税理士事務所への依頼を、Web経由で獲得したいのであれば、LPが欠かせません。
「LPが大事だと至る所で言われているが、具体的に何が良いの?」「自社で持っているホームページではダメなの?」といった疑問を抱く、税理士事務所の担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、税理士事務所がLPを制作するメリットや、制作のポイント、制作の流れなどについて解説します。
また記事の後半では、3つの税理士事務所が公開しているLPを事例として紹介します。
記事を最後までチェックすれば、LPに関する最低限の知識が身につきますよ。
税理士事務所にWeb経由で集客をしたい、あるいはWeb経由での集客に苦戦している担当者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
初心者の方でも読み進められるように、専門用語は極力使用せずに解説をしています。
目次
LP(ランディングページ)とは?
LPとは、商品の購入や問い合わせ(=コンバージョン)を目的とした、縦長1枚のWebページのことです。
LPを見れば、ユーザーがコンバージョンに至るまでに知っておきたい以下のような情報が、ひと通り分かります。
- 概要
- 特徴
- 価格
- 利用者の声
など……
LPは「一つの商品やサービスに特化して作られている」という点でホームページとは異なります。
例えば以下は株式会社クロスバズ(弊社)のLPです。LPの参考として、チェックしてみてください。
税理士事務所がLPを制作するメリット
税理士事務所がLPを制作するメリットは、以下の2つです。
- Web広告経由での新規顧客獲得につながる
- リスティング広告を使えばピンポイントでターゲティングができる
それぞれ詳しく解説します。
Web広告経由での新規顧客獲得につながる
LPは、Web広告との相性が良いです。
Web広告には、広告費を払えば確実に広告を表示できるメリットがある一方で、広告枠に制限があるというデメリットがあります。
主なWeb広告における、広告枠の制限は以下のとおりです。
Web広告の種類 | 詳細 | 広告枠の例 |
---|---|---|
リスティング広告 | GoogleやYahoo!の検索結果上に表示される広告 | 広告文(30文字以内)説明文(90文字以内) |
SNS広告 | TwitterやInstagramなどのSNS上に表示される広告 | Instagram広告の例:600×500の画像 |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告 | 600×600の画像 |
税理士事務所への依頼を、たった数十文字の文言だけでは決断できませんよね。
一方でLPには、上記のような制限がありません。好きなだけユーザーに情報を伝えられます。
「Web広告を見て興味を持ったユーザーにLPで申し込みを決断してもらう」といった流れを作れるので、高いコンバージョン率が期待できます。
リスティング広告を使えばピンポイントでターゲティングができる
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索結果上に表示される広告のことです。
例えばGoogleにて「税理士 大阪 おすすめ」と検索すると、以下のような検索結果が表示されます。
左上に「スポンサー」の表記があるページは、リスティング広告によって表示されたページです。
リスティング広告は「税理士 大阪 おすすめ」のようなキーワードで能動的に検索行動を行ったユーザーに表示されます。
「能動的に検索行動を行ったユーザー=税理士への依頼を検討しているユーザー」です。
リスティング広告をクリックしたユーザーにLPを見せれば、見込み顧客に対して詳しい情報を提示できるため、コンバージョンに繋がる可能性が高くなります。
リスティング広告についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:リスティング広告とは?初心者向けに仕組みから予算まで丁寧に解説
税理士事務所のLP制作で意識するべきポイント4つ
税理士事務所がLPを制作する際は、以下4つの点を意識しましょう。
