Web上で商品・サービスを販売する方法として「ECサイト」や「LP」がありますが、その違いについて詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。
とくに皆さんが知りたいのは、ECサイトやLPをどのように使い分けるべきかという点ですよね。
ECサイトとLPは、運用目的・ページ構造・集客方法に至るまで多くの違いがあるため、それぞれの特性を理解したうえで運用することをおすすめします。
この記事では、ECサイトとLPの違いとは?使い分け方法や効果的な運用方法を解説します。
目次
ECサイトとLPについての基礎知識
ECサイトとLPは、どちらも商品販売に特化したWebサイトやWebページであるため、混同されやすいことも事実です。
ここでは、ECサイトとLPに関する基礎知識を解説していくので、ご存じの方は「ECサイトとLPの5つの違い」の見出しへ進んでいただければと思います。
ECサイトとは?
ECは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略称であり、ECサイトとは、決済機能や商品ページを有したWebサイトのことを意味します。
まずは、ECサイトの特徴・メリット・デメリットを確認しておきましょう。
ECサイトの特徴
- 決済機能(カート機能)がある
- 複数の商品ページで構成される
- 自社ECサイトと外部ECサイトがある
通常の企業ホームページ(コーポレートサイト)とECサイトの大きな違いとして、商品購入用の決済機能があることがあげられます。
また、ECサイトはカタログのように複数のジャンルやタイプの商品ページが、一つのサイト内に収まっている点も特徴の一つです。
ECサイトの運用方法には、自社のECサイトを独自に開発・運用するケースと、Amazonや楽天市場のようなモール型のECサイトを利用して出品する方法があります。
ECサイトのメリット
- 商品選びから購入まで一つのサイト内で完結できる
- 複数の商品が紹介できる
- 時間・場所を問わず販売可能
ECサイトには決済機能があるため、欲しい商品があればそのままECサイト内で購入まで進むことが可能です。
複数の商品を掲載するECサイトでは、まるでリアルのショッピングモールや百貨店を周遊するように、オンラインショッピングをユーザーに楽しんでもらえる点も大きなメリットといえます。
また、ECサイトを運用することで、Web上の店舗のような販売経路を確保でき、時間・場所を問わず販売が可能になります。実店舗と比べて人件費・家賃・光熱費などがかからず、スモールスタートしやすいことも利点です。
ECサイトのデメリット
- 商品を探しにくい可能性がある
- 興味が分散されやすい
ECサイトはウィンドウショッピングのように閲覧する際には適していますが、特定の商品が欲しいと決まっているときには、探すのに苦労することもあります。
欲しい商品が探せなかったり、導線がわかりにくかったりすると、ページ離脱にもつながりかねない点はデメリットといえるでしょう。
また、ECサイトは多くの情報を掲載できる反面、興味が分散されやすくなるため、一つの商品を集中して購入検討してもらいにくいというデメリットもあります。
LPとは?
