クロスバズのbecoです。Web問い合わせが増え、電話での問い合わせは年々減ってきています。ただ、BtoB商材や医療、年齢が高めの方が対象の商材など、まだ電話問い合わせが主流のサービスもあります。
しかし、電話問い合わせを広告の目標にすると、広告管理画面の電話コンバージョン(CV)数が、実際の受電数より多くなるケースが散見されます。
この記事では、その原因を整理したうえで、電話CVの計測精度を高める7つの対策を、導入しやすい順に紹介します。
この記事で紹介する7つの対策
- 10秒タップ:誤タップや、すぐ離脱した電話タップを減らす
- 20〜30秒タップ:待ち時間を延ばして、発信した可能性が高いタップに絞る
- スクロール・滞在時間の条件追加:内容を見たユーザーの電話タップに絞る
- Google転送番号:Google広告経由の通話時間まで計測する
- ポップアップ確認:誤タップそのものを減らす
- コールトラッキング:広告・キーワード別に、実際の通話を計測する
- CRM連携:成約データを広告の学習に活用する
目次
電話CVの過剰計測とは
電話CVの過剰計測とは、管理画面上の電話CV数が、実際の受電数や有効な問い合わせ数より多く計上される状態です。
CVは増えているのに、実際の電話が増えておらず、広告の効果がわかりにくいという結果になりがちです。
では、どのような原因で過剰計測されてしまうのか、よくある原因を説明していきましょう。
原因1) 計測方法によるずれ:電話タップは通話ではない
では、なぜ過剰計測が起こるのでしょう。
まず多いのが、電話CVの計測方法そのものによるずれです。
電話CVはどのように計測されているのか
通常、Web広告の問い合わせでは、どの広告を経由したかという情報も一緒に伝えています。ページのURLの後ろにパラメータという情報をつけたり、広告クリック時の情報を保持したりする方法です。
フォームであれば、送信時にこの情報と問い合わせ内容を紐付けられます。一方、電話の場合は、LPに設定したリンクやボタンを押すとスマートフォンの電話アプリに切り替わり、通話そのものはWebページの外で行われます。そのため、通常の方法では、その後の発信や通話が実際ができたかまでは計測できません。
実際の通話を計測する方法もあります。Google広告では、広告から直接かかる通話を、電話番号アセットで計測できます。Webサイトに掲載した番号への通話は、Google広告専用転送電話番号で計測できます。ほかに、コールトラッキングなどの有料サービスもあります。
ただ、運用面や費用面のハードルが高いため、電話では、LPの電話番号ボタンをタップした時点をCVにする方法が多く使われています。これが、telリンクのクリック計測です。このtelリンクのクリック(電話タップ)をCVにする方法が、誤計測や過剰計測を招きやすい原因です。
telリンクのクリック(電話タップ)ではなぜ正しいCVが計測できないのか
電話ボタン(telリンク)のクリック(電話タップ)をCVにする場合、電話ボタンがタップされた時点を計測します。
この方法で計測しているのは、電話をかけた回数ではなく、ボタンをタップした回数です。そのため、次のようなケースも、設定によってはCVとして数えられます。
- スクロール中にボタンを触ってしまった
- 電話番号を確認しただけで戻った
- 電話アプリを開いたが、発信せずに閉じた
また、PCでは電話ボタンをクリックしても、スマートフォンのように電話アプリから発信されることが少なくなります。そのため、PCの電話クリックは計測しないケースもあります。
つまり、電話タップをCVにしている場合は、「電話ボタンをタップした」という行動を計測していることになります。
そのため、電話CVは、実際の通話や有効な問い合わせとは乖離しやすくなります。
Google広告のヘルプにも、電話番号クリックで計測できるのは、通話ではなくクリックのみと書かれています。
参考:Google 広告ヘルプ「通話コンバージョン トラッキングについて」
原因2) 流入・配信面によるずれ
さらに、広告の配信方法によっても、電話CVが過剰に計測されるケースがあります。
PMAXの一部やデマンド広告、ディスプレイ広告などのバナー系の広告は、スマホアプリ内やゲームアプリ内にも出稿されます。自分で検索して来る人に比べて意図の弱い流入が増えます。配信面によっては、誤タップや興味本位のクリックも増えるケースがあります。
