記事LPとは、広告感が少ないWebメディア風ランディングページのことです。通常のLPに加えて記事LPの運用も行うことで、成約数の大幅UPが見込めます。
しかし「通常のLPに関する知見はあっても、記事LPについてはさっぱり」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、記事LPの概要や通常のLPとの違い、記事LPを運用するメリット・デメリットや成功事例、勝ちパターン、おすすめ作成ツールについてまとめました。
少しボリュームが大きいですが、記事LPを運用する上で知っておくべきことは全て網羅しています。
記事を最後までチェックして、記事LP運用のスタートラインに立ちましょう。
目次
記事LPとは?
まずLPとは、申し込みや問い合わせ、購入を目的として商品・サービスを紹介する縦長のWebページのことです。
「そもそもLPとホームページの違いを理解できていない」という方は以下の記事を先にチェックしてみてください。
関連記事:LP(ランディングページ)とは?ホームページとの違いやメリットについて解説
そして記事LPも、上記「LP」の一種です。
しかし記事LPには、冒頭でもお伝えしたように「広告感が少なく、一見するとWebメディアのように見える」という特徴があります。
例えば以下は、本記事後半でも記事LPの成功事例として紹介する「株式会社ナチュラルビューティーハウス」の記事LPです。
縦長というLPの特徴は踏まえつつも、文字の大きさやデザイン等から「Webメディア」「個人のブログ」といった印象を受けるのではないでしょうか。
通常のLPと記事LPの3つの違い
記事LPの概要を説明したところで、記事LPと通常のLPの違いについて、さらに深く掘り下げてみましょう。
通常のLPと記事LPの違いは、大きく以下の3つです。
- 見た目の違い
- 流入元の違い
- ユーザーに与える広告感の違い
それぞれ詳しく解説します。
見た目の違い
まず通常のLPと記事LPでは、見た目が違います。
通常のLP
記事LP
上記両LPにアクセスをしていただくと、通常のLPと記事LPの見た目の違いを感覚的に理解できるはずです。
具体的な見た目の違いは以下のとおりです。
- 通常のLPの方がイラストや図表が凝っている
- 通常のLPの方が広告色が強い
- 記事LPの方がコラム・ブログ感がある
- 記事LPの方が親近感が湧く
流入元の違い
続いて通常のLPと記事LPでは、ユーザーの流入元が以下のように違います。
LPの種類 | 流入元 |
---|---|
通常のLP | リスティング広告やSNS広告 |
記事LP | ネイティブ広告 |
関連記事:【運用のプロが徹底解説】SNS広告運用とは?運用内容とメリット・種類や費用について
通常のLPは広告色が強いため、既に悩みが明確なユーザーにしか刺さりません。よって悩みが明確なユーザーにピンポイントでターゲティングできるリスティング広告やSNS広告との相性が良いです。
一方記事LPは、訴求力は通常のLPに劣るものの、ユーザーの潜在的な悩みを明らかにして、寄り添うことに適しています。よって悩みが明確でないユーザーを獲得できるネイティブ広告との相性が良いです。
※ネイティブ広告とは?:コンテンツと同化した見た目で表示される広告のこと。ユーザーが広告と気づきにくいためクリック率は高いが、広告色が強い広告との相性が悪い。
ユーザーに与える広告感の違い
ここまでの解説でもお分かりのとおり、通常のLPと記事LPでは、ユーザーに与える広告感が異なります。
まず通常のLPは広告感が強いです。よって訴求力は高いものの、ユーザーを選びます。成約からの距離が遠いユーザーや広告を嫌っているユーザーは即離脱をしてしまうかもしれません。
一方記事LPは広告感が弱いです。よって広告に良いイメージを持たないユーザーも読み進めてくれます。
記事LPを運用するメリット・記事LPの役割
ここまで通常のLPと記事LPの違いについて解説をしました。敢えて通常のLPとは異なるLPを作ることに、どのような利点があるのでしょうか。
記事LPを運用するメリット、記事LPの役割は以下の3つです。
- アプローチできる層が増える
- 離脱率の低下が期待できる
- コンバージョン率の増加が期待できる
それぞれ詳しく解説します。
アプローチできる層が増える
