クロスバズのベコです!
前回、ロジックツリーを使った運用方法の整理の仕方を解説しましたが、機械学習による自動化が進む中で、入札のも自動化で最適化も自動化になり、なんだか「ブラックボックスになってしまっている」と感じたり 「なんでこの最適化をするのか」が分からないまま行っているという方も増えていると思います。(実際にブラックボックスも⁈)
そんな時は公式サイトを見ると、仕組みがわかることがあります。
ロジックや仕組みがわかることで「何故、この最適化や改善内容が必要なのか」ということががわかるようになり、また機械学習を使いこなす方法も見えてくることがあります。
今回は、Google広告の最も肝となる「オークション」ページを参考にロジックを読み解いてみましょう。
※本当は英語で読むのが理想だと思いますが、日本語サイトでも頑張って読み解いてみると、ロジックのヒントになる事が載っていることもあります。
では、さっそくヘルプページを確認してみましょう!
「オークション」ページを読んでみよう
Google広告のオークションはどのように行われているでしょう。
いざ、オークションの仕組みを説明してみましょうといわれると、一瞬「うん?」と思ってしまうかもしれません。
「あらかじめキーワードに上限クリック単価を指定して入札し、そのキーワードに近い(一致する)検索があった場合、オークションが行われ、キーワードの入札単価や広告の品質に応じて掲載順位が決められて広告が表示される。」
こんな感じで答えられれば、ほぼOKかと思われます。
オークションの意味が分からない人も、これくらいわかるよ!という方も、意外とわざわざオークションの仕組みについて調べることは少ないと思いますが、ヘルプページをじっくり読むと、結構いろいろなヒントが隠されていて、Google広告の仕組みが見えるようになってきます。
ではちょっと読んでみましょう。
※ちなみに、このページは2022年12月に書かれたものなので、読んでいただくタイミングで内容が切り替わっている可能性があります。(結構更新されています)
オークション
オークションとは、Google 検索が行われるたびに発生するプロセスで、個々の検索に対して表示する広告とページでの掲載順位(または広告をまったく掲載しないか)を決定します。広告は、検索で掲載候補となるたびに広告オークションにかけられます。オークションでは、その広告を実際に掲載するかどうか、掲載する場合はページ上での広告の掲載順位が決まります。
Google広告ヘルプ「オークション」
https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja
先ほど説明した説明に近い内容ですが、まず「全く表示されないこともある」と言っているのがわかります。オークションとはいえ、最低でもこの水準というのが決まっているのがわかりますね。
また、検索の度にオークションが行われ、掲載の有無と広告順位が決定されるのがわかります。
そして次の行から、「ユーザーの検索をした際にどのような流れでオークションが行われるか 」が掲載されています。いよいよです。
オークションの仕組みは次のとおりです。
1.ユーザーが検索を行うと、その検索内容と一致するキーワードが設定された広告がすべて検出されます。
Google広告ヘルプ「オークション」
https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja
まず、1の項目で、ユーザの検索した「語句(検索語句)」に対して検出されるものについて記載がありますが、
私の注目のポイントはこの「広告が検出されます」の「広告」の部分です。
ユーザーの検索語句から最初に検出されるのは「広告」であり、オークションで競り合いになる対象が「広告」だということがわかります。
つい、リスティング広告は、キーワード単位で入札をできる事から、オークションはキーワード単位で行われていると思ってしまいますが、 オークションにおけるもっとも重要なものは「広告」であるという事を今一度確認できる内容となっています。 ( イメージとして、キーワードはターゲット設定のような役割を果たすものになりますね)
(私は、「オークションは広告単位で行われてたんだ。」とちょっとびっくりした覚えがあり、ここがすでに言いたいことの半分にを伝えた感じになってしまいますが、先に続きます。)
続いて、2の項目で対象外広告の処理についての記載があります。この段階でターゲット外や不承認が外されてるということになります。
2.検出された広告のうち、別の国をターゲットとする広告やポリシー違反に基づいて不承認となっている広告など、対象外の広告は無視されます。
Google広告ヘルプ「オークション」
https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja
そして、3の項目でいよいよ、広告の表示について紹介されています。
3.残った広告の中で広告ランクが十分に高いものだけが表示されます。広告ランクとは、入札単価や広告の品質、広告ランクの最低基準、ユーザーの検索状況、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づいて算出されるスコアです。
Google広告ヘルプ「オークション」
https://support.google.com/google-ads/answer/142918?hl=ja
こちらの記載では、広告が表示決定するのは「広告ランク」とありますが、広告ランクについては、皆さんもご存じの通り、広告の表示の有無だけではなく掲載順位の決定するスコアになります。
