コンテンツマーケティング

旅行業界でオウンドメディアを成功させるポイントは?導入事例も紹介

X編集部
2024.05.27 10:00
旅行業界でオウンドメディアを成功させるポイントは?導入事例も紹介

スマートフォンやSNSの普及により、旅行業界の顧客は以前よりも旅行に関する情報を簡単に取得できるようになりました。旅行会社が競合他社との差別化を図るためには、インターネットを活用したデジタルマーケティングの活用が必須です。

今回は旅行会社におすすめのデジタルマーケティングの手法として、オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングを紹介します。成功させるポイントや導入事例を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

旅行業界でオウンドメディアを運用する重要性

旅行業界でオウンドメディアを運用する重要性

はじめに、旅行業界でオウンドメディアを運用する重要性を理解しましょう。

ここでは、オウンドメディアを通じて実現できることや、旅行会社がオウンドメディアを運用するメリットについて解説します。

オウンドメディアでは何ができる?

オウンドメディアで実現できることは、主に以下の3つです。

  • 購買意欲の高い見込み顧客を集客できる
  • 潜在顧客にアプローチできる
  • 自社のブランディングが実現できる

一般的な公式サイトとは違い、オウンドメディアはブログやコラムなどの記事コンテンツを通じて情報を発信するWeb媒体です。自社商品やサービスに興味を持つ「見込み顧客」に向けて有益な情報を発信することで、検索エンジンを通じて購買意欲の高い顧客を直接集客できます。

オウンドメディアは発信できる情報の自由度が高いので、自社の商品やサービスを知らない「潜在顧客」へのアプローチも可能です。一度潜在顧客と接点が作り出せれば、購買決定までに必要な情報を継続的に提供することで見込み顧客へと育成できます。このように幅広い顧客層に対して集客効果が期待できるのが、オウンドメディアの大きな特徴です。

また、記事コンテンツを通じて顧客とコミュニケーションを取ることで、自社のブランディングが実現できます。旅行会社に対して顧客が求めるのは「安心」や「信頼」なので、顧客の抱える悩みや課題を的確に解決して「顧客から選ばれる」旅行会社を目指しましょう。

旅行会社がオウンドメディアを運用するメリット

旅行会社がオウンドメディアを運用する最大のメリットは「旅行に行きたい」という顧客のニーズを喚起できることです。

旅行業界がターゲットとすべき顧客の中には「日々の疲れを癒したい」「日常を抜け出して刺激的な体験がしたい」など、旅行に対して潜在的なニーズを持つ顧客が数多く存在します。

観光地の魅力的な情報や素晴らしい風景の写真などは、顧客のニーズを顕在化させるきっかけとなるでしょう。オウンドメディアでは多彩な記事コンテンツを発信できるので、潜在顧客の心を動かすアプローチが得意です。

行き先ややりたいことが決まっている顧客の集客は、競争率が高く簡単ではありません。特に知名度に自信がない旅行会社が大手の旅行会社と戦うには、少し分が悪い領域と言えます。そのためオウンドメディアを活用した潜在顧客の獲得は、中小規模の旅行会社が集客競争に生き残るための有効な手段としてもおすすめです。

旅行会社のオウンドメディア運用で重要な2つの考え方

旅行会社のオウンドメディア運用で重要な2つの考え方

旅行会社がオウンドメディアを運用する際、重要となる考え方は以下の2つです。

  • 読者にとって価値ある内容を発信する
  • 写真や画像・フォントなどの「見た目」にこだわる

それぞれの考え方について、詳しく解説します。

読者にとって価値ある内容を発信する

オウンドメディア運用において大切なのは、読者にとって価値ある内容を発信することです。自社の伝えたいことばかりを発信しても、顧客のニーズにそぐわなければ興味を持ってもらえず、期待する集客効果は見込めません

例えば沖縄のパッケージツアーを販売したい場合を想定しましょう。ターゲットとなるのは「沖縄旅行に行きたいと考える方」です。自社のパッケージツアーの詳細やメリットを伝えたいところですが、具体的な検討段階に至らない顧客が相手だと、積極的な営業は煙たがられる可能性があります。

そのため、まずは沖縄の穴場スポットやおすすめのアクティビティ・グルメ情報などを発信し、顧客のニーズを喚起することから始めましょう。沖縄旅行に最適のシーズンや、飛行機代が安くなる時期などの紹介もおすすめです。記事内に自社パッケージへのリンクを張っておけば、興味を持った顧客が詳細を見に来てくれるケースもあります。

写真や画像・フォントなどの「見た目」にこだわる

旅行業界のオウンドメディア運用は、他の業界よりも見た目にこだわる必要があります。顧客の旅行ニーズを喚起するためには、コンテンツを読んでいて「楽しい」という印象を与えることが重要です。

伝えたい情報が多いと、どうしても文字数ばかりが多くなります。しかし文字数が多すぎるコンテンツは顧客に読みづらさを感じさせ、ページから離脱される原因となるでしょう。

写真や画像をバランス良く使用し、フォントなどの文字装飾にもこだわることで、顧客が読みやすいコンテンツを作成できます。楽しみながら読めるコンテンツの作成を意識し、旅行業界の顧客に合わせた「ユーザーファースト」を実践しましょう

成功事例に学ぼう!旅行業界のオウンドメディア6選!