商品やサービスに全く興味がない相手に、いきなり訴求をしてもあまり効果はありません。例えば商業施設で突然以下のように聞かれても、興味を持つ方は少ないでしょう。
- 「ウォーターサーバーはどうですか?」
- 「クレジットカードはどうですか?」
しかし中には、潜在的に「毎回お湯を沸かすのって面倒だな」といった悩みを抱えている方がいます。
そういった方を見つけ出し「こういう悩みがありますよね?」と悩みを顕在化してあげることで、成約数は増えます。
LPは広告色が強いため、既に悩みが明確で「こんな商品・サービスが欲しい」とイメージできている方にしか刺さりません。
一方記事LPは、悩みを見える化し、その悩みに寄り添うことに長けています。
記事LPを訪れたユーザーの悩みを明確にして、関心を醸成した後に、内部リンクを使って通常のLPにユーザーを流しましょう。
記事LPを使うことで、これまでアプローチできなかった「悩みが明確でない」層にもアプローチできるようになります。
離脱率の低下が期待できる
ネイティブ広告の遷移先として通常のLPを使用すると、ユーザーに以下の印象を与えます。
- うわ、広告感満載のページに来た
- まだ何か商品を買う必要はないかな
上記のような感情を抱いたユーザーは、LPアクセス後すぐに離脱をしてしまいます。ユーザーがLPを即離脱することによるデメリットは以下のとおりです。
- 自社の商品・サービスについてアピールできない
- 広告費が無駄になる
一方記事LPを使えば、離脱率の低下が期待できます。
通常のLPに加えて記事LPを作成するのには、手間がかかります。しかし離脱率の低下によって得られるメリットは、それ以上に大きいです。
コンバージョン率の増加が期待できる
ユーザーの離脱率が下がり記事LPを読み進めてもらうと、そのうち数%のユーザーは内部リンク経由で通常のLPに遷移します。
悩みが明確で、商品・サービスに興味を持ったユーザーを通常のLPに送客できるため、コンバージョン率やコンバージョン数の増加が期待可能です。
1つ前の項目「離脱率の低下が期待できる」でもお伝えしたように、記事LPの作成には手間とコストがかかります。しかしコンバージョン率が増加することで、記事LPの作成にかかった手間やコストは簡単に回収可能です。
記事LPを運用するデメリット
記事LPを運用するデメリットは以下の3つです。
- 通常のLP制作とは違ったスキルが求められる
- 通常のLPに加えて記事LPを制作することになるので手間とコストがかかる
- LPの管理により多くの労力が必要となる
それぞれ詳しく解説します。
通常のLP制作とは違ったスキルが求められる
記事冒頭で、通常のLPと記事LPの違いについてお伝えしました。通常のLPとは異なるLPを作成するので、当然これまでとは異なるスキルが求められます。
具体的には、ユーザーが自分自身と重ね合わせられるような、カジュアルな口調でのライティングが求められます。
また画像については「プロフェッショナルが撮影した綺麗な写真」よりも「いちユーザーが撮影したリアリティある写真」の方が有効です。
通常のLPと同じような意識で記事LPの作成に取り組んでも「通常のLPに似たどっち着かずのLP」が出来上がるだけです。
通常のLPと記事LPの違いを理解した上で、制作を行わなければなりません。
記事LPを制作する際に気をつけるべきことについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:記事LPのデザイン事例一覧とデザインで気をつけるべきことを紹介
通常のLPに加えて記事LPを制作することになるので手間とコストがかかる
記事LPの役割は、いわば通常のLPへのパス出しです。よって記事LPは、通常のLPがなければ成り立ちません。
通常のLPと記事LPの両方を制作しなければならないため、手間とコストが単純に倍かかります。
もちろん記事LPを制作するに越したことはありません。しかし予算の観点から、以下について考えてみましょう。
- すでに通常のLPを用意できている方▶︎新たに記事LPを制作すべきかどうか
- まだ通常のLPも記事LPも用意できていない方▶︎両方制作すべきか通常のLPだけを作成すべきか
LPを自社で作成する方法や、制作を外注した際にかかる費用については、以下の記事で詳しくまとめています。
関連記事:LP作成の方法は6つの手順で完結!ツールの使用や外注化もできる!
