コンテンツマーケティングは、Web集客手法の中ではポピュラーなものとして定着が進んでいます。一方でコンテンツマーケティングで期待するような成果をあげることができず、運用が停滞しているというケースも見られます。
そんな時に考えたいのが、コンテンツマーケティングを実践するにあたってのゴール設定です。この記事では、コンテンツマーケティングにおけるゴールとは何か、どんな目標を設定すれば良いのかについて、具体的な施策とともに目標達成のポイントを解説します。
目次
コンテンツマーケティングにおけるゴールとは
ビジネスで一定の成果を獲得するためには、どんな目標に到達したいのかというゴール設定を正しく行わなければなりません。
これはコンテンツマーケティングにおいても同様で、ゴールの設定なしにはコンテンツマーケティングの正常な運用は難しいものです。
それでは、コンテンツマーケティングにおいてはどのようなゴールを設定するべきなのでしょうか。コンテンツマーケティングにおけるゴールとは、すなわち以下の2種類です。
- ユーザーゴール
- ビジネスゴール
この2つのゴールを達成できて初めて、コンテンツマーケティングが機能していると言えるでしょう。
ユーザーゴール
ユーザーゴールとは、コンテンツを提供するユーザーが達成する目標のことです。悩み事を解決したい、何らかのノウハウを取得したいなど、何らかの願望をを達成できるかどうかが問われます。
ユーザーゴールへの理解を深めることで、ユーザーがなぜそのコンテンツにたどり着いたか、なぜそのコンテンツに需要があるのかを検討し、質の高い施策に繋げることが可能です。
ビジネスゴール
ビジネスゴールとは、コンテンツマーケティングによって実現したい、企業の最終的なゴールです。
そもそもなぜコンテンツマーケティングを行う必要があるのか、どんな狙いを達成するためのコンテンツマーケティングなのかを考える上で重要な視点です。
コンテンツマーケティングのゴールの種類
コンテンツマーケティングのゴール設定は、ユーザーゴールとビジネスゴールの両方を検討することで、質の高いゴール設定を行えます。
また、コンテンツマーケティングにおけるビジネスゴールは多様であるため、使い方によって様々な問題に対応することもできます。ここでは、コンテンツマーケティングの最終目標にはどのような狙いが適切なのか、主なゴールを紹介します。
また、いずれのゴールもビジネスゴールの一種であると言えます。ユーザーゴールと上手く折り合いをつけながら、設定することが大切です。
認知の向上
コンテンツマーケティングは、認知獲得において非常に効果的な施策です。自社の商品に潜在的なニーズを有するユーザーに対し、コンテンツを発信することでその存在を知ってもらうことができます。
商品やサービスを購買に繋げるためには、企業や商品の名前などをまず知ってもらう必要があります。
まだリリースから間もない、あるいはまだ市場に登場していない商品を知ってもらう上では、コンテンツマーケティングの展開で認知を獲得し、ナーチャリングを進めることができます。
コンバージョンの獲得
ある程度認知のあるユーザーに対しても、コンテンツマーケティングは非常に有効です。コンテンツを通じて商品への理解を深めてもらったり、潜在ニーズを認知してもらったりすることで、問い合わせの獲得などに誘導ができます。
商談フェーズになかなか進めず悩んでいるなどの際には、コンバージョン獲得を目的としたコンテンツマーケティングに注力すると良いでしょう。
ロイヤルカスタマーの獲得
ユーザーゴールへ上手く導くことのできるコンテンツマーケティングは、ロイヤルカスタマーの獲得にも貢献できます。潜在顧客はもちろん、既存顧客にとっても魅力的なコンテンツの発信によって、顧客関係を強化し、良好な関係を結べるでしょう。
ロイヤルカスタマーは、リピーターとなってくれたり高い顧客生涯価値(LTV)を産んでくれたりと、多くのメリットを企業にもたらします。また、ロイヤルカスタマーによる口コミの情報発信も期待できるなど、さらなる新規顧客獲得を推進する上で重要です。
ロイヤルカスタマーとなってもらうためにはどんなコンテンツ発信が適切なのか、ユーザー分析を通じて検討することが求められます。
顧客教育(カスタマーエデュケーション)
顧客教育とは、自社のサービスが活躍するような課題について顧客に理解を深めてもらい、そのニーズに気づいてもらうためのアプローチです。
どんなに優れた商品でも、顧客がそれを「欲しい」と感じられなければ購買は生まれません。顧客教育は認知活動の一種であり、潜在顧客に対して商品の必要性を感じてもらえるよう教育を実施し、市場の開拓を促します。
タッチポイントの増加