- テーマを1つに絞る
- ファーストビューに力を入れる
- 信頼性や権威性の獲得を重要視する
- ユーザーが知りたい情報を分かりやすい場所に掲載する
それぞれ詳しく解説します。
テーマを1つに絞る
税理士事務所が提供するサービスは、以下のように複数に分けられます。
- 確定申告のサポート
- 相続税の相談
- 節税の相談
など……
複数サービスを提供している場合、「このサービスもあのサービスも行っていますよ」と様々な情報をLPに詰め込みたくなる気持ちも分かります。
しかしLP制作においては、確定申告なら確定申告、相続税なら相続税といった形で、テーマを1つに絞りましょう。
例えば「確定申告 税理士 大阪」というキーワードにて表示されたリスティング広告から流入をしたユーザーに、相続税に関する情報を見せても、何の意味もありません。
Web広告を使って、確定申告の相談も相続税の相談も獲得したいのであれば、LPを分けて制作しましょう。
ファーストビューに力を入れる
ユーザーがLPにアクセスをして、まず最初に目に入る画面のことを、ファーストビューと言います。
例えば森下敦史税理士事務所の、会社設立サポートに関するLPのファーストビューは以下のとおりです。
ユーザーは、ファーストビューを見て「このLPを読み進めるか、それともブラウザバックをして他のページを探すか」を決めます。
あなたも何らかのWebサイトにアクセスをした際、ファーストビューを見ただけで
- 「このサイトには知りたいことが載っていなさなそうだ」
- 「このサイトは何だかクオリティが低いな」
と判断して、ブラウザバックをした経験があるのではないでしょうか。
せっかくWeb広告がクリックされても、LPを読み進めてもらえなければ、広告費を浪費するだけです(Web広告の広告費は原則として、クリックをされる度に発生する)。
よってファーストビューは、最も力を入れて作り込みましょう。
税理士事務所の場合は、以下の情報をファーストビューに盛り込むと、ブラウザバックされづらくなります。
- 何に関するLPなのか(確定申告、相続性など…)
- 強みは何か(即日対応など…)
- 魅力的なキャンペーン(〇月〇日まで割引キャンペーン実施中など…)
信頼性や権威性の獲得を重要視する
ユーザーがサービスへの申し込みを決めるに至る重要な要素の1つが、信頼性や権威性です。
ユーザーは常に、以下のような悩みを抱きながら、税理士事務所を探しています。
- ここは本当に信頼できるの?騙されたりしない?
- この人はちゃんとした人なの?素人だったりしない?
信頼性や権威性を獲得するには、LPに以下のような情報を盛り込みましょう。
- 税理士のプロフィール(顔写真、経歴、簡単な自己紹介文付き)
- お客様からの声(顔出し、名前あり、直筆だと尚良い)
- これまでの実績
- メディア出演実績
上記のような情報を盛り込むことでユーザーの信用を得られ、コンバージョンに繋がりやすくなります。
反対に、信頼性や権威性がないと、いくら良さそうなサービスであっても、申し込むのが不安だと感じてしまいます。
ユーザーが知りたい情報を分かりやすい場所に掲載する
税理士事務所に依頼をするにあたってユーザーが知っておきたい情報は、分かりやすい場所に掲載しましょう。
ユーザーが知っておきたい情報の例としては、以下のようなものがあります。
- 受付時間
- 電話番号やメールアドレス
- 料金
上記の情報がLPに掲載されていないと、ユーザーは「〇〇税理士事務所 料金」のようなキーワードで検索をしなければならず、手間がかかります。そのうち一定数のユーザーは、そのまま離脱してしまうでしょう。
上記の情報は、LPファーストビューなど、目立つところに掲載してください。
特に以下の2つは、場所を取らないのでLP最上部に掲載するのがおすすめです。
- 受付時間
- 電話番号やメールアドレス
料金は、LP中盤で表などを使って分かりやすくまとめてあげると良いでしょう。
税理士事務所のLP例
続いては、実際に税理士事務所が運用しているLPの事例を、3つ紹介します。
先ほど解説した「税理士事務所のLP制作で意識するべきポイント4つ」がどのように使われているかを意識しながらチェックしてみてください。
黒川税理士事務所
