記事制作は、オウンドメディア運用の肝となる施策です。
「記事を作って投稿すればいいんでしょ」と大まかなことは分かっていても、どうやって、どのくらいの記事を制作すれば良いのかまで理解できている方は少ないでしょう。
そこで今回は、オウンドメディアの記事制作の流れ4ステップや、完成に必要な記事数、かかる費用、おすすめ制作会社3選などについてまとめました。
オウンドメディアの記事制作に対する知見が少ない方でも無理なく読み進められるよう、専門用語は極力使用していません。使用する際は用語の説明を入れています。
記事を最後までチェックすれば、オウンドメディアで記事制作を始めるための準備が、ひと通り整いますよ。
目次
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、企業が保有するメディアの総称です。「Owned(保有する)」「Media(メディア)」なので、そのままの意味ですね。
オウンドメディアの例は、以下のとおりです。
- Webサイト
- 自社ブログ
- SNSアカウント
広義では、パンフレットや広報誌などの紙媒体も、オウンドメディアに含まれます。
しかし一般的には、Webサイト内に設置された自社ブログのことを「オウンドメディア」と呼ぶケースが大半です。
例えば、あなたが今読んでいるこの記事は、弊社オウンドメディア内のコンテンツです。
オウンドメディア最大の特徴は、広告枠に囚われず、好きなことを好きなだけ自由に発信できる点にあります。
テレビCMやリスティング広告など「枠」が決まっているメディアとは異なります。
記事制作とは?
記事制作とは、オウンドメディア(自社ブログ)に投稿する記事を作成することです。
「記事」と聞くと、新聞記事のような堅いイメージを抱くかもしれません。しかし、オウンドメディアの文脈における記事制作とは「SEO記事の制作」を意味します。
SEOとは?:
Search Engine Optimizationの略。日本語に訳すと「検索エンジン最適化」。つまり、Google等の検索エンジンで記事を上位に表示させようとする施策のこと。
関連記事:SEO記事とは?1位を狙える書き方を事例付きで解説!ゴミと批判される理由も
オウンドメディアにおける記事制作の流れ
オウンドメディアにおける記事制作の大まかな流れは、以下のとおりです。
- キーワードを選ぶ
- 構成を作成する
- 記事を執筆&公開する
- 記事をリライトする
それぞれ詳しく見てみましょう。
キーワードを選ぶ
記事は、特定のキーワードでの検索上位表示を狙って制作されます。
例えば「LP ファーストビュー」で上位表示ができれば、同キーワードでGoogle検索をしたユーザーからのアクセスを獲得できます。
よって、まずはどのキーワードで上位表示を目指すのかを決める「キーワード選定」を行いましょう。
キーワード選定で重要な要素は、以下のとおりです。
- 十分な検索ボリュームがあるか
- 自社ブログと関連性のあるキーワードか
- 競合がどのくらい強いか
- 競合がどのくらい多いか
「たくさん検索されていて、自社ブログと関連性が高く、競合が弱くて少ないキーワード」がベストです。しかし、そう都合の良いキーワードは滅多にありません。
大半の場合は、以下のように多少妥協をする形で、キーワード選定を行います。
- 検索ボリュームは少ないけど競合がいなくて上位表示ができそうだな
- 競合はそこそこ強そうだけど、サイトにとって欠かせない記事だな
キーワード選定にはツールを使用しますが、ここでは解説を割愛します。
構成を作成する
キーワードを選定したら、記事の構成を作成します。
構成は、記事の目次です。建築における設計図のような形で、構成を作ってから記事の執筆を行います。
例えば、以下は弊社オウンドメディア内のとある記事の構成です。
本記事における、上記画像のような構成は、記事冒頭にてご確認いただけます。
構成を作成する際に欠かせないのが、記事の網羅性です。
記事の網羅性とは?:
ユーザーが知りたい情報を満遍なく提供できているかどうかを表す言葉。
例えば「クレジットカード おすすめ 学生」で検索をするユーザーは、ただ学生におすすめのクレジットカードを知りたいだけではありません。
同時に、以下のような悩みも抱えていると考えられます。
- 学生で収入なしだけどクレジットカードって作れるのかな?
- そもそも学生ってクレジットカードを作るべきなの?
