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EFO対策とは?実施すべき15の施策と期待できる効果

X編集部
2023.04.03 10:00
EFO対策とは?実施すべき15の施策と期待できる効果

運用中のWebページへの訪問者は増えているものの、入力フォームでの離脱で最終的なコンバージョンに至らないとお困りのWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。

離脱を防ぐためには、EFO(入力フォーム最適化)の対策を実行し、ユーザーの利便性を高める必要があります。

本記事では、EFO対策を行うのが初めての方でも分かりやすいように、EFO対策の重要性や効果と、実施すべき15の施策について解説します。

EFO対策とは?

「EFO」は、「Entry Form Optimization(入力フォーム最適化)」の略称です。ここでいう入力フォームとは、下記を行う際に個人情報など必要事項を入力して送信するための画面のことです。

  • 商品購入・サービス申込みなど
  • 会員登録
  • 資料ダウンロード
  • お問い合わせ

EFO対策とは、これらの入力フォームをユーザーが使いやすく、入力しやすい形に最適化するためのさまざまな施策を意味します。

フォームから離脱する4つの理由

デジタルマーケティング領域での市場調査などを行っている「The Manifest」が実施したオンラインフォームに関する調査(*)によると、過去にフォームから途中離脱した経験のある人は、全体の8割以上にのぼることが分かっています。

同社が対象者へフォームから離脱する理由を尋ねたところ、次の4つの理由があがったと記されていました。

  1. セキュリティ上の不安:29%
  2. フォームの長さ:27%
  3. 広告やアップセルのストレス:11%
  4. 情報収集の理由が明らかでない:10%

フォームには個人情報などの入力が求められることから、セキュリティ上の不安がもっとも多い離脱の理由となっています。

また、入力が必要な項目が多すぎる場合や無駄な項目があると感じると、入力が面倒になり離脱につながるようです。

ほかにも、「フォームが使いにくい」「何度もやり直しやエラーになる」「誤操作で入力データが消えてしまった」などの原因でストレスを感じた時に離脱する人も多い傾向があります。

しかし、逆に考えると、これらのユーザーの不安やストレスを解消できれば、コンバージョンを改善できる可能性が高いということを裏付けるデータであるともいえます。

*出典:6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment

EFO対策の普及と重要性

コンバージョンに大きな影響を与える要素として、EFO対策に注力する企業が増えています。

入力フォーム以外にも、「チャットボット」「ライブチャット」「アンケート」などのリードの創出方法がありますが、HubSpotが2019年に行った調査(**)によると、全体の74%が入力フォームからリード創出を行っていることが明らかになっています。

リード創出の主力導線である入力フォームを最適化することは、BtoB企業をはじめとするあらゆるビジネスモデルに欠かせないものといえます。

とくに、入力フォームを通じてリードを創出することが多いBtoB企業の場合、適切なEFO対策はビジネス拡大へ有効であると認識しておくことが必要です。

**出典:HubSpot

関連記事:BtoBのLP(ランディングページ)制作における4つのポイントとは?特徴や事例解説

EFO対策で期待できる効果は?

適切なEFO対策を実施すると、ユーザーのフォームからの離脱率が改善し、申込みや問い合わせなどのコンバージョンを達成しやすくなります。

実際に、EFO対策を行ったことで、離脱率が20%改善した成功事例なども耳にします。

仮に、Webページへ1万人の訪問者がいた場合、下記のような改善結果が想定されます。

EFO対策で期待できる効果は?

1,000人が入力フォームにたどり着いたとすると、EFO対策前とEFO対策後では、申込み人数が100名から120名へと、20名も増加する計算になります。

EFO対策では、離脱率の改善によるコンバージョン率の向上の効果が期待できるといえます。

EFO対策の具体的な15の施策

EFO対策の具体的な15の施策

EFO対策は、何よりもユーザー第一で考えることが重要です。次の4つのポイントに対応したEFO対策の具体的な施策を、全部で15項目ご紹介します。

  • ユーザーの手間を減らす施策:4項目
  • ユーザーが入力をしやすくなる施策:4項目
  • ユーザーのストレスをなくす施策:3項目
  • ユーザーの行動心理にもとづいた施策:4項目

ユーザーの手間を減らすEFO対策

EFO対策として、まずはユーザーの手間を減らすための4つの施策を確認しておきましょう。

1. 入力項目を絞る

フォームでの入力項目の多さは、ユーザーにとって大きな負担となります。多くのユーザー情報を収集したいからといって、やみくもに入力項目を増やしてしまうと、結果的に離脱を増やして成果に結びつきにくくなってしまいます。