関連記事:LP(ランディングページ)制作費用相場|内訳や妥当な料金か見分けるポイントも紹介
LPの管理により多くの労力が必要となる
LPは制作をして終わりではありません。これは通常のLPにも記事LPにも共通することです。
通常のLPも記事LPも、公開をした後はPDCAを回す必要があります。PDCAを回すことで、離脱率やコンバージョン率をさらに改善することができます。
PDCAを回す大まかな流れは以下のとおりです。
- 公開したLPからデータを収集する
- 収集したデータから改善点を洗い出す
- 改善策を練る
- LPに反映させる
例えば得られたデータから「申し込みボタン」のクリック率が低いと判明した場合、デザインや文言を調整して、クリック率のアップを試みます。
上記PDCAを通常のLPと記事LPの両方に対して行う必要があり、多くの労力が必要となります。
【真似してOK】記事LPの勝ちパターンを紹介
実は記事LPには「勝ちパターン」と呼ばれる以下3つの作成方法があります。
- ペルソナを設定する
- 構成に沿ってストーリーを考える
- LPを作成する
上記手順に沿って記事LPを作成することで、それなりのLPを自社でも作成でき、少なくとも大失敗は避けられます。
上記勝ちパターンについて、それぞれ詳しく解説します。
ペルソナを設定する
ペルソナとは、商品・サービスを利用するユーザーの人物像のことです。ペルソナの年齢、性別、家族構成、年収等を細かく設定しておくことで、どんな記事LPを作成すれば良いのかが見えてきます。
記事LPの目的は、通常のLPへの送客です。よってペルソナは、通常のLPと合わせましょう。
すでに通常のLPを運用していて、ペルソナも設定しているのであれば、新たにペルソナを考える必要はありません。
構成に沿ってストーリーを考える
何かを作成する際は、骨組みが大切です。それは記事LPでも変わりません。
まずは最初から記事LPを作成するのではなく、まずは構成を考えましょう。そうすれば、あとは構成に肉付けをするだけで、スムーズに記事LPを作成できます。
記事LPにおすすめの構成は、以下のとおりです。
構成 | 例 |
---|---|
悩み・問題点の明確化 | 〇〇と悩んでいました |
悩み・問題点を放置するリスク | 放置した結果こんな大変なことに |
他の解決策との比較 | このままじゃダメだと思って解決策を模索しました |
他の解決策の失敗談 | いくつか試してみたけどどれも失敗でした |
解決策の紹介 | そこで出会ったのが〇〇という解決策でした |
解決策に対する不信感の排除 | 最初は不安だったのですが、〇〇さんもおすすめしていたし / 〇〇で売り上げNo.1だし試してみることに |
解決策を実施した結果 | 結果、悩みは解決しました |
オファーとクロージング | 今なら〇〇%オフで〇〇も付いてきます |
通常のLPでは「〇〇とお悩みではありませんか?」と相手に語りかけるような書き方が一般的なのですが、記事LPの場合は、上記のように体験談風の書き方を採用しても良いでしょう。
なお通常のLPの構成については、以下の記事でまとめています。
LPを作成する
ペルソナを設定して構成を作成したら、いよいよ記事LPの作成に取り掛かります。
構成に肉付けをするようなイメージで、文章をライティングしましょう。また必要に応じて、写真や画像、図表等も挿入してください。
記事LPにおけるライティングのコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:LPライティングとは?コツや外注費用などを初心者向けに分かりやすく解説!