また、人の誤タップだけでなく、Botや無効トラフィックによる、本来のユーザー行動とは異なるアクセスもあります。
見落としやすい原因:Botや無効トラフィック
Botとは、人ではなくプログラムによる自動アクセスのことです。検索エンジンの情報収集やセキュリティ対策など、正当な目的で動作するBotもあります。一方で、不正業者や攻撃者などが意図的にアクセスするケースもあります。
Botなどの自動アクセスや不正なトラフィックは、Google広告などの媒体側でも、無効なクリックとして検知・除外する仕組みがあります。ただし、媒体側で除外されるものと、Webサイト側の計測に記録されるものは、必ずしも同じではありません。そのため、数があまりに合わない場合は、そうしたアクセスが混じっている可能性があります。
次のような特徴が複数重なっている場合は、Botなどの不自然なアクセスを調査するきっかけになります。ただし、これらの特徴だけでBotと断定することはできません。アクセスログやユーザーの行動など、複数の指標を組み合わせて確認します。
- スクロールやクリック、タッチ操作などのユーザー操作がほとんど記録されていない
- 滞在時間が極端に短いなど、通常とは異なる行動パターンが見られる
- 同じIPアドレスから大量のアクセスがある
- フォーム内容が不自然である
- 特定のプレースメントやアプリから大量のCVが発生している
- GA4のエンゲージメント率や滞在状況に不自然な傾向があり、営業確認でも無効な問い合わせが多い
こうした調査を進めつつ、クリック後の時間判定やスクロール、ポップアップ確認などを組み合わせて「実際のユーザーによる操作である可能性を高める」条件をCVに加えることが対策としておすすめです。
ただし、条件を重ねすぎると本来のCVまで計測できなくなるので、実際のCVデータを確認しながら少しずつ調整します。
電話タップの先にある段階:各対策はどこまで測れるのか
電話が有効な問い合わせになるまでには、「電話タップ → 発信操作 → 着信 → 有効問い合わせ」という段階があります。電話タップだけを測る方法もあれば、通話や成約まで測る方法もあります。各対策が、どの段階を測れるのかを整理しました。
| 方法 | 電話タップ | → 発信操作 | → 着信(通話) | → 有効問い合わせ |
|---|---|---|---|---|
| 電話タップそのまま | ● | - | - | - |
| 10秒・20〜30秒タップ | ● | △ (戻らなかったことから推定) | - | - |
| 滞在時間・スクロール条件 | ● (条件付き) | - | - | - |
| ポップアップ確認 | ● | ● (「かける」を押した) | - | - |
| Google転送番号 | - | - | ● (通話時間) | △ (通話時間で絞る) |
| コールトラッキング | - | - | ● (通話時間・応答) | △ (録音や通話内容で判断) |
| CRM連携 | - | - | △ (連携した場合) | ● (商談・成約) |
●:測定できる △:推定、または一部のみ -:測定できない
電話CVの過剰計測による弊害
このように電話タップを計測するCVでは、実際の受電や有効な問い合わせと正確に一致させにくい場合があります。
では、「数が正しく計測できていない」ことが運用上どのような問題になるでしょうか。
費用対効果がわかりにくい
Web広告の魅力は、CVまでの導線や費用対効果が明確にわかることです。
ところが電話CVが過剰に計測されていると、管理画面の数値だけでは1件のコンバージョンにかかる単価(CPA)が下がってしまい、費用対効果が高く見えてしまうことがあります。
しかし、きちんと確認すると実際の問い合わせはほとんどなかった、ということがあります。このように、計測が正しくないと、管理画面だけでは広告の結果が見えにくくなり、広告のどこを改善すべきか分かりにくくなってしまうことがあります。
スマート自動入札の機械学習が正確に進まない
Google広告やYahoo広告のスマート自動入札は、CVデータなどを学習材料に、配信を最適化します。