本当に入力してもらうべきか慎重に検討したうえで、必要最低限の入力項目に絞るようにしましょう。

また、選択式の質問の場合は、選択肢をむやみに増やしすぎず、回答しやすいよう選択肢を絞って整理することも大切です。

2. 住所の自動入力アシストを導入する

住所を毎回フォームへ入力することを、面倒と感じる人も少なくありません。

郵便番号による住所の自動入力アシストを導入することも、ユーザーの手間を減らす工夫の一つです。

自動入力アシストでは、郵便番号(7桁の数字)の入力情報をもとに、住所(都道府県・市区町村)を呼び出すことができます。

住所の自動入力アシストによるサポートを行うことで、入力ミスなども軽減できます。

3. ID連携ボタンを設置する

ID連携とは、「Yahoo! JAPAN ID」「Facebook ID」など外部のアカウントとIDを連携できる機能です。

ID連携ボタンをクリックするだけで、連携しているアカウントの登録情報が入力フォームへと反映されるため、ユーザーの入力の手間を軽減できます。

連携したくない場合には、通常通り手動で入力することも選べるため、ユーザーの多様なニーズに対応可能になります。

4. 生年月日の入力はスマートフォン版ではロール形式にする

ユーザーの年齢層のデータ収集は、企業のマーケティング活動の基本でもあるため、個人情報の入力項目として、生年月日の項目を追加していることも多いでしょう。

生年月日の入力には、ロール形式(ドロップダウンメニュー)を採用する方法が主流になってきています。

とくに、スマートフォンのキーボードによる生年月日の入力は手間がかかるため、操作しやすいロール形式を取り入れることはEFO対策でも欠かせません。

さらに細かく設定する場合は、「年」の初期設定をターゲット層にあわせておくと、よりユーザーの手間を減らすことが可能です。

ユーザーが入力しやすくなるEFO対策

EFO対策では、ユーザーの手間を減らすだけでなく、使いやすさや入力のしやすさも重要なポイントです。具体的な施策を4つご紹介します。

5. 入力例を表示する

名前の「氏名」「フリガナ」などは、入力例を表示することで入力しやすくなります

これは、フォームで氏名の入力を求められた際に、「苗字だけ」なのか「フルネーム」なのか、またフリガナは「ひらがな」なのか「カタカナ」なのか、一瞬迷いが生じる可能性があるためです。その迷いをなくすことで、スムーズに入力してもらえます。

また、入力例の表示は、エラーやミスを防ぐことにもつながります。

入力例の表示には、入力欄に薄いグレー色などで書かれた「プレースホルダー」を使用する方法が一般的です。

ただし、基本的には入力を始めるとプレースホルダーの表示は消えるため、ヒントや必須事項などは枠外に記載するように調整しましょう。

6. キーボードの自動切り替え

キーボードの自動切り替えとは、フォームの入力欄にカーソルをあてた際、ユーザー側の文字入力のモード(数字・カナ・全角・半角など)を自動的に切り替える機能です。

とくに、スマートフォンの入力画面では、項目に適したキーボードに自動切り替えされると入力を進めやすくなることから、実施しておきたいEFO対策の一つです。

具体的には、電話番号の入力欄をタップした際に、数字のキーボードに自動切り替えされるような設定が必要です。

ほかにも、郵便番号は数字キーボードへ、メールアドレスはアルファベットのキーボードへ切り替えるなど、項目ごとに設定しましょう。

7. 入力枠のサイズは大きめに設定する

フォームの入力枠のサイズが小さいと、可読性が低下し、入力しにくくなってしまいます。ユーザーが入力しやすくするには、入力枠のサイズ設定もポイントです。

スマートフォンなどモバイルブラウザの場合、入力枠のサイズを大きめに設定することで、タップしやすくなり、スムーズに入力できます。

パソコンのブラウザでは、左側に項目があり、右側に入力枠のレイアウトとなっていることが多いですが、スマートフォンで同じレイアウトにすると入力枠が小さくなってしまいます。

スマートフォン向けのEFO対策として、項目の下に入力枠を設置するなど、配置にも工夫が必要です。

8. 送信ボタンを目立たせる

フォームの入力完了後に送信ボタンをクリックすると、入力した内容が送信されます。

送信ボタンは、「押しやすさ」「判別しやすさ」「間違って押さない」ことへの配慮が必要です。

EFO対策としては、送信ボタンの大きさ・色を工夫するほか、ユーザーの目線や導線も考慮し、「優先度の高いボタンを上に」「次のステップへ進むなら右側に」設置するなど、配置も検証すると良いでしょう。

ユーザーのストレスをなくすEFO対策

ユーザーが入力中にストレスを感じると、離脱につながる可能性が高くなります。ユーザーのストレスをなくすためのEFO対策の具体的な施策は、次の3つです。

9. 必須項目を明記する

フォームでの入力項目を最小限に絞ることに加え、必須項目を明記することも大切です。

入力項目の横に「必須」のマークを表示することで、ユーザーが必須項目を認識しやすくなります

氏名・職業・年齢・住所・生年月日・連絡先などの必須項目と、アンケート調査などの追加項目を明確にすることで、ストレスを軽減できます。

ユーザーの利便性への配慮が感じられると、安心して入力を進められるため、離脱を防ぎやすくなるでしょう。

10. リアルタイムでエラーを表示する

先ほどの必須項目の明記に連動し、リアルタイムでエラーを表示することもおすすめのEFO対策です。

すべての入力を終え、「送信ボタン」を押したタイミングでエラーが表示されるフォームもありますが、エラーの部分を探しに戻るよう要求することは、ユーザーのストレスになりかねません。