記事LPの成功事例を紹介
ここでは、記事LPの成功事例として、以下2つの企業が公開している記事LPを紹介します。
- 株式会社ナチュラルビューティーハウス
- GMOアドマーケティング株式会社
それぞれ詳しく見てみましょう。
株式会社ナチュラルビューティーハウス
上記の記事LPは、肌トラブルを克服して今は美容オタクとして有名になっている佐上さんへのインタビューという構成になっています。
- インタビュー形式
- 元々は肌トラブルに悩まされていた
上記2つから、親近感を持って読み進められます。また佐上さんの写真や美容オタクとしての活動などが権威性にも繋がります。
通常のLPへのリンクは、記事LP最終盤にならないと出てきません。
また価格やキャンペーンについての記載も記事LP最終盤にしか記載されておらず、広告感を極限まで抑えられています。
GMOアドマーケティング株式会社
上記の記事LPでは、生活が快適になるスマホアプリについて紹介しています。
特定のアプリを紹介するのではなく、複数のアプリを紹介している点からも「このアプリが気になる」と悩みが明確になっていないユーザーに刺さりやすいです。
記事LPのタイトルは「『アイフォンが激変…!』携帯ショップ店員が勧める超優秀アプリ」と、Webコンテンツ下部に設置されるネイティブ広告でよく見かけるようなタイトルになっています。
最初からアプリのインストールページに遷移させるよりも、上記記事LPを間に挟むことで、ユーザーがアプリをインストールしてくれる可能性がアップします。
テンプレートとして使える!記事LP作成ツールおすすめ3選
コーディングやWebデザインの専門知識なしで記事LPを作成したい方におすすめのツールは以下の3つです。
- ペライチ
- WordPress
- ジンドゥー
各ツールにテンプレートが用意されているため、完全にまっさらな状態から記事LPを制作する必要はありません。
それぞれ詳しく解説します。
ペライチ
「ペライチ」は、テンプレートを選ぶだけで簡単にLPを作成できるツールです。通常のLP制作に使われることが多いですが、記事LPの制作も可能です。
ペライチは今回紹介する3つのLP作成ツールの中で最も敷居が低く、直感的な操作ができます。
無料で1ページ作成することができ、それ以降は以下の料金プランに応じて作成できるページ数が増えます。
- ライトプラン:3ページまで/月額1,465円
- レギュラープラン:5ページまで/月額2,950円
- ビジネスプラン:20ページまで/月額3,940円
- プロフェッショナルプラン:20ページまで/月額6,910円
気軽に記事LPを作成できる反面、独自ドメインを取得できないというデメリットがあります。LPとドメインについては、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【初心者向け】LPのドメイン(URL)とは?おすすめの決め方や独自ドメインにすべきか等を解説!
ペライチを使ってLP作成方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【画像付き】ペライチを使ったLP(ランディングページ)の作り方や事例まとめ!
WordPress
「WordPress」は、ブログやWebサイト等を作成できるツールです。
WordPressでは、テーマやプラグインの設定を行うことで、表示するページのデザインや機能を大幅に変更可能です。LP向けのテーマやプラグインを使うことで、WordPressを使った記事LPの作成が可能となります。
WordPress自体は無料で利用できるのですが、サーバーやドメインの維持費として月に1,000円程度の費用がかかります。
またテーマやプラグインの大半は有料です。無料で利用できるものもありますが、クオリティの観点からも有料のものをおすすめします。
WordPressを使った記事LPの作成は、すでに自社でWordPressを使ったWebサイトを所有しており、操作方法等の知見がある方におすすめです。
WordPressを使ったLP作成方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【無料】WordPressでLPは自作可能!テーマやプラグインのおすすめを紹介
ジンドゥー
「ジンドゥー」は、無料のホームページ作成ソフトです。
AIビルダーとクリエイターの2つの機能があり、AIビルダーではナビに従うだけで簡単にLPを作成できます。よって初心者の方にもおすすめです。
一方クリエイターでは、HTMLやCSSに対応しており、より複雑なカスタマイズが可能です。
無料版では、独自ドメインを持てなかったり、サーバーの容量が限られていたりと制限があります。一方月額990円、1,590円の有料プランでは、独自ドメインの取得が可能です。
まとめ
記事LPの概要や通常のLPとの違い、記事LPを運用するメリット・デメリットや成功事例、勝ちパターン、おすすめ作成ツールについて解説しました。
より多くのコンバージョンを獲得したいのであれば、通常のLPに加えて記事LPを作成し、ネイティブ広告とともに運用しましょう。
しかし記事LPの作成、ネイティブ広告の運用、得られたデータを活用したPDCAと、やるべきことはたくさんあります。
「これら全てを自社でこなすのは難しそう」と感じるのであれば、LP制作会社や代理店への依頼をご検討ください。
弊社クロスバズでも、LP制作や運用、Web広告運用等のサービスを提供しています。お見積もり・ご相談は無料です。
▶︎詳細はこちら:バズLP – LP制作依頼・ランディングページ作成サービス