電話ボタンの誤タップなど、本来の問い合わせにつながらないCVを大量に計測すると、CVデータの質が下がります。その結果、正しい機械学習が進まなくなり、本来獲得したい問い合わせにつながるユーザーへの最適化に影響します。
電話CVの過剰計測の7つの対策
では、電話CVの過剰計測や誤計測を減らすには、どうすればよいでしょうか。先に書いたように、電話CVは計測の仕組み上、ツールを使わないと正確に計測するのは難しいのが現状です。
それでも、対策をするかしないかで、長く運用するほど、機械学習の面で大きな違いが出てくると思います。
シンプルな対策からツールの利用による対策も含め、順に見ていきます。
対策1)10秒タップ:誤タップや、すぐ離脱した電話タップを減らす
電話ボタンをタップしてから一定時間(目安10秒)戻ってこなければ、発信したと推定してCVとする方法です。
一般的な電話CVは、LPの電話ボタンをタップした時点で1CVとします。この計測のタイミングを10秒遅らせると、誤タップやワンタップ離脱を一定程度除外できます。そのため、電話タップCVの改善方法の一つとして利用されています。
ただし、この方法は、一定時間ページに戻らなかったことを、発信の目安として使っているだけで通話時間を測るものではありません。
10秒タップの設定方法(GTM)
少し難しく見えますが、やっていることはシンプルです。
電話番号をタップして一定時間戻ってこなければ、電話をかけた可能性が高いと判断します。そのサインを、Googleタグマネージャー(GTM)に送ります。あとは、そのサインを受け取ったときだけ、コンバージョンタグを動かします。
- Google広告の管理画面で、電話CV用のコンバージョンアクションを新しく作り、コンバージョンIDとラベルを控えておく
- GTMで、次の4つを作る
| 作るもの | 種類 | 設定のポイント |
|---|---|---|
| トリガー① | ページビュー(DOM Ready) | 電話番号を設置したLPのURLでだけ動くように、条件を指定する |
| トリガー② | カスタムイベント(correctTel) | イベント名は、コードで指定した名前(例:correctTel)と同じにする |
| タグ① | カスタムHTML | 10秒タップ用のコードを貼り付ける。トリガーはトリガー① |
| タグ② | Google広告のコンバージョントラッキング | コンバージョンIDとラベルを入力する。トリガーはトリガー② |
- 10秒タップ用のコードを、カスタムHTMLタグに貼り付ける(コードは開発担当者などに用意してもらう)
- 公開前に、プレビューモードなどで次の点を確認する
- 電話番号をタップして、指定した秒数のあとにタグが発火すること
- 発信画面へ移ったときの動き
- 途中でページを閉じたときの動き
- 発信画面から戻ってきたときの動き(途中で戻ると発火しないこと)
- 端末やブラウザ(iPhone・Android、Safari・Chromeなど)による違い
環境によっては、コードが想定どおりに動かないこともあります。「指定した秒数後に必ず発火する」と決めつけず、実際の端末で確認しましょう。
なお、10秒タップが見ているのは、「10秒間戻ってこなかった」ことだけです。実際に発信できたか、通話が成立したか、保留中だったか、留守番電話だったかまでは判断できません。
それでも、単純な電話タップよりは、誤タップやワンタップでの離脱を除外する方法として活用できます。
対策2)20〜30秒タップ:待ち時間を延ばして、発信した可能性が高いタップに絞る
待ち時間を20〜30秒まで伸ばすのが20〜30秒タップです。考え方は10秒タップと同じで、待ち時間は通話時間ではなく、ページに戻らなかった時間です。より長く戻らなかった電話タップだけをCVにします。
ただし伸ばしすぎると、通話が短く済んで早めに画面へ戻った、有効な問い合わせまで除外してしまうケースもあります。
また、これまで過剰計測のCVで機械学習をしていた場合は、CV数が少なくなり、機械学習に使えるデータが不足しがちです。その場合は、CV数とCVの質のバランスを見ながら、時間設定を決めるのが無難です。
10秒タップ・20秒タップで、誤タップはかなり除外できます。ただし、Botによる過剰計測などを完全に防げるわけではありません。
20秒・30秒に変更する方法