上記のような悩みにも答えられる構成を作成することで、記事の網羅性が高まり、それが検索上位表示に繋がります。
ユーザーがどんな悩みを抱えているのかは、サジェストや再検索キーワードを確認することで見えてきます。
サジェストとは?:
検索窓にキーワードを入力した際に表示される検索候補。
再検索キーワードとは?:
ユーザーが最初に検索で訪れた記事を離脱した後、再度検索をしたキーワードのこと。検索結果を下にスクロールすることで確認可能。
記事を執筆&公開する
構成を作成したら、そこに肉付けをするようなイメージで、記事を執筆します。記事の出来によって、ユーザーの読了率が変わり、それが検索順位に影響を与えます。
良質な記事を制作するコツは後述していますが、まずは論理的で分かりやすい文章を書くことを意識しましょう。
そこで役立つのが、PREP法です。
PREP法とは?:
論理的で説得力のある文章を書くためのモデル。以下の順序で文章を作っていく。
- P:Point(結論)
- R:Reason(理由)
- E:Example(具体例)
- P:Point(結論)
記事を執筆したら、誤字脱字がないか等を確認し、公開作業を行います。
詳しい解説は省きますが、記事の公開には、WordPressという無料の管理システムを使うのが一般的です。
記事をリライトする
オウンドメディア運用は、記事を公開して終わりではありません。
公開した記事から得られる、以下のようなデータをもとにリライトを行います。
- 検索順位
- CTR(記事のクリック率)
- CTR(記事内に設置された申し込みボタンのクリック率)
- ヒートマップ(記事を訪れたユーザーの行動を色で可視化したもの)
例えば「記事のクリック率が低いから、もう少し魅力的なタイトルにできないか考えてみよう」といった形です。
上記のデータは、以下のようなツールを使用することで取得できます。
- Googleサーチコンソール
- Clarity
※上記はいずれも無料で利用できます。より高度に、快適に分析ができる有料ツールも存在します。
リライトには工数がかかります。よって、あらかじめリライトの必要がない、クオリティの高い記事を制作することが重要です。
ここまでが、オウンドメディアの記事制作の流れです。
まずは、キーワードを選定します。次に、そのキーワードに沿った構成を作成します。最後に、校正に肉付けをするイメージで記事を執筆したら完了です。
記事公開後は、得られたデータを基に、必要に応じてリライトを実施しましょう。
オウンドメディアの完成に必要な記事数は?
必要な記事数は、オウンドメディアごとに異なります。
千本以上の記事が必要なオウンドメディアもあれば、数十本で済むようなケースもあります。
オウンドメディアの完成に必要な記事数を調べる方法は、以下の2つです。
- 競合サイトを参考にする
- キーワード選定をする
自社が上位表示したいキーワードで、すでに好順位を獲得できているオウンドメディアをいくつかピックアップしてみましょう。
そうすることで、必要な記事数の目安が見えてきます。
具体的な解説は省きますが、ツールを使ってキーワード選定を行うことで、より詳細な必要記事数が分かります。
記事数が多い方がSEO的にプラスになるので、質の高い記事をコンスタントに制作できる体制を整えることが重要です。
オウンドメディアの完成に必要な記事数についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:SEO対策に必要な記事数はどれくらい?メリットや効果的な増やし方を解説
オウンドメディアで良質な記事を制作する3つのコツ
オウンドメディアで良質な記事を制作するためには、以下3つのコツを意識しましょう。
- ユーザーファーストを心がける
- より具体的に表現できないかを考える
- 本題から逸れる内容は内部リンクで対応する
それぞれ詳しく解説します。
ユーザーファーストを心がける
オウンドメディアの記事制作は、Googleの検索結果で上位を獲得するために行われます。そして、そのGoogleが最も重要視しているのが、ユーザーファーストの考え方です。
「Googleが掲げる10の事実」の1つ目にも、次の記載があります。
①ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
妥協せずに、とことんユーザー目線に立つことで、良質な記事を制作できます。
例えば、太字やマーカー・箇条書き・図表を加えることで、より読みやすい記事になりますよね。また、ユーザーが知りたい情報は、テレビの「正解はCMのあと」のように先延ばしにせず、冒頭で伝えてあげるべきです。
こういったユーザーファーストの取り組みが、記事の滞在時間や読了率などに反映されます。そして、最終的には検索順位の上昇に繋がります。
より具体的に表現できないかを考える
よく「調べるのが面倒だから」「詳しい知識がないから」と、ふんわりとした抽象的な表現を多用して記事を制作する方がいます。
例えば、以下のようなイメージです。
A塾は、高校合格率が高いことで有名です。
たしかに、こういった文章は特にリサーチをせずに執筆できるため、楽です。しかし上記の文章だと、ユーザーは「どのくらい合格率が高いの?」という疑問を抱きます。
一方、以下の文章だと、濃い情報を提供でき、ユーザーに満足感を与えられます。
A塾の高校合格率は87%です(出典:A塾 合格実績)。
記事制作時には「これってもう少し具体的にできないかな?」という視点を常に持っておきましょう。
本題から逸れる内容は内部リンクで対応する
オウンドメディアの記事制作では、ユーザーが知りたい情報を、知りたい順序で伝えることが重要です。
しかし、筆者のひとりよがりでユーザーに不要な情報を長々と書き、離脱率が上がってしまっているケースはよく見受けられます。
本題から逸れる内容は思い切って解説を省略して、内部リンクを貼って対応をしましょう。
内部リンクとは?:
同じサイト内の記事同士を繋ぐリンクのこと。本記事にも「関連記事:〇〇〜」という形で、複数の内部リンクが設置されている。
内部リンクを使いこなすことで「脇道に逸れずにサクッと記事を読みたい」と思っているユーザー、「このことについてもっと詳しく知りたい」と思っているユーザーの両者にフレンドリーな記事を制作できます。
関連記事:【弊社実例あり】内部リンクがSEOに与える影響・効果とは?
