インターネットを使った集客施策は、あらゆる分野で高く評価されている取り組みです。中でもリスティング広告は短期間で成果を得やすい施策であることから、積極的な活用を検討すべきでしょう。
リスティング広告は、歯科診療を営むクリニックのように、地域性の高い業種においても効果が期待できます。この記事では、歯医者がリスティング広告を活用するメリットや、リスティング広告運用のポイントについて、解説します。
目次
リスティング広告とは
リスティング広告は、検索エンジンを利用した際の検索結果において、最上位に表示することのできる広告枠です。広告出稿の際には、クリックが発生した段階で初めて広告料が発生する仕組みになっています。そのため、まとまった広告費を用意しなくとも広告を使えるという特徴が高く評価されている施策です。
検索エンジンのユーザーに歯医者の存在をアピールしたい場合、通常であれば検索上位に表示されるための施策を展開しなければなりません。一方でリスティング広告はこのような検索アルゴリズムに左右されることなく、常に最も注目度の高い広告枠に自身のサイトを表示できるため、アピールしやすい施策です。
リスティング広告が表示されるのは、歯医者や自身で設定したキーワード、あるいはそれに関するキーワードを検索したユーザーに対してです。例えば「歯医者 目黒区」のように、歯医者単体だけでなく、目黒区という地域性の高いキーワードと絡めて設定することにより、ピンポイントにアプローチできます。
リスティング広告は、検索エンジンによって異なる媒体が設定されています。そのため、リスティング広告運用の際にはアプローチしたい検索エンジンユーザーを踏まえたプラットフォーム選びにも目を向けましょう。
リスティング広告を歯医者が活用するメリット
リスティング広告を活用することは、歯医者にとってどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。主な利点として、以下の5つが期待できます。
短期間で運用を開始できる
リスティング広告の優れたメリットとして、短期間で運用をスタートできるという点がまず挙げられます。
一般的な交通広告などの場合、出稿の申請から実際の広告掲載に至るまで、何週間もの期間を必要とする場合があります。一方でリスティング広告の場合、出稿を申請してから最短で当日中に広告の運用を開始することが可能です。
もちろん、成果が出るまでにはそれ以上の時間がかかる可能性はあるものの、アクションを迅速に起こしていくことができるメリットは魅力的と言えるでしょう。
発信力に優れる
リスティング広告は、他のWeb集客施策と比較して発信力に優れるのが特徴です。お金を払うだけで、検索エンジンユーザーにとって最も目立つ位置に広告を配置することができるため、見過ごされてしまう心配がありません。
インターネット上には膨大な情報やWebサイトが存在しているため、ただホームページを作るだけでは思うように集患が進まないこともあるものです。リスティング広告を用いることで、他のコンテンツや競合のサイトよりも目立った情報発信ができ、地域におけるシェアの拡大を進められるでしょう。
低予算でも運用ができる
リスティング広告はクリック単価の料金システムを採用しているため、低予算での広告運用が可能です。歯医者を経営している場合、よくある広告運用の方法は、電車やバスといった交通広告です。これらも地域での発信力を獲得する上では有益な手法ですが、まとまった広告費を払わなければ、運用できないというデメリットがあります。
一方でリスティング広告は、予算に応じて広告を出稿できるため、低予算でも相応の広告発信が行えます。もちろん、リスティング広告であっても多くの広告費用を投じた方が、他の歯医者に比べ高い発信力が得られるでしょう。とはいえ費用対効果については、どれだけお金をかけているかとは関連しない部分も多く、自分なりの運用アプローチを探ることが大切です。
広告の出稿と停止をいつでも設定できる
必要に応じて、広告の出稿と停止をいつでも設定できる点も、リスティング広告のメリットと言えます。広告がコストに見合ったパフォーマンスを発揮していない、広告のアプローチ方法を変えたいと感じた時に、すぐに出稿を停止し、広告料の発生を回避可能です。
交通広告の場合、広告はあらかじめ定められている掲載期間を終えないと、出稿の停止などは行えません。柔軟性の面でリスティング広告は優れており、気軽な利用と試行錯誤で成果を期待できるでしょう。
効果測定を行いやすい
リスティング広告は、効果測定を行いやすい施策です。広告のクリック単価設定を柔軟に変更でき、表示設定も柔軟に切り替えられるので、色々と試しやすくなっています。