ここからは、旅行業界で運用されているオウンドメディアを6つに厳選して紹介します。

それぞれのメディアの参考にすべきポイントまで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

JTB「日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)」

JTB「日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)」
引用元:日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)

JTBが運営する「日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)」は、日本全国の絶景スポットの情報を写真付きで紹介するオウンドメディアです。

このオウンドメディアの特徴は、顧客に感動を与えることで旅行ニーズを喚起している点です。一般的なオウンドメディア運用では、顧客にとって有益な情報を発信することで悩みや課題を解決し、コンバージョンへと結びつけます。しかしJTBのオウンドメディアは、写真と少しの文章の力だけで顧客の心を動かし、旅行ニーズを喚起させることに成功しています。

また、各絶景スポットの写真のすぐ下に「この絶景スポットへ行く宿泊・ツアーを探す」というリンクを設置しており、コンバージョンへと繋げる導線設計も万全です。

JTBの「日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)」は、顧客の視覚に訴えかける重要性を示したオウンドメディアの成功事例と言えるでしょう。

参考:日本の絶景 JTB感動の瞬間(とき)

HIS「国内観光情報マガジン catchy.」

「国内観光情報マガジン catchy.」は、大手旅行会社HISが運営する国内観光をテーマにしたオウンドメディアです。

catchy.では、日本全国の観光スポットに関連するお役立ち情報を提供しています。例えば各都道府県別のおすすめ観光スポットの紹介や、女子旅におすすめの京都のホテルの特集など、幅広いテーマのコンテンツで顧客のニーズを網羅している点が特徴です。

都道府県や地域別にカテゴリが整理されており、オウンドメディアを訪れた顧客が自身の希望に合わせてコンテンツを探しやすい設計となっています。ユーザーファーストを意識したサイト設計も、オウンドメディア引用において参考とすべきポイントです。

参考:国内観光情報マガジン【catchy.】

旅工房「旅Pocket」

総合旅行代理店である旅工房の「旅Pocket」は、旅行好きの女性をターゲットに運営するオウンドメディアです。国内外の観光スポットやフード情報を幅広く紹介し、多くの検索流入を集めています。

旅Pocketの参考とすべきポイントは、社会情勢に柔軟に対応したマーケティング戦略です。かつて旅Pocketでは海外旅行に行きたい顧客をメインターゲットに設定しており、発信するコンテンツも海外の観光地に関連する情報に限定していました。

しかし、コロナ禍の影響を受けて海外旅行のニーズは大幅に減少し、旅Pocketの閲覧数も激減するという深刻な事態に見舞われました。こうした状況を受けて、旅工房は国内旅行のツアー企画をスタートし、旅Pocketで発信する内容も国内の観光地に関連した情報にシフトしました。その結果、旅Pocketの閲覧数は急激に回復し、現在も著しく成長を続けています。

参考: 旅工房 旅Pocket

JR東日本びゅうツーリズム&セールス「びゅうたび」

JR東日本びゅうツーリズム&セールスが運営するオウンドメディア「びゅうたび」では、ライターが実際に旅に出かけた様子をコンテンツを通じて発信しています。

びゅうたびで発信されるライターのレポートの内容は、観光地の紹介などのスポット的な情報だけでなく、移動手段や食事場所・宿泊地など「旅の一連の流れ」です。これにより、読み手の顧客に対してまるで一緒に旅をしたかのような感覚を与え、旅行のニーズを喚起させることに成功しています。

旅行のイメージをより具体化し、ニーズの顕在化へと繋げるびゅうたびのコンテンツ設計は、これからオウンドメディアを運用する旅行会社にとって非常に参考となる好事例です。

参考:自分らしい列車旅と出会う びゅうたび

読売旅行「たびよみ」

読売旅行の「たびよみ」は、旅行の魅力をレポート風に発信するオウンドメディアです。

たびよみの各コンテンツでは、旅行先で見える光景をたくさんの写真で顧客に伝えています。画面をスクロールしても必ず写真がどこかに映っており、文字ばかりにならないようバランスを意識したコンテンツ設計が特徴です。これにより、顧客は旅行の様子を鮮明に追体験できます。

また、多様なテーマで旅行の特集を組んでいる点もたびよみの魅力です。例えば、たびよみには「日本刀」「サウナ」「鉄印帳」などのニッチなジャンルの特集記事が数多く掲載されています。観光地ごとに顧客のニーズを網羅するだけでなく、趣味をテーマにそれぞれのファンをターゲティングしている点も、たびよみの参考にすべきポイントです。

参考: たびよみ|知るほど旅は楽しくなる。国内、海外のスポットを再発見

星野リゾート「旅の効能」

星野リゾートが運営する「旅の効能」は、他の旅行会社のオウンドメディアとは一風変わった特徴を持ちます。

旅の効能の内容は、主に星野リゾートの代表を務める星野佳路氏が、毎回ゲストを招いて旅についての雑談を交わし、タイトルのとおり「旅の効能」を探るというものです。ゲストの職業に法則性はなく、テレビタレントから民間企業の社長・アーティストなどさまざまな肩書きの方が出演します。