10秒タップが設定できていれば、変更は比較的簡単です。コードの中で待ち時間を指定している数値(ミリ秒)を、10秒から20秒、30秒に変えるだけです。
何秒にするかは、業種やCV数、実際の電話の状況などを見て決めます。
| 秒数 | 向いているケース | デメリット | おすすめ業種 |
|---|---|---|---|
| 10秒 | バランスが良く、まず導入する場合 | 10秒以上戻らなかっただけの電話(つながらなかった、留守番電話など)も含まれる | 幅広い業種 |
| 20秒 | CV数より質を重視したい | 早めに戻った有効な問い合わせが除外され、学習データも少なくなる | 高単価サービス・BtoB |
| 30秒 | CV数が十分あり、より長く戻らなかったタップだけに絞りたい | 早めに戻った有効な問い合わせも除外され、CV数が大きく減る | 商談時間が長いサービス、受電数が多い企業 |
目安は、実際の受電記録とCV数を確認し、広告の最適化に必要なデータ量を確保できる範囲で設定することです。原因が複数ある分、対策も一つに絞らず、状況にあわせて組み合わせることが大切です。
対策3)スクロール・滞在時間の条件追加:内容を見たユーザーの電話タップに絞る
電話タップに、LPの滞在時間やスクロール率を掛け合わせる方法もあります。「一定時間見た人」「一定割合スクロールした人」だけをCVにすることで、内容を確認したうえでの問い合わせに近づけられます。
条件を増やせば計測条件は厳しくなりますが、実装はその分複雑になります。
スクロール・滞在時間の設定方法(GTM)
GTMには、次の2つのトリガーがあります。
- 「スクロール距離」トリガー:ページの縦方向◯%までスクロールしたら動く
- 「タイマー」トリガー:◯秒たったら動く
これらで「条件を満たした」状態を記録しておき、電話タップのときにその状態を確認してから、コンバージョンタグを動かします。
トリガー単体では「AかつB」の条件を作りにくいため、状態を保存する変数などが必要です。10秒タップより少し難しくなります。
| 組み合わせ内容 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電話タップ+滞在時間 | LPを一定時間(例:30秒)見たあとの電話タップだけをCVにする | LPを見てすぐ電話した人が除外される |
| 電話タップ+スクロール率 | 一定割合(例:50%)スクロールしたあとの電話タップだけをCVにする | 必要な情報だけ見てすぐ電話した人が除外される |
| ハイブリッド | 滞在時間・スクロール・電話後一定時間戻らない、の条件を組み合わせる | 実装が複雑でCV数が減りやすい |
ページの途中にある特定の電話ボタンだけを計測対象にする方法もあります。追加費用をかけずに精度を上げられるので、LP経由の電話CVを改善したい場合に向いています。
条件を増やすほどCV数は減るので、1つずつ試すのがおすすめです。
対策4)Google転送番号:Google広告経由の通話時間まで計測する
Google広告には、Webサイトに掲載した電話番号への通話を計測する方法が用意されています。
これをGoogle広告専用転送電話番号(以下、Google転送番号)といいます。
電話番号をGoogleの転送番号に置き換えて計測する方法です。通話時間などを計測でき、一定時間以上の通話だけをCVとして扱う設定も可能です。
広告から直接かかってくる通話(電話番号アセット)も、同じ転送番号で計測できます。この記事で扱うのは、LPなどWebサイトに載せた電話番号への通話です。
Google広告経由の電話であれば、電話タップだけを計測する方法よりも実際の通話に近いデータを取得できます。
一方で、電話番号がGoogleの指定した番号に置き換わるため、既存の電話番号をそのまま利用したい企業では注意が必要です。特に、既存の電話番号を変更できないフランチャイズ企業や、他媒体の電話もまとめて計測したい場合は、別の方法を検討しましょう。
また、転送の際に電話番号が変わることで、不安を感じるユーザーもいます。
以前は、転送される際に英語のアナウンスが入ることがあり、切り替えのタイミングで不審に感じて切ってしまうお客様がいると伺いました。現在は英語アナウンスはなくなっているかもしれませんが、設定後に、お客様が違和感なく問い合わせできるか、実際に架電し試していただくことをおすすめします。
