クロスバズのベコです。
前回、アカウントの運用の初心者の方が確認するべきポイントとして、リスティング広告を運用するうえで、最初に必要な「アカウントの予算や配信状況などの管理」の方法についてお話しました。
今回は、もう少し運用よりな内容として、アカウントの成果を確認するための指標について解説していきたいと思います。
アカウントをチェックする際に重要な項目になりますので、まずはしっかり指標の意味を理解していきましょう。
目次
表示回数/インプレッション数(imp)
表示回数は、Google や Yahoo広告の検索画面やパートナーサイト、関連ネットワークなどの掲載場所に「広告が表示された回数を表す指標」です。インプレッション数(impression)といい、略してIMPと呼ばれます。
表示回数は、広告が掲載されるたびに1 回カウントされます。(ディスプレイ広告などの場合、広告の一部が表示された時もカウントされます。)
リスティング広告の表示回数を決めるものは、設定しているキーワードの「ユーザーの検索数」と、「広告がどれだけ競合に比べてオークションに勝てたか」によります。。
検索数が多いキーワードを設定していれば、より多くオークションに参加する機会が得られ、表示機会も増えますし、参加したオークションに勝つ機会が多ければ表示回数が多くなります。
表示回数が少ない場合は、ターゲットが狭く配信できる場所が少ないか、入札単価や広告の品質が低く表示機会が失われている可能性があります。キーワードの設定や広告ランクを確認しましょう。
参考ページ:表示回数について(Google広告ヘルプ)
クリック数
クリック数は、広告がクリックされた数を表します。
ユーザーが広告(テキスト広告の見出しや広告表示オプション、バナーなど)をクリックすると、1 回のクリックとしてカウントされます。
クリック数は、「広告を見たユーザーの関心をどの程度引き付けることができたか」を把握する目安になります。
良くクリックされる広告の特徴
- 情報量が多い(広告表示オプションや情報がきちんと設定されていて情報量が多く、配信面が広い)
- 目を引く工夫(広告に数字や【】を利用したり、画像や動画を利用)
- 明確にサービスの魅力をつたえていること(サービスの魅力を的確に伝える。遷移した先のLPの期待を高める内容)
- ユーザーが検索した語句と関連性の高い(自分の探していた内容や自分と関連する内容)
なお、リスティング広告はクリック課金ですので、クリック数が多ければそれだけ費用が多く発生します。
クリック数が多くコンバージョン数が多ければ広告の費用対効果が高い状態ですが、クリック数が多いのに関わらず、コンバージョン数が少ない場合は、 無駄なクリックが発生していないか確認する必要があります。
広告とキーワードを確認し「LPと関連のない売り文句を設定して離脱に繋がっていないか」「ターゲット以外のユーザーを誘導していないか」などを確認しましょう。
参考ページ: クリックについて (Google広告ヘルプ)
クリック率(CTR)
クリック率は、広告のクリック数を表示回数で割った値になります。
英語では、Click Through Rateといい、略してCTRと呼ばれます。
計算方法は下記になります。
クリック率(CTR)%= クリック数 ÷ 表示回数×100
例えば、表示回数が100回でクリック数が3回の場合、クリック率は3%になります。
クリック率は商材によっても異なりますが、 検索広告とディスプレイ広告では、検索の方が高めの傾向にあり、ディスプレイ広告は低い割合となります。 Wordstreamの調査では検索広告のクリック率は平均6~7%になるようです。
参考ページ: Wordstream:クリック率の平均(2022年)
なお、クリック率によって、広告やキーワードがどれだけユーザーの関連性が高く、ユーザーの興味を引いているかの割合がわかるので指標となるためとても重要です。
また、クリック率の高さは、広告ランクを決定する要素である「推定クリック率」にも影響するので、広告の最適化においてとてもは重要な要素となります。
クリック率が低い場合の改善
- キーワード、ターゲットを広げる
- ユーザーの検索内容と関連性の高い広告を配信する(クリック率・広告ランクの改善)
- 広告の内容を、競合と比べて目を引く魅力的なものにする (クリック率=広告ランクの改善)
- クリック単価を上げて、表示回数や表示順位を上げる (クリック率・広告ランクの改善)
- 広告をしっかり設定し、広告表示オプションや広告の配信面を広げる (クリック率・広告ランクの改善)
- 日予算を上げて表示機会を高める
参考ページ: クリック率とは (Google広告ヘルプ)
クリック単価(CPC)