オウンドメディアの記事制作方法は全部で3つ
オウンドメディアの記事制作方法は、以下の3つです。
- 内製化
- 一部外注
- 完全外注
それぞれ詳しく見てみましょう。
内製化
オウンドメディアの記事制作は、自社内で完結させることも可能です。
この選択肢は、自社にSEOやセールスライティングに深い知見を持った人材がいる場合にのみ、おすすめです。
- 自社に十分な知見を持った人材がいない場合
- 自社にコンスタントに記事を制作する十分なリソースがない場合
上記いずれかに当てはまる場合は、無理に内製化を行うべきではありません。時間と労力を費やした挙句、全くアクセスの集まらないオウンドメディアができあがってしまうかもしれません。
弊社クロスバズにも、数百記事を公開した状態で「全くアクセスが集まらないのですが…」とご相談をいただくことがあります。
また、最初は専門業者に依頼をして、業者から内製化のサポートを受けるという方法もあります。
一部外注
オウンドメディアの記事制作は、いくつかの工程に分割できます。そして、その一部のみを外注をすることも可能です。
例えば、キーワード選定のみ自社で行い、構成作成・記事執筆・公開作業は外部委託しても良いでしょう。
一部外注の選択肢は、自社に専門知識を持った人材はいるが、十分なリソースを確保できない場合におすすめです。
専門知識を持った人材が一人いても、月に10本20本と記事を書くことはできませんからね。
記事の執筆部分だけでも外注したいと考えている方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:コンテンツマーケティングで成果を出せるライターの特徴とは?選び方や注意点も解説!
完全外注
オウンドメディア運用では、記事制作は丸々専門業者に外注してしまうのが一般的です。検索上位に出てくるオウンドメディアの多くは、実は専門業者によって運用されています。
キーワード選定から公開、リライトまで丸々任せてしまえば、従業員は本来の業務にコミットできます。
また「記事執筆だけ」のように一部外注をするのも意外と大変です。認識の相違が起きたりして、工数がかかります。
完全外注をすれば、自社で得意としないSEO対策やセールスライティングに時間と労力を割かれることはありません。
オウンドメディアの記事制作を1から10まで外注できる業者については、以下の記事で詳しくまとめています。
関連記事:オウンドメディアの運営代行に強い会社24選!選び方や費用相場も
オウンドメディアの記事制作にかかる費用
オウンドメディアの記事制作費用を、以下3つの場合に分けて紹介します。
- 内製化をする場合
- 一部のみ外注をする場合
- 完全に外注をする場合
それぞれ詳しく見てみましょう。
内製化をする場合
オウンドメディアの記事制作を内製化する場合、別途かかる費用はありません。かかるのは、記事制作を担当する従業員の人件費のみです。
専門知識を持った人材がいる場合、また必要な記事数が極端に少ない場合におすすめの選択肢です。
一部のみ外注をする場合
記事の執筆のみを外注する場合、1本あたり5万円ほどの費用がかかるのが一般的です。
合計で100記事投稿をしたいのであれば、かかる費用の合計は500万円です。「月に5記事×1年8ヶ月」のように、月に数記事ずつ記事制作を依頼することになります。
また、費用を抑えたいのであれば、フリーランスに依頼をする選択肢もあります。
しかし、クオリティの高い記事を執筆してくれるフリーランスを探すのは大変です。さらに、自社に専門知識がないと上手くフリーランスを活用することができません。
よって、外注をするのであれば、専門業者を利用するのがおすすめです。
完全に外注をする場合
実は、キーワード選定から記事の公開まで丸々外注をする場合でも、かかる費用はそれほど変わりません。
記事1本あたり5万円ほどで依頼ができる専門業者も多数存在します。
しかし業者によっては、基本料金は記事の執筆のみで、キーワード選定・構成の作成・公開設定などで追加料金を請求するところもあるので要注意です。
場合によっては、1記事5万円と思って相談をしたのに、結果として8万円や10万円かかってしまうケースもあります。
よって、提示されている価格が「すべて込みでの値段」なのか、しっかり確認をしましょう。
関連記事:コンテンツマーケティングの費用対効果は高い!測定方法やかかる費用の内訳を紹介
オウンドメディアの記事制作会社おすすめ3選
おすすめのオウンドメディア記事制作会社は、以下の3社です。
- 【弊社】株式会社クロスバズ