Google転送番号の設定の流れ
設定はGoogle広告の管理画面から行います。大まかな流れは次のとおりです。
- 管理画面で、ウェブサイトに掲載された電話番号への通話のコンバージョンを新しく作る
- 何秒以上の通話をCVにするか(例:60秒以上)を決める
- 発行されたタグをLPに設置し、ページ上の電話番号がGoogleの転送番号に切り替わるようにする
- アカウント設定で、通話レポートをオンにする
向いているのは、Google広告からの電話が多く、電話番号を置き換えられるケースです。「電話タップ」ではなく「実際の通話」を重視したい場合にも向いています。
注意点として、Google転送番号は、Google広告経由の電話を計測する仕組みです。他媒体からの電話をまとめて計測する用途には向いていません。
Google 広告の公式ヘルプ「ウェブサイトからの通話をコンバージョンとしてトラッキングする」
設定手順や提供条件は変更されることがあります。導入するときは、最新の公式ヘルプを確認してください。
なお、日本では、通話コンバージョンのデータのインポートはサポートされていません。対象は、Google広告専用転送電話番号を使った通話コンバージョンです(2026年9月25日時点のGoogle広告ヘルプの記載)。
CRMの成約データを取り込む方法(7)とは、分けて考えてください。
参考:Google 広告ヘルプ「通話コンバージョンのデータをインポートする」
対策5)ポップアップ確認:誤タップそのものを減らす
ポップアップ確認は、電話ボタンをタップした際にすぐ発信せず、「電話をかけますか?」という確認画面を挟む方法です。
「かける」を押したタイミングでCVを計測するので、誤タップの多くをそもそも防げます。
流入経路を問わず同じ基準を適用できるのは利点ですが、LP側の改修が必要です。
また、電話をすぐにかけたいユーザーからみると、ワンステップ増えるため、離脱も考慮する必要があります。
ポップアップの作り方
LP側の改修が必要なので、実際の作業は制作担当者に依頼するのが確実です。流れは次のとおりです。
- 電話ボタンの動きを変える:タップしてもすぐには発信せず、確認を出すようにします
- 手軽なのは、ブラウザ標準の確認ダイアログを使う方法です。数行のJavaScriptで表示できます
- デザインを整えたい場合は、LPのモーダル機能や自作のポップアップを使います
- 「かける」を押したときだけ、発信とイベント送信を行う:「キャンセル」なら何もしません
- GTMでイベントを受け取る:10秒タップと同じ、カスタムイベントのトリガーとコンバージョンタグを使います
- プレビューで確認する:「かける」で発火し、「キャンセル」では発火しないことを確認します
ここまで説明した1)〜5)の方法は、CV計測自体に大きな費用をかけずに設定できます。ただし、当社の運用経験では、過剰計測の軽減・精度の改善はしますが、これらの方法だけで過剰計測を全て制御するのは難しいのが現状です。
より高い精度で電話CVを計測したい場合は、コールトラッキングやCRMの活用を検討するのがおすすめです。この後、順に紹介します。
対策6)コールトラッキング:広告・キーワード別に、実際の通話を計測する
専用の電話番号と転送機能で、通話時間・応答有無・通話録音・流入情報などを取得するのがコールトラッキングです。パラメータなどの流入情報に応じて、LPの電話番号を動的に切り替え、その番号への着信をCVとして計測します。
コールトラッキングを活用すると、「問い合わせにつながった広告」と「成約につながった広告」を切り分けられるようになります。タップ数だけでは見えなかった問い合わせの質も分析できます。
月額費用と初期設定の手間は発生します。ただ、電話タップだけを計測する方法と比べて、実際の通話状況を踏まえた分析がしやすくなります。
コールトラッキングのメリット・デメリットとツールの例
コールトラッキングを活用すれば様々な媒体の電話の流入が計測可能です。サービスによっては、電話が「どの広告・キーワード・媒体から来たか」などを分析できます。
- メリット:Google広告以外(Yahoo、Meta、自然検索など)の電話も計測できる。録音や通話内容の分析で、問い合わせの質の改善にも使える