広告が 1 回クリックされた際に発生する費用のことを言います。
英語ではCost Per Clickといい、 略してCPCと呼ばれます。
例えば、1クリック100円の広告が10日クリックされた場合、1000円の広告費用が発生します。
●クリック課金におけるクリック単価
リスティング広告には主に「クリック課金方式」が採用されており、広告を1クリックされるごとに費用が発生する仕組みになっています。この際クリックごとの価格を「クリック単価」といいます。クリック単価はオークションによって決まります。
クリック単価はオークションによって価格が決まるため、競合が多い(人気の高いキーワード)場合はクリック単価も高くなります。また、競合だけの影響ではなく、それぞれの広告の品質によっても変動します。
なお、クリック単価の目安として、検索では一般的に100円から1000円位の事が多いですが、 業界や商材、時期的な要因によっても異なります。
低い場合は数十円。高いものは数千円から1万円を超える場合もあるなどかなり幅広くなります。
クリック単価の目安を調べる際には、キーワードプランナー(Google)やキーワードアドバイスツール(Yahoo)を利用するのがおすすめです。
●平均クリック単価(指標としてのクリック単価)
アカウントやキャンペーン単位のクリック単価の平均値を「平均クリック単価」と呼んでいます。
英語ではCost Per Clickといい、略してcpcと呼びます。
平均クリック単価を算出する場合は、下記の計算式を使います。
平均クリック単価(CPC) = 広告費 ÷ クリック数
クリック数が少ない場合、クリック単価を下げることで配信量を増やすことができます。
また、クリック単価はコンバージョン単価に直結する指標にもなります。
コンバージョン単価が高い場合など、クリック単価を抑えることができれば同じクリック数でも、かかるコストを下げることができます。コンバージョンの獲得の調子が良い場合は、無理にクリック単価を下げない方が良いことがあります。クリック単価を下げることで掲載順位の変動や表示機会が減少し、コンバージョン率自体が下がってしまうこともありますので注意しましょう。
参考ページ: 平均クリック単価(Google広告)
コンバージョン数(CV)
広告の目標に対する成果数。目標に対する行動(アクション)を表した数です。
英語ではConversion といい、略してCVと呼ばれます。
コンバージョンは、そのアカウントの目標の達成数となり、例えば、目標が「商品の購入」の場合は「購入数」、「資料請求やお問合せ」の場合は「お問合せのや資料請求の完了数」など、成果とみなされる行動をとった数を計測したものになります。
コンバージョンの計算方法は下記となります。
コンバージョン数(CV)=クリック数×コンバージョン率
例えば、1件のコンバージョンを獲得するために、 コンバージョン率が1%の場合は100クリック必要です。
獲得できるコンバージョン数は、 商材や予算、測定するコンバージョンのポイント(コンバージョンアクション)によっても異なります。
コンバージョンが少ない場合
コンバージョン数が少ない場合、「クリック数」を増やすか、「コンバージョン率(クリックに対してコンバージョンが獲得できる割合)」を増やす。または、そのどちらも上げる必要があります。
リスティング広告でコントロールできる範囲は「LPの遷移(クリックさせる)まで」となるので、コンバージョンに関しては、広告の管理画面だけでは改善できないこともあります。
管理画面内でできる事だけにとらわれず、 LPの改善を含めトータルで考える習慣をつけましょう。
● コンバージョン数を増やす方法
- キーワード、ターゲットを広げるクリック数 (LPへの流入数)を増やす。
- 広告の内容とLPの内容が一致させる。
- 正しいターゲットに配信できているかキーワードやターゲットを見直す。
- LPの改善( サービス内容や伝え方、エントリーフォーム最適化、 コンバージョン導線設計、CVボタンの追加、ファーストビューの改善など)
- 競合の配信内容やLPを確認し、広告やLP、自社のサービスの改善。
- 自動入札を利用し効率よくCVRの高いユーザーに配信する。
なお、予算が少ないアカウントの場合、そもそものクリック数が少なすぎて、コンバージョンに結びつく機会が得られていないことがあります。クリック数が極端に少ないと正しい広告効果が得られないので注意しましょう。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、クリック数に対するコンバージョンの割合を表す指標です。
英語ではConversion Rate といい、 略してCVRと呼ばれます。