コンテンツマーケティングは、とにかく多くのコンテンツを発信することが重要です。コンテンツの蓄積はSEO対策の観点から重要であるだけでなく、潜在顧客とのタッチポイントを増やすことができる取り組みでもあるからです。
10本のコンテンツしか存在しないサイトと、500本の蓄積があるサイトでは、サイトの信頼性はもちろんタッチポイントにおいても大きな差があります。コンテンツマーケティングでは質が問われるのはもちろん、量もある程度重視される取り組みのため、軽視はできません。
なぜコンテンツマーケティングでゴールを設定すべきなのか
コンテンツマーケティングはゴールを設定しなくとも実行に移すことはできますが、期待しているような成果を得ることが難しくなります。
コンテンツマーケティングでゴールを設けないことは、どのようなリスクをもたらすのでしょうか。ここではゴールを設定しないことによって懸念されるポイントを解説します。
コストパフォーマンスが低下する
コンテンツマーケティングは一般的に、他の集客施策よりも費用対効果に優れた施策として知られています。このことは正しい認識である一方、ゴールを設定しないコンテンツマーケティングは、コストパフォーマンスを低下させる原因となるため注意が必要です。
ゴールを設定せずにコンテンツの発信を進めると、コンテンツの方向感が定まらず、がむしゃらな発信活動となってしまいます。結果、期待しているような成果を得られるようになるまで必要以上に時間がかかってしまい、予算と時間を圧迫してしまうわけです。
コンテンツマーケティングのコストパフォーマンスの高さは、ゴールを設定した上で正しく実践することにより、初めて得られるものということを知っておくべきでしょう。
改善が上手く進まない
コンテンツマーケティングにゴールが欠かせないのは、改善活動を効果的に行う上で必要だからです。
コンテンツマーケティングは、ただ漠然とコンテンツを発信するだけでなく計画的な改善によって成果を徐々に高めていく必要があります。その上で求められるのがゴールの設定で、ゴール地点と現在地を比較しながら、理想に近づけていく取り組みが重要です。
一方でゴールが曖昧なままだと、何を目指して改善を行えば良いのかがわからず、テコ入れを上手く機能させることができません。改善が進まないといつまでもコンテンツマーケティングが成果をもたらすことができず、頓挫してしまうことにもなるでしょう。
ブランド力が落ちてしまう
コンテンツマーケティングは、ブランディングの強化という役割を担うこともあります。そのため、コンテンツの発信に際しては企業や商品のブランド維持・強化を前提として取り組まなければなりません。
一方、ゴール設定のないコンテンツマーケティングは、がむしゃらなアクセス数の獲得につながってしまい、ブランド力を下げてしまう恐れがあります。会社や商品と関係のないトピックを扱ったりすることで、専門性を低下させるからです。
このようなブレたマーケティング施策をあらかじめ防止する上でも、ゴール設定は非常に重要です。
コンテンツマーケティングにおけるゴール設定の手順
上述のような事態を回避するためには、ゴール設定の段階から計画的に取り組む必要があります。
コンテンツマーケティングにおいてゴール設定を正しく実施するには、以下の手順に則ることが重要です。
現状課題を整理する
ゴールを新たに設定する上では、現状の課題を正しく把握することが非常に重要です。課題の把握が正しく行えていないと、事業を成長に導くような成果を得ることはできないでしょう。
そのため、まずは自社で抱えている課題を洗い出して、どんな課題を乗り越える必要があるのか、何のためのコンテンツマーケティングなのかということを具体的にする必要があります。
課題解決につながる最終目標(ゴール)を検討する
自社の課題が明らかになったら、次はその課題を乗り越える上で有効なゴールを定めましょう。月間アクセス10倍増、フォロワー1万人獲得などの、具体性のあるゴールが望ましいでしょう。
ただ、漠然とゴールを決めるのでは有益なゴール設定にならない場合があります。ビジネスゴールとしてどのような目標設定が良いのか、ビジネスゴールを達成するためにどんなユーザーゴールを設定すれば良いのかなど、丁寧な設計を常に心がけることが大切です。
最終目標の達成を導く小ゴール(KPI)を設定する
上の段階で設定するゴールは、あくまでも最終目標です。最終目標を決めても、一朝一夕でそれを達成できるわけではないため、目標を分割して達成を確実なものとできるよう設計することが求められます。
小ゴール、いわゆるKPIの設定は、この上で効果を発揮します。例えばサイトアクセス10万PV達成のためには、月間ペースで1,000ビューずつ増やすことを小ゴールとするなど、自社の必要に応じて、工夫して設定すると良いでしょう。