以下は黒川税理士事務所の、税務調査に関するLPのファーストビューです。
デザイン的な面では改善の余地があるように感じられますが、基本的なポイントは抑えられています。
- テーマを1つに絞る→税務調査
- ユーザーが知りたい情報を分かりやすい場所に掲載する→LP最上部に受付時間と電話番号を掲載
LP中盤では、上記のように税理士やスタッフのプロフィール・メディア掲載実績が掲載されており、信頼性や権威性を獲得する効果があります。
本記事では紹介しませんでしたが、上記のような「無料」あるいは「お得な」オファーを用意することで、コンバージョンへのハードルが大きく下がります。
森下敦史税理士事務所
以下は森下敦史税理士事務所の、会社設立に関するLPのファーストビューです。
- テーマを1つに絞る→会社設立
- ユーザーが知りたい情報を分かりやすい場所に掲載する→LP最上部に受付時間と電話番号を掲載/料金表を掲載
- 信頼性や権威性の獲得を重要視する→200社以上の会社設立をサポートした実績
森下敦史税理士事務所のLPファーストビューには、本記事で紹介したポイントが全て盛り込まれています。
また料金表の右端にキャンペーン価格を掲載することで、アンカリング効果によってコンバージョンへのハードルが下がります。
※アンカリング効果:最初から152,000円の価格を提示されるよりも、261,800円を提示された後に152,000円のキャンペーン価格を提示された方がお得に感じる
LP中盤では上記のように、お客様の声や税理士のプロフィールといった形で、信頼性や権威性を獲得するための施策が施されています。
上記のように「よくある質問」「Q&A」を設けることも、ユーザーの離脱を防ぎ、その場で申し込みを決心してもらうのに役立ちます。
千葉崇晶税務会計事務所
以下は千葉崇晶税務会計事務所の、確定申告に関するLPのファーストビューです。
- テーマを1つに絞る→確定申告
- ユーザーが知りたい情報を分かりやすい場所に掲載する→LP最上部に営業時間と電話番号を掲載
上記LPではファーストビューに「札幌・千歳・恵庭近郊で確定申告を予定している方必見!」と記載されています。
よってGoogleやYahoo!で「確定申告 税理士 札幌」のように検索をして流入したユーザーは、先に読み進めてくれる可能性が高くなります。
LP中盤には、税理士のプロフィールも掲載されています。
千葉崇晶税務会計事務所のLPでは、料金について「1案件50,000円〜」としか記載されていません。
料金が人によって異なる場合でも、例として数パターンを表にまとめることで、より良いLPになります。
税理士事務所のLP活用方法
税理士事務所のLP活用方法は、大きく以下の2つに分けられます。
- SEOでの集客
- Web広告による流入先
それぞれ詳しく解説します。
SEOでの集客
SEOを日本語に直すと「検索エンジン最適化」で、GoogleやYahoo!の検索結果の上位に自社コンテンツを表示させる施策のことを指します。
公開したLPにSEO対策を施すことで、例えば「確定申告 税理士 おすすめ」と検索した際に上位に表示され、コンバージョンの獲得が見込めます。
Googleにて「確定申告 税理士 おすすめ」と検索した際の検索結果。左上に「スポンサー」と表示されているリスティング広告の下が、SEO対策によって上位表示されているコンテンツ。
ただしSEO対策は非常に複雑で、難易度が高いです。
簡単に言うと「大手税理士事務所がSEO対策の為されたクオリティの高いコンテンツ」を投稿しない限り、税理士関連のキーワードでSEO上位表示をすることは難しいでしょう。
よって大半の税理士事務所にとって、SEOによるアクセスの獲得は非現実的です。ただし「確定申告 税理士 地域名 おすすめ」のようなニッチなキーワードであれば、LPを上位表示できる可能性はあります。
Web広告による流入先
本記事でも解説したように、LPはWeb広告クリック後の流入先として活用できます。
Web広告はSEOのように難易度が高くありません。広告費はかかりますが、確実に広告を表示させられます。
本記事ではリスティング広告を例に挙げることが多かったですが、SNS広告やディスプレイ広告といったWeb広告経由での流入先としても、LPは役立ちます。
