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事業会社と代理店(支援会社)の違いとは?マーケティング職で事業会社を10年経験し、支援会社に転職した私が思うこと。

モリヒロ
モリヒロ
更新日:2025.10.29 22:41
事業会社と代理店(支援会社)の違いとは?マーケティング職で事業会社を10年経験し、支援会社に転職した私が思うこと。

近年、マーケティング職の転職市場では「代理店→事業会社」というキャリアチェンジが増えている、と聞いたことがあります。

その中で私は、教育系メディアを運営する事業会社で10年間マーケティングを担当し、その後、代理店(支援会社)側に転職した身で、この逆のルートです。

現在、代理店経験はまだ数ヶ月ほどですが、両方を経験してみると、同じマーケティングの仕事でも、日々の業務内容や責任の重さ、見えてくる景色がまったく違うことに驚かされます。

今回、この体験をもとに、事業会社と代理店の「構造」「目的」「仕事の進め方」「やりがい・難しさ」などをお話ししようと思います。

事業会社と代理店の基本的な構造の違い

事業会社と代理店は、どちらもマーケティング活動を担いますが、その立ち位置や目的は大きく異なります。

まずは、それぞれの組織がどのような構造で成り立っているのかを整理してみます。

事業会社とは

事業会社とは、一般的に自社で商品・サービスを持ち、それを販売・提供することで利益を生み出す組織です。マーケティング担当者は、いかにして自社の価値を顧客に届けるかを考え抜きます。

教育系メディアで働いていた頃、私の主なミッションは「資格取得志望者の増加」でした。広告出稿だけでなく、記事コンテンツの改善、SEO施策、LP(ランディングページ)の改善など、集客から育成までの全体設計を担っていました。

また、社内には営業・開発・カスタマーサポート・経営企画など多くの担当者が存在し、社内調整が不可欠です。長期的なブランド戦略を描きつつ、日々の数値改善を積み重ねるのが現場のリアルでした。

代理店(支援会社)とは

一方の代理店は、クライアント(=事業会社)の集客や売上拡大を支援する立場です。主な目的は「クライアントのKPI達成」であり、自社の商品は「知見・技術・提案力」です。

複数の業界を横断して支援できるのが魅力で、教育、EC、美容、BtoBなど幅広い案件に携わることができます。

代理店のマーケターは、顧客ごとに戦略を組み、成果を数値で示すことが求められます。

▼おすすめの代理店に関しては、下記の記事を参考にしてください。
おすすめのWeb広告代理店31選!選び方やメリット・デメリットも解説

実務で感じた最大の違い──「目的」と「距離感」

両者の仕事に関わる中で、最も強く感じたのが「目的」と「距離感」の違いです。

同じマーケティング業務でも、何のために動くか、どのように成果を追うかで、仕事の進め方や考え方が大きく変わります。

事業会社は「自社の未来」を見据える

事業会社では、売上や顧客数といった目先の数字も大切ですが、最も重視されるのは「ブランドの成長」「ユーザーとの信頼関係」といった長期的な価値です。

例えば教育メディアでは、「このサービスを通じてどんな学び体験を提供できるか」「10年後にどうありたいか」など、中長期のビジョンを常に考えさせられていました。マーケティングでは、広告だけでなくコンテンツ戦略、ユーザートレンドなど、事業全体に深く関わる必要がありました。

事業会社のマーケターは、その行動が事業全体への影響を与えることから「会社の未来を創る人」なのです。

代理店は「クライアントの今」を支援する

代理店の仕事は、より短期的な成果が求められます。月ごとの広告運用、レポート提出、改善提案・・・これらを高頻度で回す必要があります。

クライアントによってKPIが異なるため、同じ「リスティング広告運用」でも、目的は異なることもあります。ある業界ではCPAを重視する一方、ある企業ではリード獲得が重要になる、など目的により、ゴールも異なります。

代理店のマーケターは、顧客ごとに成果の定義を読み解き、それに最短距離で到達する戦略を描くプロフェッショナルです。

仕事の進め方の違い──PDCAのスピードと精度

次に注目したいのが、仕事の進め方、つまりPDCAの回し方です。

同じマーケティング施策でも、事業会社と代理店では「スピード感」と「精度」のバランスに明確な違いが見られます。

事業会社のPDCA

事業会社では、PDCA(計画・実行・検証・改善)のサイクルが中長期的に回ります。新しい企画を立ち上げるにも、他部署との調整や承認プロセスが必要です。

その分、ひとつの施策を深く検証でき、再現性の高いノウハウを蓄積できます。

ただし、スピード感という点では、代理店に比べて慎重です。広告費を投下する前に経営層の承認が必要だったり、ブランド方針との整合性を確認したりと、「社内政治」に時間を取られることもあります。

代理店のPDCA

代理店では、スピードが命です。クライアントの成果に直結するため、データを見て即改善提案を出します。

日々の運用データをもとに、

  • CTR(クリック率)が下がった広告を差し替え
  • 広告素材のABテストを同時進行
  • 分析レポートを行い、定期的に改善案を捻出

といった動きを同時並行で行います。改善提案の精度とスピードが信頼に直結するため、常に最適化を意識します。

つまり、事業会社が「深掘り型PDCA」であるのに対し、代理店は「高速回転型PDCA」と言えます。

やりがいと難しさ──どちらが向いているか?

