アパレルやファッション関連のLP(ランディングページ)を制作するにあたり、具体的にどんなLPにすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
LP制作では押さえるべきポイントがいくつかありますが、特にアパレル・ファッション業界のLPの場合、競合他社との差異化や返品率を抑えることも考慮する必要があります。
この記事では、アパレル・ファッション業界のLP制作のポイントと、LPデザインの特徴・デザインまとめサイトについて解説します。
目次
アパレル・ファッション業界におけるLPの役割
効果的なLP運用を実現するために、LPが担う役割を確認しておきましょう。
アパレル・ファッション業界におけるLPの役割は、大きく次の2つです。
商品購入・サービス導入を促す
アパレル・ファッション業界で扱う商品は、紳士服・婦人服・子供服・スポーツウェアなどのほか、広義では靴・アクセサリー・下着や関連サービスなども含まれます。
LPが果たすべき一つ目の役割は、これらの小売商品やサービスの購入・導入を促すことです。
LP内で、自社の商品を使用するとどのようなベネフィットが得られるかをユーザーに伝えることで購買意欲を醸成し、購入・導入へと導くことができます。
リスティング広告などの受け皿として活用する
商品の販売促進に適しているLPは、単独で運用するよりも、リスティング広告などのWeb広告の受け皿として用いられるケースが多いです。
広告から遷移してきたユーザーに対し、LP内で詳細な商品・サービスの情報を分かりやすく伝えるという役割を果たします。
仮に、リスティング広告などの遷移先が複数ページに渡るECサイトや企業ホームページだった場合、欲しい商品のページにたどり着きにくくなってしまいます。
特定の商品の紹介やキャンペーン告知などをする場合、一つの商品・サービスの購買などに目的を絞った専用のLPを用意することで、ユーザーにとっての利便性も向上できます。
アパレル・ファッション系のLP制作で押さえるべきポイント
実際にアパレル・ファッション系のLP制作を進める上で、押さえるべきポイントを確認していきましょう。ここでは、ポイントを大きく3つに分けて説明します。
基本のLP制作の手順・方法はこちらで解説しています。
関連記事:LP作成の方法は6つの手順で完結!ツールの使用や外注化もできる!
ファーストビューでユーザーを惹きつける
先述の通り、アパレル・ファッション系のLPは、リスティング広告などWeb広告からの遷移先として活用されるケースが一般的です。
LPでは、広告で興味をもったユーザーのページ離脱を抑えて購買などのアクションへ結びつけなければならないため、ファーストビューでユーザーを惹きつけることが大事なポイントとなります。
ファーストビューとは、LPを訪問したユーザーが最初に目にする箇所であり、画面スクロールせずに表示される部分のことです。
一般的に、ファーストビューでユーザーがページの閲覧を続けようか判断する時間は「3秒」といわれており、第一印象がページ離脱率を左右することが分かっています。
そのため、ひと目で「このLPは自分のためのページだ」「疑問や悩みが解決できそう」と思ってもらうことが必要です。
商品名・商品イメージ・実績・特徴・ベネフィット・キャッチコピーなど必要な情報を端的に伝え、ユーザーを惹きつけるファーストビューを意識しましょう。
こだわりポイントなど他社との差異化を図る
商品の品質などに自信があり、どれだけ素晴らしいクオリティのものを提供していたとしても、その良さがユーザーに伝わらなければ、残念ながら購買にはつながりません。
なぜこの商品を選ぶべきか、なぜたくさんの人に選ばれているのかを具現化して伝えるのも、アパレル・ファッション系のLPを制作する上でポイントです。
例えば、素材・デザイン・着心地の良さ・クリーニングしやすさなど、自社のこだわりや強みを、キャッチコピー・画像・図解などで表現し、他社との差異化を図ると良いでしょう。
この時、メディア掲載実績や外部サイトでの口コミランキングなどもあれば、掲載することで社会的な承認(権威性)があることもアピールできます。
サイズ・カラー・素材などを明記し、返品率を軽減する
実店舗のように、商品を手に取って確かめられないオンラインショッピングの場合、フィッティングの課題があります。
Recustomer株式会社がアパレル業界向けに実施した調査によると、「衣類や靴」などのオンラインショッピングの平均返品率は約6~8%となっており、「家具家電」の返品率0.45%と比べても非常に返品が多い(*)ことが明らかになっています。