コンバージョン率は、 広告をクリックしたユーザーに対して目標(CV)をどれだけ達成できているかを表すものとなりますので、広告効果を計測するうえで重要な指標となります。
コンバージョン率の計算方法は下記となります。
コンバージョン率(CVR)%=コンバージョン数÷クリック数×100
なお、検索における平均的なコンバージョン率は、業界によって大きく異なります。
Wordstream の調査によると、アパレル/ファッション & ジュエリー、家具は約2%と低めで、動物やペット/医師や外科医では 15% と高めの水準になっているようです。
特にアパレルなどは、検索広告とは相性が悪いため(特定の商品にすでに興味や関心が高かったり、ブランドの名前を聞いたことがある・知っている顕在顧客が中心になってしまうため)リスティング広告のコンバージョン率が低めになります。
参考ページ: Wordstream:コンバージョン率の平均(2022年)
コンバージョン率が低い場合
コンバージョン率が高い場合は、広告のクリック数に対し成約率が高い状況なので、効率よくクリック数を増やせば獲得数も伸びることが予想されます。
反対に、コンバージョン率が低い場合は、広告がクリックされてLPまで遷移したのに関わらず、成果には結びつかなかったことになるため、単純にクリック数を増やしても効率の良い獲得は見込めません。その場合は、まずコンバージョン数を増やし、コンバージョン率を上げる施策を行うが重要になります。
参考ページ: コンバージョン率 (2022年Google広告ヘルプ)
コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価は、成果を1件獲得するためにかかった広告費用を表します。
コンバージョン単価は、英語でCost Per Actionとなり( 日本語訳で「顧客獲得単価」と呼ばれることもあります)、 略してCPAと呼ばれます。
CPAは、広告運用の効率化を判断するための重要な指標となり、CPAが低く獲得できている場合は費用対効果の高い広告といえ、CPAが高い場合は、かけたコストに対し費用対効果の低い広告と考えられます。
CPAの計算方法は下記になります。
コンバージョン単価(CPA)=広告費用÷コンバージョン数
●指標としてのCPA
1件のコンバージョンを獲得する際にかかった広告費用になります。CPAはCV数と費用に依存するため、商材やサービス、 広告費だけでなく、LPやコンバージョンアクション(コンバージョンがとりやすいか)などによっても大きく変動します。
コンバージョン単価が低いと、それだけ同じ広告費用で多くのコンバージョンが獲得できていることになるため、
広告費用が効率よく使えていることになります。
その為、広告の効率を高めるため、できるだけCPAを下げることが望ましいのですが、コンバージョン獲得が進まない場合に費用を抑える形で対策をしてしまうと、流入数が減ってさらにコンバージョン数が減ってしまうこともあります。できるだけコンバージョン数を増やせるような方法での改善がおすすめです。
また、最大限の広告効果を得るためには、下記のような目標となるCPAをしっかり算出し、正しい目標を把握しておくことも重要であると思います。
●目標としてのCPA(目標CPA)
広告の目的によっては、 正確な広告の費用対効果を判断するために、 基準となるCPA(目標CPAや限界CPA)を設定したうえで広告を運用することが重要です。(直接利益を求めていない場合、集客目的の場合は除く)
例えば、10万円の広告費に対し、10件のコンバージョンを取得した場合、CPAは1万円となります。
単純計算で考えた場合でも、商品の単価が20,000円の場合は10,000円の利益となりますが、商品が5000円の場合は、コンバージョンを獲得すればするほど赤字となってしまう計算となります。
基準となる値は、「ここまでなら黒字になるという単価」(限界CPA)と、「利益を確保できる単価」(目標 CPA )などがあり、これらを設定しておくことで、どのくらいまでのCPAまでなら採算がとれるかがわかるため、正しく広告効果を確認することができます。
●自動入札における目標CPA
自動入札における目標CPAは、基本は「目標となるCPAを設定する」という意味では同じですが、自動入札を運用する上で効率の良いCPAを推奨されることがあります。費用対効果を判断し、採算が合わない場合などもあると思います。自動入札についてはまた詳しくご説明します。
参考ページ: コンバージョン率 (Google広告)
本日のまとめ
本日は指標に関して簡単に解説しました。
次回以降、実際の配信結果に伴うそれぞれの改善方法をお知らせできればと思います。
お楽しみに!