LP(ランディングページ)とは、商品やサービスの情報と購買導線を有する、1枚完結型のページのことです。
以下では、LPの特徴・メリット・デメリットを解説します。
LPの特徴
- 一つの商品やサービスの紹介に特化している
- 縦長のセールスレターのようになっている
- Web広告の遷移先として利用される
LPは基本的に、一つの商品やサービスの購入・導入を促すことに目的を絞ったページです。
そのため、縦長のセールスレターのような形で、商品の特徴・こだわり・使い方・ベネフィット・購入者の体験談などを順番に配置し、購買意欲を徐々に醸成する構成となっています。
なお、LPは販売促進を強化したい商品やキャンペーンなどの紹介に向いているため、リスティング広告などのWeb広告の遷移先として利用されるケースが多く見られます。
LPのメリット
- 購買意欲を高めるのに効果的
- 制作の手間やコストが少ない
- 行動データを分析しやすい
LPには、閲覧する人の購買意欲を徐々に高める効果があります。一つのコンバージョンに絞り、外部リンクなども極力設置しないことで、集中して読み進められるようになっています。
また、LPは1ページで公開できることから、複数ページで構成されるECサイトと比べて、制作の手間やコストが少なく、スモールスタートしやすいというメリットがあります。
さらに、外部ページへの遷移が少ないLP内でのユーザー行動は、シンプルでデータがとりやすく分析もしやすいです。費用対効果なども計測しやすいため、キャンペーンページなどに適しています。
LPのデメリット
- 複数の商品紹介には向かない
- 自然検索でヒットしにくい
LPのデメリットは、一つのLPで一つの商品やキャンペーンしか紹介できない点です。LP内で複数の商品を紹介することも可能ですが、効果が薄れるため、基本的には1商品に絞った方が良いとされています。
そのため、色々な商品を見てまわりたいといったニーズには応えにくいといえます。
また、LPは大規模なECサイトやWebサイトと比べて情報量や情報の更新頻度が少ないといったことから、SEO(検索エンジン最適化)の効果が出にくい傾向があります。
ブランド認知度がそこまで高くない場合は、商品名やブランド名などの指名検索を獲得するのも難しいため、検索結果からの流入を増やすには、広告と組み合わせるなどの施策が必要です。
関連記事:LP(ランディングページ)にSEO対策は必要?手順や注意点を具体的に説明
ECサイトとLPの5つの違い
ECサイトとLPのそれぞれの特徴やメリットが分かったところで、具体的な違いを見ていきましょう。
下記が、ECサイトとLPの5つの違いについてまとめた一覧です。
比較ポイント | ECサイト | LP |
---|---|---|
運用の目的・役割 | 複数の商品の展開 | 一つの商品のコンバージョン |
ページ数・構造 | 複数ページ | 単独ページ |
集客方法 | 自然検索など | Web広告やSNS投稿からの遷移 |
デザイン・レイアウト | サイト全体で統一 | 縦長のレイアウト |
公開期間 | 長期間 | 短期間 |
比較ポイントを一つずつ説明します。
1. 運用の目的・役割
まず、ECサイトとLPは運用の目的・役割が大きく異なります。
ECサイトの目的は、複数のジャンルやタイプの商品など網羅的な情報を掲載することです。Web上のショッピングモールやカタログのように使ってもらう役割があります。
LPの目的は、特定の商品やサービスの紹介・販促などです。商品やサービスの購入・導入など、特定のコンバージョン(CV:成約)の達成にゴールを絞って運用されることが多いです。
2. ページ数・構造
ECサイトのページ数は複数に渡ります。構造はトップページを中心に、カテゴリー別ページや、商品の個別ページなど階層化されていることが多いです。
ユーザーはECサイトのトップページから気になるジャンルを見に行き、商品ページを経由してカートにたどり着くという流れです。その後、また他の商品を見にいって買い物を続けることもできます。
LPは基本的に1ページの構造です。一つの商品を販売することの効果を最大限に高めるため、運営会社情報やプライバシーポリシーページなど必要最低限のページ以外は、基本的には外部リンクは置かず、シンプルな構造とするのが一般的です。
3. 集客方法
ECサイトの主な集客方法は、検索エンジンなどからの自然検索で集客する方法です。
SEOを実施し、特定のキーワードや商品名やブランド名など指名検索からの流入を促すほか、認知度アップのためのさまざまなPRを実施します。
LPの集客方法はリスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告や、SNS広告・SNS投稿などです。それぞれの遷移先としてLPのリンクを掲載し、ユーザーを流入させます。
4. デザイン・レイアウト
複数ページに渡るECサイトのデザインは、全体でテイストやレイアウトを統一して作られるケースが多く見られます。これは、全体的な見た目に統一感があった方が、ユーザー体験の向上につながると考えられるからです。
LPは基本的に縦長のレイアウトで設計されます。コンバージョンに特化したLPの場合、説明文や背景と、CTAボタン(行動喚起ボタン)のコントラストがはっきりしていることもデザインの特徴です。
5. 公開期間
Web上の販路の基盤となるECサイトは、いつでも見に来てもらえるように常時公開されています。
対してLPは、期間や販売個数を限定したキャンペーンページとして使うことも多いため、比較的短期間で公開されます。
ECサイトとLPはどう使い分けるべき?