必須項目が未記入の場合には入力枠が赤くなるなど、入力中にアラートを表示することで、入力完了後にエラーを表示するよりも、効率的に入力を進められます

11. 入力完了までの流れを表示する

フォームの入力があとどのくらいで終わるのか分からないと、ユーザーが不安に感じてストレスになる可能性があります。

今どの段階なのか、あとどれくらい入力項目があるのかという、入力完了までの流れを表示すると良いでしょう。

画面上部などにステップを表示して、現在どの地点にいるのか分かるようにしましょう

ユーザーの行動心理にもとづいたEFO対策

手間を減らす・入力しやすくする・ストレスを軽減する、という基本の施策のほかに、ユーザーの行動心理にもとづいた施策を取り入れることで、EFO対策を強化できます。具体的な施策を4つご紹介します。

12. ページ離脱の際のアラート

ユーザーが入力の途中でページを戻ったり、他のページへ移動しようとしたりしたタイミングで、ページ離脱のアラートを設定しておくことも一つの方法です。

ポップアップで、「このページを離れる」「ページにとどまる」といったアラートを表示すると良いでしょう。

ページ離脱の際のアラートは、誤操作による離脱を防げるほか、「入力の情報が失われますがよろしいですか?」などのメッセージを表示することで、「ここまで入力したなら最後まで完了させよう」というサンクコストの効果も期待できます。

13. データが安全であることを伝える

フォームでは、個人情報や支払いのためのクレジットカード情報など、プライバシーに関わる情報の入力が求められます。

セキュリティ上の懸念からフォーム離脱するユーザーがもっとも多いことからも分かるように、「本当に入力しても大丈夫か?」という、ユーザーの不安を解消することは非常に重要です。

具体的には、SSL(暗号化通信)の証明を提示し、データが安全であることを伝える方法が有効です。

SSLとは、データを暗号化して送信するものであり、「http」ではなく「https」に設定することで、通信経路での第三者による情報の盗聴や改ざんのリスクを軽減できます。

14. フォームの入力が途中であることをリマインドする

途中でフォームから離脱したユーザーに対して、メールでフォームの入力が途中であることをリマインドするというEFO対策の方法もあります。

フォームの最初の段階で、メールアドレスの入力と送信を完了するようなフォームの構成にすることで、メールでのリマインドが可能になります

The Manifestの公開データ(*)によると、「リマインドによって、離脱した人の19%がフォームに戻ってきた」という統計もあるため、リマインドの実施も検討してみると良いでしょう。

*出典:6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment

15. 広告やアップセルを避ける

ユーザー心理をもとにすると、多くの人は「短く的を絞った安全な入力フォーム」を利用したいと考えていることが分かります。

フォーム入力中に広告や追加購入を促すアップセルを表示することは、この意図に反するため、避けなければなりません。

あくまでも、ユーザーの不安やストレスになる要素は排除し、フォーム入力と送信完了をスムーズに進めてもらう点に焦点を当てることが大切です。

EFO対策の効率的な進め方

EFO対策の効率的な進め方

実施すべき施策が多岐にわたるEFO対策では、効率的に進めていくことが求められます。

次の2つの実施方法を参考に、EFO対策を効率的に進めてみてください。

ヒートマップ解析などテストを実施する

フォーム上でのユーザーの操作方法を観察することは、フォームの問題点を特定し、効率的にEFO対策を進めるために役立ちます。

ユーザーが入力フォーム上でカーソルをどのように動かすかを確認するには、ヒートマップ解析などのテストを実施すると良いでしょう。ヒートマップとは、Webページに訪問したユーザーの行動を色や濃淡によって可視化したものです。

ユーザーの注意がどこに向けられているかを知ることで、入力フォームの再設計や再構築に有効なパターンを把握しやすくなります

EFOツールを活用する

EFO対策のための分析を、すべて手動で行うのは骨の折れる作業ですが、EFOツールを活用することで効率的に進められます。

EFOツールの主な機能は、「入力支援」「レポート」などです。

入力支援付きのフォームを管理画面から簡単に作成することや、フォームへの訪問数や離脱率などをレポートとして閲覧・出力することが可能です。

また、運用サポート付きのEFOツールサービスもあるため、改善の提案やフォームの再構築などの代行を依頼したい場合にも活用できます。

ただし、多様なEFOツールが提供されていることや、導入のための費用がかかることから、自社のリソースや予算をふまえて複数比較したうえで、利用を検討することをおすすめします。

まとめ

EFO対策によってフォームの途中離脱を防げるようになると、ユーザーの利便性を高めることはもちろん、最終的にリードの創出や自社のサービスの利用者を増やすことにつながります。

EFO対策には具体的な施策が多々ありますが、基本はユーザーの使いやすさを第一に考えることが大切です。ヒートマップ解析やEFOツールを用いて、効率的に改善を進めましょう。

フォームからリード創出や商品購入などを促すLPやWebサイトの運用では、EFOをはじめ、ページ訪問率・フォーム到達率などさまざまなKPIや要素の改善・最適化が必要です。

自社でのLP運用に不安のある方や、成果につながらずにお困りの方は、クロスバズへご相談ください。

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