また、患者一人を獲得するのにどれくらいの広告費用がかかったのか、といったデータを集める上でも、非常に便利です。広告運用に伴うさまざまな情報や知見をデータで把握できるのが、リスティング広告のメリットと言えます。
歯医者がリスティング広告を活用する際のデメリット・注意点
リスティング広告には魅力的なメリットが多数ある一方、注意すべきデメリットもあります。
クリック単価は増加傾向にある
リスティング広告は、コストパフォーマンスに優れる単価の安い広告として知られています。たしかに交通広告に比べると単価は安く、うまく集患に繋げることができれば、獲得単価についても高いパフォーマンスが得られるでしょう。
ただ、リスティング広告の単価は入札制で決められているため、広告への入札が多ければ多いほど、求められる予算も増えるというデメリットがあります。人気の高いキーワードは多くの広告主が集まりやすく、高額な単価設定でなければ満足のいく広告運用はできません。
そのため、リスティング広告運用に際してはある程度試行錯誤を繰り返したり、専門家と相談しながら運用したりするといった工夫が、近年は求められるようになってきました。
広告を出せば必ず集患につながるとは限らない
リスティング広告は検索エンジンユーザーの目に届きやすい場所に広告が表示されるため、発信力に優れた手法であることは確かです。注意したいのは、発信力があるからといって、それを見たすべてのユーザーが表示されている歯医者に集まるわけではない点にあります。
リスティング広告に限った話ではありませんが、広告は発信したとしてもどれくらい効果が得られるのかは、その後の反応を見てみないと分かりません。リスティング広告はクリック単価が設定されており、おおよその獲得単価も他の広告に比べるとわかりやすいですが、それは確実な集患を保証するものではありません。
リスティング広告は他の歯医者での導入が進んでいる以上、戦略的な運用によって、成果を高めていく工夫が必要です。
広告枠として表示される
リスティング広告によって表示されるWebサイトは、たしかに目立つ場所に表示されるものの、広告枠として表示されていることが検索エンジンのユーザーにも明らかとなります。
広告枠以外で表示されているWebサイトは、検索エンジンのアルゴリズムによって、ユーザーにとって価値のあるサイトと判断の上表示されており、表示に際して料金は発生しません。そのため、ユーザーによっては広告として表示されているサイトよりも、自然検索結果を重視しているケースもあり、広告枠で表示されているサイトは見向きもされない可能性もあります。
リスティング広告運用に不可欠な医療広告ガイドラインとは
歯医者がリスティング広告を運用して集患を進めたい場合、確認しておくべきなのが医療広告ガイドラインです。
医療広告ガイドラインは、厚生労働省が医療法に基づいて定めている医療機関の広告に関する指針をまとめたもので、リスティング広告にも適用されます。医療広告ガイドラインの中で禁止されている要素を含んだ広告は掲載ができないため、その見せ方にも工夫が必要です。
医療広告ガイドラインの中で定められている禁止事項としては、主に以下などが含まれます。
- 誇大広告
- 虚偽広告
- 比較優良広告
- 患者の主観に基づく体験談
誇大広告や虚偽広告は、医療以外の分野でも禁止されているガイドラインですが、注意したいのは患者の主観に基づく体験談です。
患者の体験談を紹介するタイプの広告は、最近になって取締りの対象となった手法です。医療広告ガイドラインの存在を知らないと、ついつい盛り込んでしまうこともあるため、発信内容には十分注意しましょう。
SEO対策とリスティング広告の違い
Web集客の方法にはリスティング広告以外にも、SEO対策と呼ばれる施策があります。SEO対策は、簡単に言えば無料枠の検索結果において、上位表示を獲得するための手法です。
検索エンジンには、インターネット上にある無数の情報を自動で収集し、独自のアルゴリズムに基づいてユーザーにとって最適なコンテンツを上位表示する機能が備わっています。SEO対策では、そんな検索エンジンのアルゴリズムを踏まえてサイトやサイトコンテンツを制作し、検索上位を目指します。
検索上位を獲得することで、検索下位のサイトと比べアクセス数を飛躍的に伸ばすことが可能です。リスティング広告とは分けて表示されるため、広告ではないという点もユーザーによっては信頼の醸成につながるでしょう。
リスティング広告と相性の良いWeb集客施策
リスティング広告は単体でも一定の効果が期待できますが、他のWeb集客施策と組み合わせて運用することにより、相乗効果を得ることも可能です。
ここでは、リスティング広告と相性の良いWeb集客施策について、ピックアップして解説します。
SEO対策
上でも触れたSEO対策は、リスティング広告と少し性質の異なる集客施策である分、併用によって大きな成果を期待できます。