構造や業務の違いを理解したうえで、次に気になるのは「自分にはどちらが合っているのか」という点でしょう。

ここからは、それぞれの環境で感じられるやりがいと難しさについて、実体験をもとに整理していきます。

事業会社のやりがい

  • 自社ブランドの成長を間近で感じられる
  • 部署を超えて事業全体に関われる
  • 社会的意義を実感しやすい

一方で、変化のスピードが遅く、外の世界のトレンドに疎くなりがちという課題もあります。特に同じ商品・サービスを長く扱うと、視野が内向きになるリスクがあります

代理店のやりがい

  • 多様な業界に関わる刺激
  • 最新の広告技術・ツールを学び続けられる
  • 高いスキルや知識を持った仲間に囲まれる

ただし、クライアント依存度が高く、自分の裁量で動けない場面もあります。

提案が通らなかったり、効果が出ても予算が削られたりすることもあり、自分が思い描いた展望通りに進まないこともあります。そのなかで「常に成果で評価される世界」ではあります。

私が思うそれぞれの向いている人

私の主観ではありますが、事業会社、代理店それぞれに向いている人は下記のようになります。

  • 長期視点でブランド、商品を育てたい人 ⇒ 事業会社
  • 社内調整・人間関係構築が得意な人 ⇒ 事業会社
  • 数値分析や計画(施策)を回すスピード感が好きな人 ⇒ 代理店
  • クライアント折衝・提案が得意な人 ⇒ 代理店

長期的な視点でブランドを育てたい人は、事業会社が向いています。

自社の商品やサービスを深く理解し、時間をかけて育てていくプロセスにやりがいを感じられるからです。短期的な成果よりも、ブランドが成長していく過程そのものを楽しめる人にぴったりでしょう。

また、社内の人と協力しながら物事を進めるのが得意な人は、事業会社で力を発揮しやすいでしょう。

部署間の調整や社内プレゼンなど、組織の中でのコミュニケーションが成果に直結するため、人との関係づくりが好きな人に向いています。

一方で、数字を追うのが好きでスピード感を持って動きたい人には、代理店が向いています。

さまざまな業種のクライアント案件を担当し、データをもとに施策を素早く改善していく仕事が中心です。成果が数字としてすぐに返ってくるため、手応えを感じやすいのも魅力です。

また、人と話すのが得意で、提案力やコミュニケーション力に自信がある人は、代理店で輝けます。

多様なクライアントと接する中で、相手の課題を見極め、最適な施策を提案するスキルが求められるからです。

キャリアの観点でそれぞれ何を学べるか?

事業会社では、経営視点・組織理解・事業設計力を学べます。商品企画や予算設計など、上流の意思決定に関わる経験が得られます。

代理店では、実行力・提案力・分析力が磨かれます。市場の変化に敏感になり、どんな業界でも成果を出す汎用スキルを身につけられます。

両方を経験することで、「自分が本当に提供したい価値は何か」「どんな働き方が合うか」が見えてきました。

私は実際に両方を経験したことで、「マーケティングの本質は立場を問わず同じだ」と感じています。

両者の関係性の理想形──「パートナーシップ」へ

私が個人的に思うこととして、事業会社と代理店は対立関係ではなく、共創関係であるべきと思っております。

正直に言いますと、事業会社時代、Web広告などを支援していただいた代理店とは、何度も衝突を重ねました。それぞれの立場で考えが異なることは多々あると思います。

その体験から、私は「代理店は支援する側、事業会社は支援される側」という関係ではなく、両者が一体となって事業の成功を目指すことが理想的だと考えるようになりました。

事業会社と代理店が同じ目標に向かって戦略を共に考える関係が、その事業の成功、発展に繋がると思っています。

実際、私や弊社が担当しているクライアントとは、定期的に連絡を取り合い、施策を共有しながら同じ方向を向いて進める関係を築いています。

こうした信頼関係こそが、成果を生むうえでの大切な基盤になっていると感じます。

まとめ──両者を経験して見えた「マーケターとしての本質」

事業会社と代理店、どちらにも学びがあります。

事業会社で「自社の成長」を追いかけた10年間。

そして現在、代理店として「クライアントの成長」を支える立場になり、改めて感じるのはマーケティングの本質は、人の行動を変える力だということです。

広告運用や集客施策は単なる手段であり、最も大切なのは「相手の課題を理解し、最適な道筋を共に描くこと」です。

これは、事業会社であっても代理店であっても変わりません。

そんな思いをもって、私は今クロスバズで、事業会社や個人事業主の方々の集客支援・Webマーケティング支援を行っています。

もし、

  • 広告を出しても成果が出ない
  • 集客設計をゼロから見直したい
  • 自社のマーケティングを一緒に考えてくれるパートナーがほしい

と感じている方がいらっしゃれば、ぜひ一度クロスバズにご相談ください。

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