Web広告の種類10種については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:効果的なWeb広告の始め方!コツや注意点を正しく理解しよう
税理士事務所のLP制作手順
税理士事務所のLP制作手順は、以下の3ステップです。
- ペルソナや目的を明確にする
- Web広告を配信する媒体を決める
- LPを制作する
それぞれ詳しく解説します。
ペルソナや目的を明確にする
まずはペルソナ(想定読者)やLP制作の目的を明確にしましょう。
ペルソナを明確にすることで、以下のようなことが分かります。
- どんなメッセージをLPに盛り込めば良いのか
- どんなデザインが好まれるか
ペルソナは、細かく設定すればするほど良いです。最低でも以下の項目は決めるようにしましょう。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 居住地
実際には、趣味や家族構成などまで詳細にペルソナ設定を行うケースが多いです。
以下は、確定申告に関するLPのペルソナ設定の例です。
- 年齢:28歳
- 性別:男
- 職業:Web系の個人事業主(1年目)
- 居住地:北海道
上記のペルソナから「1年目だから確定申告の概要や、確定申告によって税金の額が大きく変わることを伝えた方がいいな」のように、どんなメッセージを盛り込めばいいのかが見えてきます。
ペルソナを決めたら、LPの目的(ゴール地点)を決めましょう。目的によって、LPの構成が変わってきます。
目的の例は以下のとおりです。
- 無料資料請求
- 無料相談
- 問い合わせ
- 申し込み
Web広告を配信する媒体を決める
Web広告には、リスティング広告・SNS広告・ディスプレイ広告など複数の種類があります。
Web広告を配信する媒体によっても、良いLPの基準は異なります。よってペルソナや目的を設定した後は、どのWeb広告を配信するのかを決めましょう。
- 無料資料請求や無料相談を目的とする場合→SNS広告やディスプレイ広告と相性が良い
- 問い合わせや申し込みを目的とする場合→リスティング広告と相性が良い
SNS広告やディスプレイ広告は、明確な悩みを持っていないユーザーに表示されます。よってハードルが低い、「無料」や「キャンペーン」での訴求がおすすめです。
リスティング広告は悩みが明確なユーザーに表示されます。よって問い合わせや申し込みのような、ハードルが高いコンバージョンでも達成できる可能性が高いです。
LPを制作する
ペルソナ・目的・Web広告を決めたら、いよいよLPの制作です。
クオリティの高いLPを制作するには、以下3つのスキルが求められます。
- Webデザインスキル
- コーディングスキル
- セールスライティングスキル
自社に上記のスキルを持った人材がいれば良いのですが、税理士事務所内に上記のスキルを持った人材がいることは稀でしょう。
そういった場合は、初心者向けツールを使用しましょう。初心者向けツールを使えば、簡易的なものにはなりますが、専門知識がなくてもLPを制作できます。
LPの制作方法については、以下の記事で詳しくまとめています。
関連記事:LP制作初心者必見!作り方の基本の流れ・便利なツールをわかりやすく解説
しかし何とかLPを自作できても、クオリティが低ければ、広告費を浪費するだけです。確実にクオリティの高いLPを作るには、LP制作会社への依頼がおすすめです。
LP制作会社については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ランディングページ(LP)制作代行会社の選び方とは?メリットや費用相場も紹介
まとめ
税理士事務所がLPを制作するメリットや、制作のポイント、制作の流れなどについて解説しました。
結論として、クオリティの高いLPを制作できれば、Web広告経由での集客が期待できます。
「自社でLPを制作するのは難しそう」と感じる方は、弊社クロスバズの“バズLP”をご活用ください。お見積もり・ご相談は無料です。
弊社ではLP制作以外の、Web広告運用やSEOサービスも提供しています。
▶︎詳細はこちら:バズLP – LP制作依頼・ランディングページ作成サービス