- デメリット:月額費用がかかる。番号設定・タグ設置・広告連携などの初期設定が必要。既存番号の変更や転送設定が必要になることがあり、電話環境によっては導入できない
代表的なツールは次の3つです(2026年9月25日時点の各社公式サイトの記載)。
| ツール(提供会社) | 価格帯 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Callノート(TISI株式会社) | 公式サイトに記載なし(要問い合わせ) | 大規模向けの高機能な計測 | 大企業・広告代理店 |
| Call Data Bank(ログラフ) | 料金シミュレーションあり(要問い合わせ) | 電話分析・広告分析 | 中小企業・広告運用 |
| コールトラッカー(コムスクエア) | 基本プラン月額15,000円(100番号まで) | 電話業務の機能が豊富 | コールセンター運営企業 |
価格は変わることがあります。公式サイトに記載のないものは、各社へ直接ご確認ください。
対策7)CRM連携:成約データを広告の学習に活用する
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報や営業活動を一元管理する仕組みです。顧客との関係を継続的に管理・活用するために使います。問い合わせから商談、成約まで一元管理することができます。主な機能は以下です。
- 顧客管理:氏名、会社、連絡先、属性などを一元管理
- 接点管理:電話・メール・商談・問い合わせなどの履歴を記録
- 案件管理:商談の進捗、担当者、金額、受注確度などを管理
- 営業管理:営業担当者ごとの案件や活動状況を把握
- フォロー管理:「いつ誰に連絡するか」を管理・通知
- マーケティング:顧客属性や行動に応じたメール配信・アプローチ
- 分析:問い合わせから成約までの状況や顧客データを分析
- 情報共有:顧客に関する情報を社内で共有
様々な機能がついているため、導入・運用のハードルも一番高くなります。
オフラインコンバージョンの流れとCRMの例
広告のクリックと成約をひも付けられる場合は、CRMの成約データをGoogle広告などに返せます(管理画面に取り込む)。これにより、広告側で「電話CV数」だけでなく、「商談・成約につながったユーザー」を機械学習に利用できるようになります。
広告につなげる流れは次のようになります。
- 広告のクリックIDなどの情報を、問い合わせ情報と一緒にCRMへ保存する
- 問い合わせ後の商談・成約をCRMに記録する
- 成約データをオフラインコンバージョンなどの方法でGoogle広告に取り込む(API連携・手動・定期インポートなど)
- 広告側が、成約につながりやすいユーザーを学習できるようにする
電話の場合は、通話と広告クリックのひも付けが必要になるため、コールトラッキングと組み合わせるケースが多くなります。
なお、日本では、Google転送番号を使った通話コンバージョンのデータはインポートできません。CRMの成約データを取り込む方法とは、分けて考えてください。
また、コンバージョンの取り込みには、種類や設定によって期限などの条件があります。導入するときは、Google広告の最新の仕様を確認してください。
導入の工数や月額費用がかかり、データ量が少ないと効果が出にくい点はデメリットです。
| CRM | 価格帯の目安 | 導入難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| HubSpot CRM | 無料〜(有料プランあり) | ★★☆☆☆ | 導入しやすく、問い合わせ管理に向く |
| Salesforce Sales Cloud | プランにより異なる | ★★★★★ | 商談・受注管理まで対応する高機能型 |
| Zoho CRM | プランにより異なる | ★★★☆☆ | 低価格で基本機能がそろう、中小企業向け |
| Microsoft Dynamics 365 Sales | プランにより異なる | ★★★★☆ | Microsoft製品と連携しやすい大企業向け |
価格は変わることがあるので、導入前に各社の最新情報を直接確認してください。
電話CVの過剰計測対策、まずどれを選べばいい?