SEO対策の最大の特徴は、継続的なコンテンツの発信によって集客を行う点です。リスティング広告とは異なり、施策が結果につながるまではある程度の期間を要しますが、その分安定したアクセスを得やすくなるメリットがあります。
また、SEO対策の強みとしてリスティング広告よりも費用がかからないという点も挙げられます。リスティング広告は単価の安い広告施策とはいえ、出稿のためにはお金が必要です。継続的に広告を掲載するには、それだけ広告料を支払い続けないといけないため、継続的な支出を上回る成果が求められます。
一方でSEO対策の場合、最低限のサイト運営のためのサーバー代などさえ確保していれば、広告費の発生などはありません。検索エンジンからコンテンツを評価してもらうことができれば、広告費を出すことなく絶え間ないアクセスを得られるのが大きな強みです。
SNS
SNSも、リスティング広告との併用で相乗効果が見込めます。SNSはSEO対策と同様にお金がかからないだけでなく、SNSユーザーという検索エンジンユーザーとは異なる層にアプローチできる点が魅力です。
リスティング広告やSEO対策は、主に検索エンジンのユーザーへのアプローチを前提とした手法です。一方、近年は情報収集の手段が検索エンジンからSNSへ移行しているケースも見られており、これらの方法ではキャッチアップが難しいという問題を抱えています。
そのため、すでにリスティング広告を展開している場合は、SNSも使用してユーザー向けにアピールすることにより、検索エンジンでは得られていなかったユーザーの獲得につながります。
また、SNSではユーザーと直接コミュニケーションが取れる点もポイントです。ユーザーの悩みや質問に直接答えながら、集患を進めていくような方法も、さまざまなクリニックなどで見られるようになってきました。
リスティング広告のはじめ方
リスティング広告の運用は、以下の手順に則って運用を進めます。
アカウントを開設する
リスティング広告を運用するためには、はじめに広告用のアカウントを作成しなければなりません。リスティング広告大手のGoogle広告では、既存のGoogleアカウントと紐づけて設定を進められます。
支払い設定を行う
広告の出稿前に、支払いについての手続きを行います。事業用のクレジットカードを設定することで、広告の設定に応じた広告料金が自動的に課金される仕組みです。
広告設定を行う
Google広告では、キャンペーンと呼ばれる広告出稿にあたってのテンプレートのような設定をあらかじめ用意しておく必要があります。
キャンペーンの設定は、広告配信に際して設けられる予算やエリア、キーワードなどに応じて行うことができます。複数のキャンペーンをシーンに応じて使い分けることで、A/Bテストの実施や発信したい情報に応じた切り替えの効率化に役立ちます。
初めてのリスティング広告運用の場合、まずは一つのキャンペーンの運用からスタートし、徐々に色々なアプローチを検討してみると良いでしょう。
広告を出稿する
キャンペーンを作成したら、実際に広告を出稿します。広告として配信する文章の設定や、リンク先のURL、説明文を入力します。
この際、文面が広告側のガイドラインに抵触する場合は審査に通らなかったり、配信が途中で停止されたりする恐れもあります。ガイドラインを踏まえた、健全な広告コンテンツを事前に用意しておきましょう。
効果測定を実施する
配信している広告が成果をあげているかどうかは、適宜数値を確認することが大切です。一定期間内におけるクリック数や、平均クリック単価などをチェックすることで、費用対効果の高い広告運用を目指すことができます。
Google広告では、Googleタグマネージャーと呼ばれる管理ツールも存在します。こういったサービスを有効活用し、リスティング広告の機会を最大限活かしましょう。
リスティング広告の相場
リスティング広告にどれくらいの費用がかかるのかは、ケースバイケースであるため、実際に運用をしてみないと分からない部分が大きいです。また、ボリュームが大きい、競争の激しいキーワードに特化して広告を配信すると、どうしても広告料金も高くなってしまうため、費用対効果をあげにくいという問題もあります。
キーワードや地域、配信ユーザーの設定を詳細に行うことで、少額のリスティング広告でも一定の成果を得ることが可能です。まずは月間で5万円〜10万円程度の広告運用からスタートし、感触を掴んでみると良いでしょう。
歯医者がリスティング広告の効果を最大限高めるためのポイント
リスティング広告の効果を最大限高める上では、以下のポイントを押さえた広告運用を意識しましょう。
地域名をタイトルに入れる
歯医者のリスティング広告運用において重要なのは、地域名の設定です。集患に際しては周辺地域に住んでいる人、あるいは働いている人をターゲットとするため、地域性を全面に押し出すことにより、獲得単価を改善できるでしょう。