- サイトエンジン株式会社
- 株式会社ZERO
それぞれ詳しく見てみましょう。
【弊社】株式会社クロスバズ
弊社クロスバズでは、成果報酬型のオウンドメディア記事制作サービス「BUZZライティング」を提供しています。
「BUZZライティング」では、オウンドメディア運用に必要な施策を、戦略設計から記事の公開まで、まるっと対応いたします。キーワード選定や入稿に、追加料金は一切かかりません。
1,000記事以上の執筆経験とオウンドメディアの立ち上げ運用経験を持つディレクターが、独自の採用試験の壁を乗り越えた優秀なライターの管理を行い、クオリティの高い記事を制作いたします。
毎月5社限定の成果報酬プランなら、6ヶ月以内に上位表示できなければ記事制作費はゼロ。初期費用も無料でお試しいただけます。
関連記事:魂の「BUZZライティング」。サービスリリースの背景と設計者の想い
サイトエンジン株式会社
サイトエンジン株式会社は、記事制作サービス「かくたま」を提供しています。
かくたまは、14年以上の実績があり、その間に制作した記事は2万本を超えています。また、月間1,000万PVを誇る大規模サイトの運用実績もあるとのことです。
オウンドメディアの記事制作会社選びで、実績の数を重要視したいのであれば、かくたまがおすすめです。
株式会社ZERO
株式会社ZEROも、サイトエンジン株式会社と同様に、実績が豊富な会社です。月間1,200記事もの記事制作を手掛けています。
各専門分野に特化したライターを擁しているとのことなので、ニッチな分野でのオウンドメディア運用などでは、相談をしてみるのも良いかもしれません。
オウンドメディアの記事制作におすすめの会社については、以下の記事でも詳しくまとめています。
関連記事:オウンドメディアの運営代行に強い会社24選!選び方や費用相場も
【業界別】オウンドメディアの記事制作事例
最後に、オウンドメディアの記事制作事例を、以下2つの業界に分けて紹介します。
- 保険業界
- 不動産業界
それぞれ詳しく見てみましょう。
保険業界
上記は、東京海上日動あんしん生命保険株式会社が運営する「マネコミ!」というオウンドメディアです。
「保険に関心のあるユーザーは金融リテラシーが高い」という仮説のもと、保険のみならず、投資やクレジットカードなど、幅広いジャンルで記事制作を行っています。
例えば、クレジットカードのおすすめ記事から内部リンクを通じて、保険関係のコンバージョン(申し込み)を獲得することもできるでしょう。
保険は、数あるジャンルの中でも特に信頼性が問われるジャンルです。YMYLでもあるため、相応の権威性がなければ、参入障壁が高いケースが多いです。
YMYLや権威性については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SEOにおける権威性とは?概要や高める方法9つをわかりやすく解説
関連記事:保険業界におけるオウンドメディアの運営事例は?成功のポイントを解説
不動産業界
上記は、株式会社コレックが運営する「イエプラコラム」というオウンドメディアです。初心者向けのお部屋探し情報が、SEO記事として網羅的に制作されています。
「イエプラコラム」最大の特徴は、アイキャッチ画像です。
アイキャッチ画像が漫画のようなイラストで、親近感を抱きやすくなっています。
特に難しい内容を初心者向けに解説するオウンドメディアでは、こういった施策が重要です。
不動産はまさに大半の方が「難しそう」と感じているジャンルなので、上記のようなイラストは刺さります。
関連記事:【不動産向け】オウンドメディアの導入事例6選!運用のメリット・デメリットも解説
関連記事:旅行業界でオウンドメディアを成功させるポイントは?導入事例も紹介
関連記事:リノベーション会社がオウンドメディアを運用するべき理由と運用のポイント3つ
まとめ
本記事では、オウンドメディアの記事制作の流れ4ステップや、完成に必要な記事数、かかる費用、おすすめ制作会社3選などについて解説しました。
記事制作自体は、専門知識がなくても実施できます。しかし、上位表示を目指すのであれば、話は別です。
少なくとも、検索1ページ目に表示されている大半の記事よりクオリティの高い記事を制作しなければなりません。
オウンドメディアの記事制作は、専門業者に依頼をするのがおすすめです。
BUZZライティングでは、戦略設計から記事執筆、入稿、公開、成果確認まで一気通貫でおこないます。成果報酬プランなら初期費用無料、成果が出なければ制作費0円でお試しいただけます。