コールトラッキングやCRM連携は、正確なデータを計測できて機能的です。ただ、いきなり始めるのはかなりハードルが高くなります。
当社の運用経験では、まず「10秒タップ」や「ポップアップ確認」で誤タップを減らす順番がおすすめです。過剰計測を完全に制御することはできないですが、ただタップを計測しているよりは精度はあげることができます。
その上で、CVデータと実際の受電状況の乖離や成果に対する影響が大きい場合は、必要に応じてCRMやコールトラッキングを検討するほうが無理がありません。
- 手軽さ重視、すぐ導入したい → 10秒タップ
- 精度をもう一段上げたい → 20〜30秒タップ、スクロールなどの組み合わせ
- LPの改修可能 → ポップアップ確認
- 本格的に運用改善したい、社内体制がある → コールトラッキング、CRM連携
ここまでの7つの対策を、「何を測れるか」の観点で一覧にまとめます。
| 方法 | 測定できるもの | 減らしやすい誤計測 | 残る限界 | 実装難易度 | 料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電話タップそのまま(参考) | 電話ボタンのタップ | - | 誤タップや、番号を見ただけで戻ったケースも数える | 低 | 無料 |
| 10秒タップ | 一定時間戻らなかったタップ(発信の推定) | 誤タップ、ワンタップ離脱 | 通話成立や通話時間は分からない。Botは防げない | 中 | 無料 |
| 20〜30秒タップ | より長く戻らなかったタップ(発信の推定) | 誤タップ、ワンタップ離脱(より厳しく絞れる) | 通話時間ではない。CV数が減りやすい | 中 | 無料 |
| 滞在時間・スクロール | 内容を見たあとの電話タップ | すぐ離脱した人、誤タップ | 見てすぐ電話した人も除外される。実装がやや複雑 | 真ん中 | 無料 |
| Google転送番号 | 通話の有無と通話時間(Google広告経由) | 誤タップ、短い通話 | 他媒体は計測できない。番号の置き換えが必要 | 中〜高 | 無料※ |
| ポップアップ確認 | 「かける」を押した回数 | 誤タップ | 通話成立は分からない。離脱が増えることがある | 中〜高 | 無料※ |
| コールトラッキング | 通話時間・応答有無・録音・流入情報 | 誤タップ、応答のない発信 | 月額費用がかかる。番号変更や転送設定が必要なことがある | 高 | 有料 |
| CRM連携 | 商談・成約 | 成約に至らない問い合わせ | クリックと成約をひも付けられる場合のみ。運用の工数がかかる | 高 | 有料 |
※ツール費用が無料でも、LP改修・実装などの作業費用が発生する場合があります。
正しい計測が、効率のよい広告運用につながる
まずは、自社の受電数、有効問い合わせ率、管理画面上のCV数。この3つを定期的に確認しつつ運用していくことが重要です。
管理画面の成果がどれだけよくても、実際のお問い合わせがない状態では、広告の成果を正しく判断することができません。
さらに、正確ではないCVを広告の最適化に利用していると、広告の機械学習にも影響します。
その反面、電話をかけた数だけを厳密に取得しようとするあまり、タップを全て排除してしまうと、有効なタップ「電話をかけようと思ってかける前でやめたお客様」(マイクロコンバージョンとして機能していた)なども除外することになります。
これにより、案件によっては、機械学習に必要なCV数が不足してしまうしまうケースもあります。
一概に誤タップは不正と決めつけず、広告運用状況に合わせて、順番に対策していただく形がおすすめです。
おわりに
電話CVについては、お問い合わせをいただくことが多くあります。ただ、ツールを使う以外に、高い精度で電話を計測する方法をご紹介するのは、なかなか難しいのが現状です。
それでも、なぜ計測しにくいのか、何が原因なのか、どうすれば精度を上げていけるのかを知って、少しでも対策していくことが重要です。
これらの対策を知らずに運用していると、広告管理画面の成果が「売上」や実際の「問い合わせ」につながらないことが多くなります。運用の結果と成果が食い違ってしまうと感じることもあるかもしれません。
クロスバズでは、管理画面の成果だけでなく、最終的な売上アップを目指して運用をしています。CV計測や売上アップにつながる設定や施策に自信のない方は、ぜひご相談ください。
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