また、小ゴールを設定する際にはそれぞれに期限を設けることも大切です。月末までに、一週間以内になど、状況に応じた期間設定によって、ゴール達成のモチベーションを維持します。
期間を設けた後は、それぞれの期間内でどれだけの成果を得られているか、効果測定の時間を設けます。順調にゴールを達成できている場合はそれを維持するための検討を、達成できていない場合はその原因特定を進め、目標の見直しや施策の再検討を実行しましょう。
ゴール達成に有効なコンテンツマーケティング施策
コンテンツマーケティングのアプローチは複数存在し、状況に応じた手法の選択が大切です。ここでは、以下のマーケティング施策がどのようなゴールの達成に役立つのか、解説します。
SEO
コンテンツマーケティングの代表的な手法が、SEOです。「検索エンジン最適化」とも呼ばれるこの方法は、さまざまなゴールの達成において役立つ、中核的な手法とも言えます。
商品の認知向上やコンバージョンの獲得・タッチポイントの増加など、コンテンツマーケティングで達成したい目標の多くは、SEOによって達成することが可能です。
SEOの実施においては、とにかく質の高いコンテンツを継続発信することが求められます。記事の企画から執筆までを高い水準でこなせる、制作環境を整備するところからスタートしましょう。
SNS
SNSは、検索流入からは獲得できないSNSユーザーの関心を獲得する上で役に立ちます。新規の潜在顧客獲得はもちろんですが、既存顧客をロイヤルカスタマー化するための手段としても有効です。
SNSの最大の魅力は、ユーザーとのコミュニケーションをとることができる点にあります。積極的な情報発信と交流を推進し、タッチポイントの増加とユーザーのファン化に努めましょう。
メールマガジン
メールマガジンは既存の顧客やある程度関係性の高いユーザーに対して有効な施策です。商品についての最新情報を共有したり、業界情報の発信を通じて顧客教育を行ったりができます。
ユーザーのロイヤリティを高める施策を探している場合、メルマガの運用で賄うと良いでしょう。
YouTube
動画コンテンツを使った情報発信も、検索エンジンやSNSではアプローチできないユーザーへのアピールができる手法です。コンテンツライティングなどとは別途、動画収録・編集の負担が発生しますが、映像で情報を発信できるのは他にないアドバンテージと言えます。
商品やサービスによっては、映像を使った方が伝えやすい情報もあります。自社でコンスタントに制作できる環境を整えられる場合、活用してみると良いでしょう。
コンテンツマーケティングで目標を達成するためのポイント
コンテンツマーケティングにおけるゴールを実現する上では、以下のポイントを踏まえた施策の実行を検討することが重要です。
SMARTの法則に従う
ゴールの達成には、SMARTの法則を意識しましょう。SMARTの法則とは、以下を備えたゴールであるかを踏まえることです。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achivable(実現可能)
- Relevant(関連性)
- Time-based(有限性)
具体的な商品名や数字が含まれていて効果測定ができるか、達成可能なレベルのゴールなのか、会社のコンセプトやマーケットに紐づいたものか、そして期間を設定したものであるか、という点を満たしたゴールが、コンテンツマーケティングには必要です。
複数のマーケティング施策を同時に展開する
コンテンツマーケティング施策は、必ずしも一つしか実行してはいけない、というルールはありません。複数の施策を併用することで、相乗効果を見込むこともできます。
SEO対策のためのオウンドメディア運営を軸としながら、SNSを使ってサイトに誘導するような方法も有効なので、リソースと相談しながら検討すると良いでしょう。
継続性のある運用体制を整える
コンテンツマーケティングはどれだけ正しい方法で行っていたとしても、成果が出るまでには時間がかかります。ゴールの達成には1年以上の期間を必要とすることもあるため、品質を落とさず継続できる環境が必要です。
長期的なコンテンツマーケティング環境を整えるには、人員の確保や効果的な改善の実施など、さまざまな負担も発生します。外部サービスなども活用しながら、粘り強く実施しましょう。
まとめ
この記事では、コンテンツマーケティングにおけるゴールの役割や、どのようにゴールを目指すべきかについて解説しました。
コンテンツマーケティングはゴールがないと、正しく課題解決を達成することが難しくなります。ゴール設定の手続きに問題はないか、自社のリソースで長期的に施策に取り組めるか、検討することが大切です。
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