配信地域を詳細に設定する
配信地域を歯医者の近辺に設定しておかないと、おおよそ来院の見込みのない遠隔地のユーザーに広告が配信されることがあります。彼らが広告をクリックした場合もしっかりと広告料は発生するので、配信地域は見込みのあるユーザーがいそうなエリアに限定することが大切です。
都道府県や市区町村、最寄駅といった要素を含めて配信ができるので、活用をおすすめします。
キーワードのマッチタイプを絞る
キーワードのマッチタイプとは、実際に検索されているキーワードの厳密性を踏まえた設定です。例えば歯医者への来院を検討しているユーザーと、歯医者の開業を考えているユーザーでは、ニーズが全く異なります。しかし検索エンジン上では「歯医者」という同じキーワードを使用するため、配信される広告も混在してしまうことが珍しくありません。
マッチタイプの設定によって、このような混同を回避しながら見込み患者に広告を配信できます。
不要なキーワードは除外する
マッチタイプの設定に合わせ、来院とは関連性の低いキーワードを削除することも大切です。できるだけ広くアプローチした方が、クリックの回数や表示回数は増える傾向にありますが、それらが来院につながるとは限りません。
例えば「歯ブラシ」「開業」など、来院との関連性の低そうなキーワードをピックアップし除外すれば、精度の高い広告配信が行えるでしょう。
細かくリンク先を設定する
リスティング広告に掲載するURLは、文面に応じて複数のパターンを用意できると良いでしょう。虫歯治療、ホワイトニング、定期検診など、細かく設定するのが理想です。
リンク先を文面に応じて設定することで、広告をクリックしたユーザーは必要なページにすぐアクセスでき、来院予約に繋げることができます。ユーザーの離脱を回避する上で、重要な取り組みです。
予約フォームと電話ボタンの効果測定をする
歯医者の予約は、公式サイトからの予約フォーム入力と、電話による直接予約の2種類が一般的です。リスティング広告を配信する場合、ユーザーによってどちらの予約方法が評価されるかは実際に運用してみないとわからないため、一度効果測定を行うことをおすすめします。
予約フォームが好まれる場合、リンクにアクセスしたらすぐに予約できるよう目立つ位置に表示するのが良いですし、電話の場合は、広告文の中に電話番号を盛り込むなどして運用すると良いでしょう。
歯医者がリスティング広告運用を専門会社に任せた方が良い理由
このように、リスティング広告の運用はいくつものポイントを押さえる必要があるため、いきなり成功に導くのは難しいです。そこで活用を検討したいのが、専門会社によるリスティング広告運用の代行です。
コア業務に集中できる
リスティング広告運用を専門会社に依頼することで、事業者はコア業務にリソースを集中できます。
日々の業務をこなしながら広告も動かすとなると、やるべきことが多く手が回らないこともあるでしょう。専門の会社に業務を任せれば、こういった負担の発生を抑制し、余裕を持って本業に集中できます。
効果的な広告運用に直結する
専門の会社にリスティング広告運用を任せることで、短期間で成果を得やすくなります。はじめての広告運用から成果をあげるには、相応の時間と費用もかかるため、期待しているようなパフォーマンスが得られないこともあるでしょう。
専門会社に委託する場合、手数料は発生するものの、短期間で集患を進めることができるので、強力なサポートを得られます。
他のWeb集客施策の有効活用につながる
SEO対策やSNSなど、他の集客施策との併用についても任せられるのが便利なところです。リスティング広告以外のWeb集客も進めたい場合、あわせて対応ができるサービスを利用することで、高い相乗効果が期待できるでしょう。
まとめ
この記事では、リスティング広告を歯医者が運用する際のメリットや運用方法などについて解説しました。歯医者は地域性の高い広告運用と相性が良く、リスティング広告はそのニーズに適した施策です。
単体での運用はもちろん、他のWeb集客施策との併用により、来院予約件数を飛躍的に伸ばしていくこともできます。自分で運用するのに限界がある場合は、専門会社に任せてみることも検討しましょう。
当社クロスバズでは、リスティング広告の運用代行を行っています。歯科医院のコア業務とは並行が難しいリスティング広告運用を、少額予算でもご依頼いただけるよう、定額制プランをご用意しております。必要に応じて、いつでも配信を停止いただくことが可能です。リスティング広告の他、複数の媒体へのアプローチにも対応しているため、高い広告効果を期待いただけます。
リスティング広告の運用についてお悩みの歯科医院さまは、ぜひお気軽にご相談ください。