ここからは、実際にECサイトとLPはどう使い分けるべきか、ケース別に使い分け方を解説します。
ECサイトを利用すべきケース
ECサイトは、複数の商品の展開に適しています。そのため、自社で取り扱っている商品のジャンルが多いときに利用すると効果的です。
たとえば、アパレルブランドのように、ジャケット・パンツ・アウター・靴・アクセサリーなど多彩なアイテムを展開しているケースです。
ブランド自体のファンをすでに多く抱えてる場合や、まとめ買いや比較して購入を検討する場合にはECサイトが有効です。
また、長期的な運用にはLPよりもECサイトが向いています。なぜなら、ECサイトの方が、情報量の少ないLPよりもSEO的に優位になりやすいからです。
ほかにも、ECサイト全体でデザインやテイストを統一するなど、世界観の表現もでき、長期的にブランドや企業のファンを増やしていくことに向いています。
LPを利用すべきケース
LPは、販促を強化したい商品がある場合や、キャンペーンなど期間限定商品がある場合など、集中的に購買率を高めたい時に適しています。出稿予定の広告にあわせて、専用のLPを制作するケースもあります。
また、ページ数が少ない分、制作・運用費用も少なくて済むため、ビジネス創業時など、まだ商品数が少ない時などに適しています。新規顧客や見込み顧客に向けたブランド体験的なページとしても有効活用できます。
ECサイトとLPの効果的な運用方法
ECサイトとLPのどちらも、制作・公開するだけでは大きな成果につながらないため、効果的な運用方法を取り入れることをおすすめします。
ここでは、ECサイトとLPの運用効果を高めるための方法を3つご紹介します。
目的にあわせてECサイトとLPを併用する
一つ目は、目的にあわせてECサイトとLPを併用する方法です。
ECサイト運用を基盤に、販促を強化したい商品やキャンペーンにあわせて単発的にLPを用意して販売促進力を強化しましょう。
ECサイトとLPを作る順番に決まりはないですが、自社での取り扱い商品数が多い場合は、まずは基盤となるECサイトを用意しておくと良いでしょう。
最短5日で公開!Shopifyで簡単ECサイト構築なら クロスバズの“バズショップ”
ECサイトの商品ページをLP化する
LPの高い訴求力をECサイトに活かすため、ECサイトの商品ページをLP化するのもおすすめです。
これは、Amazonや楽天市場などのモール型ECサイトでもよく見られる手法で、ECサイトの商品ページをLPのようなデザインやレイアウトで制作するというものです。
すでにLPとして運用中の商品がある場合は、ECサイトにLP画像を貼り付けて商品ページとすることもできます。
プロのノウハウで売れるLP制作を目指すなら クロスバズの“バズLP”
広告運用で成果の最大化を目指す
企業やブランド認知度がまだ低いビジネス創業時などには、ECサイトとLPの運用だけでは効果が出にくいこともあります。
ビジネスの成熟度合いに応じて、リスティング広告やSNS広告などを活用することも検討しましょう。
定額&縛りなしの広告運用・代行なら クロスバズの“BUZZリスティング”
まとめ
ECサイトとLPは、運用目的・ページ構造・集客方法に至るまで多くの違いがあります。
ECサイトとLPのそれぞれの特徴やメリットを活かして併用するなど、成果の最大化を目指しましょう。
LP制作やECサイト制作のお悩みなら、クロスバズへご相談ください。
LP制作の“バズLP”、Shopifyを活用したECサイト構築“バズショップ”、広告運用代行の“BUZZリスティング”を提供しています。
マーケティング視点からのご提案・制作を得意としているので、ぜひ一度お問い合わせください。