アパレル・ファッション関連の商品LPの場合、ユーザーに適切なサイズを選んでもらうために、LP内にサイズ・カラー・素材などを明記することは不可欠です。
M・L・LLとだけ表記しても、ブランドによって基準値が異なることもあるため、バスト・身幅・身丈・肩幅・袖丈なども明記すると良いでしょう。
また、昨今ではオンライン試着ができるAR機能なども定着しつつあり、顧客体験向上や返品対策にもなるため、LPに取り入れてみても良いかもしれません。
*出典:業界別ECサイトの 返品・交換調査レポート – Recustomer
参考にしたいアパレル・ファッション系のLPの特徴
実際に公開されているアパレル・ファッション系のLPを参考にすることで、具体的なデザインなどイメージを掴みやすくなるはずです。
5つのLPをピックアップし、特徴をご紹介します。
studio CLIP meets kazumi – 春の蕾パンツ
一つ目は、studio CLIPとファッションモデルのkazumiさんのコラボ商品「春の蕾パンツ」のLPです。
「studio CLIP(スタディオクリップ)」は、ファッションオンラインストア「.st(ドットエスティ)」で展開されているブランドであり、ストア内の商品ページがLPになっています。
同LPのファーストビューは、モデルのkazumiさんが商品を着用している画像が自動的に切り替わるスライドショー形式です。
下にスクロールすると、雑誌のようなレイアウトで画像やキャッチコピーが配置されており、ところどころにアニメーションの効果も施されているため飽きずに読み進められます。
LPの最下部でデザインのこだわりポイントが3つにまとめて紹介されている点も特徴です。
有名モデルの起用やたくさんの魅力的なコーディネートでユーザーを感情的に惹きつけた後、最後に論理的なメリットを紹介することで、購入を後押ししていることが分かります。
「春の蕾パンツ」という一つの商品のLPですが、着用中のトップスや靴などのアイテムも一緒に購入できるので店舗でいう「マネキン買い」のようなこともできます。Web上でありながらもコーディネートの楽しさを体感できる、UX(*)の良いLPです。
*UX(ユーザーエクスペリエンス):商品やサービスを通してユーザーが得られる体験・経験のこと。
FABRIC TOKYO – オーダーメイドシャツ
オーダースーツやオーダーシャツのオンライン販売を展開している、FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)の「オーダーメイドシャツ」LPをご紹介します。
ファーストビューでは、「サヨナラ だらしない ワイシャツ姿」のキャッチコピーと、シャツを着用したモデルの画像で目を引きます。
つづく「あなたは大丈夫?こんなワイシャツ姿はだらしない」のコンテンツで、ユーザーの共感を得た後に、商品を購入すると解決できる旨を説明していく流れとなっています。
CTAボタンは、「LINEで体型診断」と「来店予約」の2種類あり、ユーザーの導入意欲の段階に応じてコンバージョン地点を分けています。
既製品のワイシャツとオーダーシャツの画像比較を行ったり、強調したい部分のフォントサイズを大きくしたりするなど、じっくり文章を読み込まなくても概要が理解できる工夫も参考になるLPです。
freeasy – インナー
トータルスキンヘルスブランド「Phiten(ファイテン )」から販売されている、インナーシリーズの「freeasy(フリージー)」のLPです。
天然素材のオーガニックコットンを使用した同商品の特性を表現するかのように、LP全体で、やわらかな伸縮性やあたたかさを印象付けるやさしい配色が用いられています。
LPの構成は、商品コンセプト・こだわりポイント・サイズ表とつづき、購入ボタンは「オフィシャルサイト」と「楽天市場」の2種類設置されています。
下にスクロールすると、室内で一緒に使用できる植物由来の消臭スプレーや天然アロマボールなど「ついで買い」も促しており、クロスセルのヒントも得られるLPです。
J!NS – JINS PROTECT
日本のアイウェアブランド「JINS(ジンズ)」の商品である、「JINS PROTECT」の特設LPです。
公式ECサイト内の商品ページをLPのように仕上げている点が特徴的です。
「花粉を卒業するメガネ。」のキャッチコピーで、花粉・飛沫・乾燥に悩むユーザーに、メガネで花粉対策ができることを提起しています。