また広告ランクは、「入札単価」だけでなく、 「広告の品質」「広告表示オプション」「その他の広告フォーマットの見込み効果」などの広告設定の影響をうけるもの。さらに、「広告ランクの最低基準(広告ランクの下限値)」「ユーザーの検索状況」のように 外部の影響をうけるものなど、様々な要素や条件が加味されていると記載されています。
広告ランクを決定する条件については、たくさんありすぎて何のことかわかりませんので、こちらもヘルプページを見てみましょう。ちなみに、広告ランクについても、個別のページが準備されていますので、一部引用してみます。
広告ランク
広告ランクのページの引用はこちらになります。
広告ランクは掲載の有無と掲載順位を決めるもので、上限クリック単価以外に、多くの情報をもとに掲載順位や掲載の有無を決めているのがわかります。(なお、おおまかに6要素!という記載はブラックボックス感がありますね)
広告ランクについて
掲載される広告とその掲載順位は、広告オークションで決まります。
Google 広告では、オークションに参加したすべての広告について、広告ランクが算定されます。広告ランクに基づいて、広告が掲載されるかどうかが決まります。通常は広告ランクが高い順に上位の広告枠が割り当てられます(該当枠の下限値をクリアしている場合)。
広告ランクは、おおまかに次の 6 つの要素で決まります。
入札単価 – 入札単価とは、広告のクリック 1 回に対して最大でいくらまで支払ってもよいか、広告主様が指定したものです。通常、最終的な支払い金額はこれより少なくなります。入札単価はいつでも変更できます。広告とランディング ページの品質 – 広告とそのリンク先のウェブサイトがユーザーにとってどれほど有用で関連性が高いものであるかも判断基準となります。広告の品質評価の結果は、品質スコアでわかります。品質スコアは Google 広告アカウントで確認し、改善することができます。
広告ランクの下限値 – 常に質の高い広告を掲載するため、表示される広告が満たすべき最低限の基準を定めています。
オークションにおける競争力 – 同じ順位で競合する 2 つの広告の広告ランクが同じ場合、それぞれが同じ順位を獲得する確率はほぼ同じになります。2 つの広告主の広告間の広告ランクの差が大きくなると、ランクの高い広告は勝つ確率は高くなりますが、その位置を獲得する確率を高くするために高いクリック単価を支払うこともあります。
ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)– 広告オークションにおいてコンテキストは重要な要素です。広告ランクを算出する際は、ユーザーが入力した検索語句、検索時のユーザーの所在地、使用しているデバイス(例: モバイル デバイスやパソコンなど)、時刻、検索語句の性質、同じページに表示される他の広告や検索結果をはじめ、さまざまなユーザー シグナルや属性が考慮されます。
広告表示オプションやその他の広告フォーマットの効果 – 広告を作成する際、サイト内の特定のページへのリンクや電話番号など、特定の情報を広告に追加できます。この機能を広告表示オプションといいます。Google 広告では、広告主様が追加した広告表示オプションやフォーマットの見込み効果も考慮されます。
Google広告ヘルプ 「広告ランクについて」
https://support.google.com/google-ads/answer/1722122?
ここでの注目ポイントは、まず「入札単価」。オークションの際に上限クリック単価で指定した金額が広告ランクに影響を与えるのがわかります。一番上に書いてありますので一番重要な項目ですね。
※もっと詳しく入札の動きが知りたい場合は、 こちらのページがおすすめです。
そして2番目のポイントは「広告とランディングページの品質」です。
広告ランクにおいては、入札単価の次に広告とランディングページの品質について書かれていますし、広告の品質については、同ページにさらに詳細な内容が掲載されており、とても重要なことがわかります。
次に下限値がありますので、最適基準が決定していること。また競争力の部分ではクリック単価に更にリンクがあります。
ちなみに、細かい内容になりますので割愛しますが、下限値やオークションの競争力の説明からのリンクページはそれぞれ、「広告ランクの下限値:定義」と、「実際のクリック単価」になりますが、このあたりを読むと、もやっとしていたオークションの仕組みが見えてきます。(この2ページは、なかなか濃厚なページですが今回は割愛します)
その他、ユーザシグナルや広告表示オプションなども、広告ランクに影響を与えていることがわかります。
広告の品質はなぜ重要
先ほどご説明した通り、「広告の品質」は広告ランクの説明ページの中にさらに詳しい内容が書かれており、広告ランクの決定において、非常に重要なポイントです。
高品質な広告ほど広告ランクが上昇
広告ランクは、オークションにかけられる広告が掲載候補になるたびに計算されます。この計算には入札単価のほか、推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性(いずれもオークション時の測定値)などの要素が反映されます。オークション時の品質は、さまざまな要素をもとに判定されます。下記の要素を改善すると、品質スコアの改善につながります。広告の推定クリック率: 広告の過去のクリック数や表示回数など(広告表示オプションと、過去にクリックされた広告の目立ちやすさに影響した可能性のあるその他のフォーマットなどの要因に合わせて調節されます)