このオウンドメディアでは、さまざまな方の旅に抱く「想い」を知ることで、旅の本質について気付きが得られます。同時に旅の魅力を再確認し「旅行に行きたい」というニーズを喚起させるきっかけにもなるでしょう。

他とは違った切り口から旅行のニーズを喚起する星野リゾートの「旅の効能」は、旅行業界において参考にすべきオウンドメディアの導入事例です。

参考: 旅の効能 星野リゾート

大手旅行会社のオウンドメディアに負けないための運用方法

大手旅行会社のオウンドメディアに負けないための運用方法

ここまで紹介したように、大手旅行会社のオウンドメディアは既にコンテンツが充実しています。似たようなコンテンツばかり作成しても、集客競争で優位に立つことは難しいでしょう。

大手旅行会社に負けないオウンドメディアを運用するためには、自社の強みや専門性を活かして差別化を図ることが重要です。ライバルよりも価値の高い情報を発信できる分野で勝負すれば、顧客と検索エンジンの両方に評価されるオウンドメディアを構築できます。

例えば地域特化型の旅行会社がオウンドメディアで情報を発信する際には「狭く・深く」を意識したコンテンツを作成することで大手との差別化が図れます。極端な例ですが、大手旅行会社が「〇〇県のおすすめ観光スポットを紹介」というコンテンツを発信していたら、「〇〇県〇〇市の穴場スポットを紹介」といったコンテンツを作成することで、特定のユーザーの集客競争において優位に立てます。

このように、オウンドメディア運用において「勝てる領域を見つける」ことは非常に重要です。これからオウンドメディアを立ち上げる企業の担当者は、ぜひ意識して取り組んでください。

旅行会社のオウンドメディア運用における記事コンテンツのアイデア

旅行会社のオウンドメディア運用における記事コンテンツのアイデア

ここからは、旅行会社のオウンドメディア運用における記事コンテンツのアイデアとして、以下の4つを紹介します。

  • 旅行にまつわるお役立ち情報
  • 観光地のローカル情報や過ごし方
  • グルメ情報・アクティビティ
  • 割引情報

コンテンツ作成のアイデア出しの際には、ぜひ参考にしてください。

旅行にまつわるお役立ち情報

旅行にまつわるお役立ち情報のコンテンツは、幅広い顧客にアプローチできます。ニッチなトピックで検索結果の上位表示を狙いたい場合には、特におすすめの記事コンテンツのアイデアです。

例えば、北海道旅行に関連するお役立ち情報をイメージしてみましょう。北海道は「寒い」というイメージを持つ方が多いので、シーズンごとに北海道の気温や寒さのレベルを紹介するコンテンツが候補として挙げられます。

ニッチなトピックを狙う場合は、そこから更に顧客のニーズを深掘りしましょう。北海道の寒さが気になる方には「おすすめの服装の紹介」や「旅行先で使えるおすすめの防寒グッズ」などのコンテンツを作成することで、興味を引き付けられる可能性があります。

このように、旅行にまつわるお役立ち情報はアイデア次第で効果的に顧客を集客できます。潜在顧客が検索しやすいジャンルでもあるので、積極的に取り組んでみてください。

観光地のローカル情報やおすすめの過ごし方

観光地のローカル情報やおすすめの過ごし方を解説するコンテンツは、ある程度旅行先が決まっている「見込み顧客」の集客に有効です。行き先が決まった顧客は目的地での具体的な行動を検討するので、価値の高いローカル情報を提供することでニーズを満たし、予約などの具体的なアクションを後押しできます。

観光地のローカル情報を発信する際には、できるだけ詳しい情報の発信を意識しましょう。情報の密度が高いほど、顧客に「その地域のことを知り尽くしている」という印象を与え、集客において有利となります。

顧客が興味を持ちやすいローカル情報として、グルメやアクティビティ関連の情報が挙げられます。この2つを旅行の目的として掲げる顧客も多いので、ローカル情報を中心にコンテンツを作成する際には積極的に取り入れましょう。

割引情報

割引情報の発信は、顧客の潜在的な旅行ニーズを引き出すための有効な手段です。

経済的な事情から、旅行に行きたくても我慢する顧客は少なくありません。このような顧客に割引情報を発信し「お得感」を与えることで、眠っていた旅行ニーズを喚起できる可能性があります。

自社のパッケージやツアー商品とも結び付けやすいので、直接的なコンバージョンの増加にも効果が期待できるでしょう。料金設定に自信を持つ旅行会社には、特におすすめできる記事コンテンツのアイデアです。

まとめ

今回は、旅行業界でオウンドメディア運用を成功させるポイントや導入事例・記事コンテンツを作成する際のアイデアなどを解説しました

旅行業界のオウンドメディアでは、顧客の旅行ニーズをいかに喚起できるかが重要です。本記事で解説した内容を参考に、顧客の心を動かすオウンドメディアの運用を目指しましょう。

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