実際の商品の効果については、「機能検証動画」「花粉・飛沫カット率比較表」「実験監修医」などのデータで示し、ユーザーからの信用を高めています。
全体としてテキスト量は少なく、画像やイラストで分かりやすく表現しているLPの一つです。
MISCHF – スーパーノーマル2
米・ブルックリンを拠点に活動するアート集団「MSCHF(ミスチーフ)」が公開した、「スーパーノーマル2」というスニーカーのLPです。
ファーストビューには、商品がクルクル回る3Dアニメーションと商品名のみが掲載されています。
テキストでの説明は一切ないものの、アウトソールやサイドからの見た目、靴ひものデザインなど、高解像度の画像でディティールを確認できます。
画面下部の固定バーで、サイズや数量を選択し、「BUY NOW」から購入画面へ遷移する仕組みです。
テキストを一切使わない手法は極端な例かもしれませんが、「インターネット界のバンクシー」とも呼ばれる同集団ならではのオリジナリティのあるLPといえます。
特定のファン層のみにターゲットを絞り、希少性や限定性を高めてブランディングを行っている商品・サービスのLPデザインとして、ヒントになるのではないでしょうか。
アパレル・ファッション系のLPデザインまとめサイト
多様なLPデザインを見ることで、デザインイメージを膨らますことができます。
アパレル・ファッション系のLPデザインを豊富に集めているまとめサイトを紹介するので、役立ててみてください。
LPアーカイブ「アパレル」
クオリティが高く見やすいLPを集めているLPアーカイブでは、2023年2月時点で「アパレル」のLPデザインを60件掲載していました。
毎日10ページ以上のデザインが追加される同サイトでは、アパレル・ファッション系のLPも豊富で、特に「ファッション」は次のカテゴリー別検索もできます。
- 日傘・雨傘・レインコート
- キッズファッション
- ジュエリー・アクセサリー
- 制服・作業着
- 下着・ナイトウェア
- レディースファッション
- メンズファッション
- 腕時計
- 眼鏡・サングラス
- 靴・シューズ
自社で取り扱っている商品と近いカテゴリーで絞り込みすると、効率的にLPデザインを探せるためおすすめです。
WebDesignClip「ファッション・アクセサリー」
LP制作の参考になるWebデザインを集めたWebDesignClipでは、2023年2月時点で、「ファッション・アクセサリー」関連のLPデザインが101件掲載されていました。
縦長のサムネイルなので、LPのファーストビューから中盤までをひと目で確認でき、LPのレイアウトや配色などの雰囲気が掴みやすいはずです。
衣類・バッグ・時計・マタニティウェアなどの小売商品のほか、ファッションイベントのキャンペーン用LPなど多彩なLPを集めています。
アパレル・ファッション系の中でも、「おしゃれ」「個性的」などのLPデザインを探している方は参考にしやすいでしょう。
LP幹事「ファッション・アパレル業界」
業界別のLPデザインを集めているLP幹事では、2023年2月時点で、「ファッション・アパレル業界」のLPデザインを20件公開しています。
デザイン総数は他より少ないものの、着物・ネクタイ・水着など、他では取り上げられていないカテゴリーのLPも探せて便利です。
業界検索以外にも、カラー検索・イメージ検索もできるので、LPの配色や雰囲気が決まっている方は利用してみてはいかがでしょうか。
LPアドバンス「ファッション」
LP制作者向けのデザインリンク集であるLPアドバンスでは、2023年2月時点で「ファッション」のLPデザイン16件を公開しています。
アパレル・ファッション系の中でも、宝石・指輪・スーツ・和服など、取り扱うカテゴリーが多岐に渡ります。
サムネイルをクリックすると、LPの全体キャプチャとキャッチコピーを確認できるため、具体的なLPデザインの策定時に役立ちそうです。
まとめ
販売促進や広告の受け皿として用いられるアパレル・ファッション系のLPは、広告などで興味をもったユーザーの離脱を防ぎ、購入まで導くLPを目指して制作することがポイントです。
なお、アパレル・ファッション業界は競合も多いため、他社との差異化や返品率を抑える工夫も求められます。
アパレルやファッションに関するLP制作に強い制作会社を探している方は、クロスバズの“バズLP”をご活用ください。
市場調査やマーケティング戦略をもとに、売れるLPをご提案します。ご相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。