディングページの作り方・手順
Canvaでのランディングページの作り方・手順をご紹介します。
- Canvaのアカウントを登録する
- ワイヤーフレームを作成する
- テンプレートを選択する
- デザインやテキストを編集する
- ランディングページを公開する
詳細な操作方法についても、実際の画面キャプチャで解説していますので、参考にしてみてください。
手順1. ワイヤーフレームを作成する
Canvaでの作業の前に、ランディングページのワイヤーフレームを作成しましょう。ワイヤーフレームとは、Webページのデザインにおいて、レイアウトやコンテンツの位置を視覚的に示した設計図です。
構造や配置をシンプルな線図で示しておくことで、Canvaでの作業がスムーズになります。具体的なワイヤーフレームの作成方法については、こちらをあわせてご覧ください。
関連記事:LPのワイヤーフレームの作り方とは?作成手順や費用相場も解説
手順2. Canvaのアカウントを登録する
Canvaを使用するには、アカウントを登録する必要があります。Canva公式サイトの「登録」から、無料プランまたはCanva Proの無料トライアルに登録すると良いでしょう。
すでにアカウントをもっている場合は、ログインしましょう。
手順3. テンプレートを選択する
Canvaでのランディングページ制作方法として、デザインをゼロから考えるか、テンプレートをカスタマイズする方法の2つの進め方があります。
Canvaにはランディングページ専用のテンプレートはないため、ホーム画面で「Webサイト」デザインを選択しましょう。
さまざまな業界向けに、モダンで洗練されたデザインからシックなスタイル、トレンドのレイアウトまで、幅広いテンプレートが提供されています。
「テンプレート」タブをクリックし、キーワードやカテゴリーで絞り込み検索できます。
テンプレートを選択し、「適用」をクリックすると、右側のワークスペースに反映されます。
手順4. デザインやテキストを編集する
テンプレートに使用されている要素の、デザインやテキストを編集していきましょう。次の基本の4つの操作方法をご紹介します。
- 画像の変更方法
- ファーストビューのサイズ変更方法
- テキストの編集方法
- 配置の入れ替え方法
画像の変更方法
変更したい画像を指定し、左側のメニューの「素材」から以下のクリエイティブ素材を選択・変更します。
- 図形
- ボタン
- AI画像生成機能
- グラフィック
- ステッカー
- 写真
- 動画
- グラフ
- 表
- フレーム
- グリッド
- コレクション
画像等のデータはCanvaのライブラリから選択するか、独自の画像をアップロードして利用することも可能です。
ファーストビューのサイズ変更方法
ファーストビューとは、ユーザーがページを訪れた際に最初に表示されるコンテンツやエリアを意味します。
ワークスペースの一番上のテンプレートがファーストビューの部分に該当するため、縦方向のサイズを変更するためには、サイズ変更マークを上下させることで大きさを変更できます。
テキストの編集方法
編集したいタイトルや説明文などのテキストを選択し、左側のメニューの「テキスト」でスタイルを選択、画面上部のツールバーで詳細を設定しましょう。
配置の入れ替え方法
Canvaでは、ランディングページ構成している各ブロックの配置を、ドラッグアンドドロップで入れ替えられます。画面上部のツールバーの「配置」で、ブロックの順序を変更しましょう。
この時、デザインの微調整を行う場合は、画面上の「プレビュー」ボタンからプレビューできます。
各デバイスの表示を確認するには、右上の「デスクトップアイコン」と「モバイルアイコン」で切り替えましょう。
手順5. ランディングページを公開する
完成したランディングページは、画面右上の「Webサイトを公開」から公開できます。
画面表示に従ってドメインを選択し、「続行」→サブドメインを設定→「続行」をクリックします。サブドメインとは、ドメインの前に追加の文字列を追加したドメインです。例えば、「〇〇〇.co.jp」というドメインの場合、サブドメインは「△△△.○○○.co.jp」のように、先頭に文字列(△△△)を加えた部分となります。
任意で、URLスラッグ・サイト説明・パスワード保護・SEOに関する設定を行い、「公開」をクリックするとランディングページが公開されます。
インターネット上に公開せず、データ(PDF・JPG・PNGなど)で保存したい場合は、右上の「共有」ボタンからダウンロードできます。
まとめ
Canvaにはランディングページ専用のテンプレートはないため、「Webサイト」とカテゴリーされているデザインを使用し、ランディングページのように仕上げる必要があります。
Canvaによるランディングページ制作にはメリットもありますが、機能・品質・SEO・作業面でのデメリットがある点には注意しましょう。
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