広告と検索の関連性: 広告とユーザーの検索内容との関連性
ランディング ページの品質: ページの関連性、情報の透明性、操作性広告の品質はなぜ重要か
Google広告ヘルプ 「広告ランクについて」
広告の品質は、さまざまな場面で広告の掲載結果を左右する重要な指標です。
広告オークションの参加資格: 広告の品質評価は広告ランクの下限値を決定する要素のひとつとなるため、品質の評価によっては、広告に掲載資格自体が与えられない場合もあります。
実際のクリック単価(CPC): 一般的に、広告の品質が高いほど、クリック単価は低くなります。つまり、広告の品質が高いほど、1 クリックに対するお支払いを抑えられます。
広告表示オプションとその他の広告フォーマットの表示資格: 広告表示オプションとその他の広告フォーマット(サイトリンクなど)を表示できるかどうかは、広告ランクによって決まります。
https://support.google.com/google-ads/answer/1722122
上記を確認すると、広告ランクの要素の中でも「広告」の「クリック率」や「広告と検索語句の関連性」。そして「LPとの関連性」が高い事が重要だと記載がされています。
最初のオークションのページで「ユーザーの検索語句」の内容⇒「広告」が選出される事がわかりましたが広告ランクのページにも重要な項目と記載されており、「検索語句と広告の関連性」がいかに重要かがわかってくると思います。
※なお、先に紹介したオークションページでは下記のような記述も掲載されていて、キーワードとの関連性?と思われた方もいたかもしれませんがおそらく、こちらは、本来は検索語句との関連性を高めたいところですが、検索語句を想像しながら設定するのは大変なので、できるだけ広告にキーワードを設定し検索語句とも関連性を高めていきましょうという事なんだと解釈しております。(ここは広告のスコアにも影響してますね!)
重要なポイントとして挙げられるのは、たとえ競合相手が自分よりも高い入札単価を設定していても、キーワードと広告の関連性が高ければ、低い入札単価で相手を上回る掲載順位を獲得できる可能性があるという点です。
Google広告ヘルプ 「広告ランクについて」
https://support.google.com/google-ads/answer/1722122?
上記のようにヘルプページを読み解いていくと、「広告」の重要性や、「広告」の品質を上げる事が最適化の重要なポイントとなっている理由や、最適化案などで「キーワードを広告に追加しましょう」とか「広告アセットを追加しましょう」など、関連性を高める事を推奨してくる理由が少しわかるようになると思います。
ちなみに、広告の品質について、品質スコアが掲載順位を決定するという風に思われているケースも多いですが、品質スコアは「広告の品質」の目安なので、品質スコアの数値で広告ランクが決まると考えるのは間違いなので注意しましょう。(目安として改善するのはもちろんOKです)
※評価対象にならない件はヘルプページに小さく載っています。
なんで広告の品質を高めることを推奨しているの?
では、何でGoogleは、上限クリック単価と同じくらい「品質品質と騒ぐのか?」という所ですが
これは、Googeにとって、広告の品質=ユーザービリティの向上に直結しているためと思われます。
ユーザーが検索する
※この段階でオークションが行われている(この後のユーザビリティ向上のために広告の品質が重要になります)
↓
ユーザーが調べた内容と最も近い広告が表示される
※広告と検索語句の関連性を高める・広告表示オプションで事前情報を伝える。
↓
ユーザーがクリックする
※広告を魅力的にしてクリック率を高めることで推定クリック率を改善。
↓
ユーザーが検索した内容と同じ内容の使いやすいLPが表示される
※LPの関連性と利便性
また、情報を正しく整理し、使いやすくする事は、Google自体の使命にもなっているところなので、大切にしているポイントであり、 広告の品質を上げてもらえれば、ユーザーが使いやすいサービスだと思ってもらえ、ユーザーが増えて、広告をするお客様も増えるという事も考えられます。
Googleとして、クリック単価を上げて単純に利益を求めることよりもお客様のユーザビリティを上げてもらう事を推奨している。という解釈でよいかなと思っております。
広告の品質改善が、ユーザーにとっては、ユーザビリティの向上にもつながり、 広告主にとっては、クリック単価を下げたり、掲載順位を上げる事にもつながり、Googleにとても、よいサービスが提供できるという「3方良し」になるので、このオークションや広告ランクの仕組みはうまくできている。と思います。
それだけでなく、広告はお客様の一番最初に目に触れる部分でもあり、「お客様とサービスの架け橋になる」という最も重要な役目を担っており、「広告」の改善は、Google広告において間違いなく一番重要なポイントになると私は思っています。
おわりに
今回は、Google広告のヘルプページを読んで、ロジックを知りましょうというテーマでお送りしましたが、Google広告のヘルプページは結構こまめに改訂されています。
当たり前と思っていたことが、そっと内容が変わっている!という事が多く「こうなったのか??」と驚く事もあります。
もう知ってると思わずに、改めて知っていると思っている内容も読み直してみると、発見につながることもあるので、ぜひ新しいコンテンツ以外のページも、たまにで良いので見直していただく事をお勧めします。
媒体にヘルプページは基本ですが、その他、リスティングの新情報の入手方法の記事などもありますので、ご参考に頂けると幸いです!